10月の犯罪

 

市警は最近起きた 2件の襲撃事件に関与した男を捜査中

 

10月27日付市警ニュース
(Japanese Social Servicesよりの情報提供)

 

トロント市警は、 10月26日水曜日、グリーンウッド通り近くで、若い女性が襲われた2件の事件に関与したと思われる男性の特定に、一般市民の協力を求めている。
以下は事件の概要である。

午後 10時30分、15歳の少女がミルバートン通りに向かって、グリーンウッド通りを北方向に歩行中、容疑者が背後から彼女につかみかかった。
容疑者は、彼女を民家の間の路地に無理やり引きずり込み、性的暴行を加えようとした。
住民が被害者の悲鳴を聞き、助けに入り、容疑者を追い払った。

続いて起こった事件は以下の通り。
ほぼ15分後、同じ容疑者がペイプ通り東側のサモン通りで、26歳の女性につかみかかり、路地に連れ込んだ。
助けを求める声を聞いて、近所の住民が助けに入った。

容疑者は、年齢 17歳から20歳の白人、身長5ft6in(約167.5cm)から5ft8in(約173cm)、薄い色の生地で出来たものを頭につけ、半ズボンを着 用。
この地域の女性に対し、周囲に注意し、夜一人歩きする場合は、ウォークマンなどの使用は避けるように呼びかけている。

 

JSS情報分析

 

記事にもある通り 2件共に、被害者が助けを呼び、近くの住民の協力で最悪の事態が避けられた。

警察が発表するニュースでは襲撃事件、性的暴力事件は頻発している。市警ないしは周辺郡の警察発表ではほぼ 毎日どこかでこの種の事件が発生していることがわかる。
2003年の事件発生数は2,680件であったが2004年には約10%増加し2,902件であり、検挙率はここ数年70~80%となっている。この検挙 率は他の暴力事件の検挙率とは変わらない数字であるが、窃盗事件などに比べると大幅に高い率であり、警察が事態を重視していることが考えられる。
以下は被害を避けるための必須事項である。

夜間の一人歩きを避ける。

暗い道、人通りの少ない道を避ける。

周囲に注意する。

もし襲撃にあったら大声で叫ぶ。

記事にも書かれているが、ウォークマンなどを使用していると周囲に対する注意が散漫となり被害を受けやすい 事は言うまでもない。

 

 

本年 63及び64件目の殺人事件発生

 

10月24日付市警ニュース
(Japanese Social Servicesよりの情報提供)

 

10月23日日曜日、午後6時35分頃、マーチングローブ通りとフィンチ西通り交差点で発砲事件が起こり、 警察が出動した。
警察により銃創を負った2人の男性が乗った車が発見され、以下の発表を行った。
オークビル在住のアリーム・レムチュラ、26才(本年63件目の殺人事件被害者)は、サニーブロック女子大病院に搬送され、死亡が確認。 同じくオークビル在住のファヒム・タラクシ、25才(本年64件目の殺人事件被害者)は、現場での死亡が確認。
現場では車から東へ向かって逃走した男が2人目撃されている。

容疑者 1:黒人、20代前半、身長6ft(約183cm)、体重150~160lbs(約68~72kg)、脇がボタンなどで開く白いトレーニングパンツ、濃い 色の靴、腰丈の黒いコート。

容疑者 2:黒人、身長5ft8in~5ft10in(約172 cm~178cm)、体重170lbs(約77kg)、白い帽子の上に濃い色のフード、色の濃いコート。

警察では、逃走を目撃された 2人の容疑者の身元と、発砲に先立って被害を受けた2人の被害者の所在確認につき、一般からの協力を求めている。

JSS情報分析

 

本件に先立つ 23日土曜日に、本件現場に至近の場所で22歳の若者が銃によって殺害されている。本件でさらに死亡者が2名増え、本年年初からのトロントの殺人事件死亡 者は64名となり、うち銃による者はこれまでにない44名となった。
本件では詳細な捜査が未完了のため正確な発生状況がわからないが、死亡者は2人とも車の中にいて被害にあっており、交通量の多い交差点で停車したときに発 砲が起きた模様である。
この夏は銃による殺人が頻発したが、警察による巡邏の強化、地域のギャング(Ardwick Blood Crew)に対する徹底的な手入れの結果このひと月は平穏が保たれていた。それが前記の土曜日の殺人で再発、3名が死亡し、他に負傷事件が3件(ダウンタ ウン中心部のナイトクラブ、DVP/エグリントン地域及びジェーン・フィンチ地区で)起きている。
スター紙によれば連邦政府は銃による犯罪に対して、科料の引き上げ、保釈条件の強化、重犯者に対する銃器保有の生涯禁止などに踏み切る見通しであり、また 不法輸入(犯罪に用いられる銃器の半数は不法輸入されたものだと言われる)に関して米国の銃器生産者の提訴も考慮中という。
発砲ないしは銃による殺人事件の発生場所は、必ずしも特定できないとされるが、市の西北地域は比較的頻発する地域である。また、この夏には一般のモールや 駐車場での事件発生が目立ったが、大まかに見ているとナイトクラブ周辺の事件発生が少なくないように見受けられる。

 

 

高齢者を対象とした新しい防犯運動

 

10月17日付州警察ニュース
(Japanese Social Servicesよりの情報提供)

 

10月17日オリリア市 オンタリオ州警察は、州内で増えている消費者詐欺や経済的虐待の被害について高齢者を啓発するための新しい防犯運動であるSeniors Take Charge(「高齢者自身で自分の身を守ろう」)を推進することとした。
この新しい防犯運動では高齢者に、「すぐにやらなくてはいけません」といった強引なリフォーム詐欺からの電話勧誘があった場合などに、確かな情報に基づい て判断する情報を与える事を目的としている。
具体的には、ホテルでドアの取っ手にかける「就寝中」のサインに似たドア・ハンガーを配布し、「ドアの危険」と「電話の危険」と書かれたドア・ハンガーに は、高齢者の意志判断の助けになる重要な、防犯のためのメッセージが含まれている、ということである。
高齢者虐待は身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待、介護放棄の四つに分類され、警察に最も多く報告されるのが、経済的虐待である。
カナダにおける高齢者虐待の発生は高齢者人口のほぼ4%にあたると報告されており、最近の統計ではこの数値はかなり低めに算定されているため、実際の虐待 件数は8~10%に及ぶであろうと指摘されている。
この防犯運動では、Phone Busters (電話などによる詐欺防止コールセンター)が防犯課と協力しており、同コールセンターは、州人口の高齢化を背景に消費者詐欺に対する高齢者への啓発活動に も独自に取り組むことになった。
高齢者虐待は犯罪です。あなた自信もしくはあなたの知り合いに高齢者虐待の被害者がいたら最寄の警察に連絡を取り、Phone Busters 1-888-495-8501に連絡願いたい。

 

JSS情報分析

 

洋 の東西を問わず詐欺事件は後を絶たない。最近日本で頻繁に報道された詐欺事件ではいわゆる「オレオレ詐欺」「住宅改修」詐欺があるが当地では、日本で頻発 しているものに加えて「個人認識情報に関する詐欺」「前払い金詐欺」などが頻繁に報道される。「個人認識情報詐欺」は、銀行カードやクレジットカードの不 正使用に伴って起きることが多く、カード所有者がカード使用のため ATMなどを操作する際に情報を盗む、ないしは何らかの理由をつけて騙し取る、暴力を伴って脅し取る。また「前払い金詐欺」では安易に大金が手に入る投資 案件など、または家屋修理などの話を持ちかけ、その手数料や契約金などを前金で受け取り行方をくらますやり口である。
記事によると高齢者が被害を受ける比率はきわめて高く、高齢者がこれら詐欺犯のターゲットになっているという認識からこの運動が開始されたと理解できる。
筆者は記事にある説明には不案内であるためその内容は解説できないが、常識的、一般的な対策でかなりの被害が防げるものと考える。
たとえば何らかの売り込みについては、どれほど緊急な判断を迫られても一旦時間をとってその根拠や背景(業界団体への問い合わせなどで)を確認することが 必要であるし、うまい儲け話は即断は絶対に行わず、相手の身元確認、話の信憑性確認を行うことが必須である。
またインターネット経由のマネーロンダリング、ないしは前払い金詐欺、個人認識情報盗み出しなどは、相手の身元確認をすることで多くは防げるものと思われ るが、昨今の手の込んだ詐欺では本物と見まごうウエッブサイトなどを作って行うので、判定がしにくい。筆者はe-mailで送りつけられた勧誘などは、別 途入手したインターネットアドレスを使って発信もとに確認をとることにしている。電話による寄付などの勧誘には一切関与しないことにしている。
なお、英語に堪能でない日本人の場合、時間をとっても確認が難しいケースは多々考えられる。確認は業界団体、防犯団体(たとえば警察、 PhoneBusters)、関係官庁などに問い合わせて行うべきだが、言葉が不自由な場合信用できる知人、友人に問い合わせる事は最低必要である。ま た、どの世界でも「濡れ手に粟」のうまい話はまずありえないと心に決めることも大切だ。

 

 

ニセ警官による捜査詐欺

 

10月7日付市警ニュース
(Japanese Social Servicesよりの情報提供)

 

市警は警官と称する人物による事件捜査詐欺が発生していると発表した。 9月16日金曜日、市警の警官だと称する人物から北京語が母国語の被害者に電話があった。被害者は電話の人物の話を完全には理解できなかったが、概要は被 害者の銀行口座に関するものだった。
その後、被害者の銀行口座から別々の日に三度にわたって預金が引き出された。10月6日午前10時、別の被害者が市警の警官と称する人物から電話を受けた ことを警察に通報した。この通報によると;

犯人は被害者の銀行口座について不審があり現在捜査中であると伝えた。

犯人は被害者の口座情報を聞き出し、必要であれば市警の電話番号に問い合わせ可能だと伝えた。

被害者はその番号に電話し、電話のあった警官の名前は該当分署に籍があることを確認した。

2つの事件で名前の上がった警官は被害者にいかなる連絡も取っていない事が確認された。

犯人はアジアコミュニティーを狙っていると見られる。捜査陣は他にも被害者がいると考えている。市警は銀行 口座に関する情報、特に暗証番号は、絶対に電話で人に伝えないよう注意を呼びかけている。

 

JSS情報分析

 

今週、トロント周辺及び州の警察が報じた詐欺ないしは文書偽造事件はかなり多数であった。この事件のほか に、車のライセンス更新に必要なエミッションテスト結果証明書の偽造事件、不動産取引に絡む法定代理人詐称ならびに代金 (融資による支払い)詐取事件など数多い。
本件は警官を詐称してバンクカードおよび暗証番号を被害者から聞きだし、預金を引き下ろすというもので、警察や報道機関が度々注意しているにもかかわらず 再発している。勿論犯人は警官を詐称することによって被害者の注意をそらせ、また言葉巧みに犯行を行ったのであろうが、被害者は不審に思わなかったのであ ろうか?特に電話による犯行は相手の確認が難しい事は自明であるだけにあまりに無防備でありすぎると思わざるを得ない。
筆者は不審なe-mailは全てPhone Busterに転送しているし、見知らぬ人からの電話による勧誘などには一切取り合わないことにしている。

 

 

 

 

 

 



12月の犯罪

 

ヴォーン市でひったくり事件

 

12 月 19 日ヨーク郡警察ニュース

(Japanese Social Service よりの情報提供 )

 

ヨーク郡第 4 地区犯罪捜査課はヴォーン市で起きた 3 件の引ったくり事件の犯人特定、逮捕のため市民の協力を求めている。

12 月 17 日土曜日午後 1 時 15 分ごろ 69 才の被害者がイスリントン通り 9600 番地のプラザに、車を駐車し、モールに入る歩道を歩き始めたところ、横にいた車の中から 2 人の犯人に呼び止められた。犯人は被害者が肩にかけていたハンドバッグをひったくり、駐車場を西に向けて逃走し、イスリントン通りを南に向けて走り去っ た。

第 2 の事件は同じ 17 日土曜日、第1の事件直後、午後 1 時 45 分に起きている。

31 才の被害者が、メジャーマッケンジー通り 2810 番地にある駐車場でショッピングカートから食料品を自分の車に移していたところ、犯人の車が横を通り、窓を開けて被害者のハンドバッグをショッピングカー トからひったくり逃走した。いずれの事件も被害者は無傷であった。

第 3 の事件は、 12 月 18 日日曜日の午後 5 時 30 分ごろ発生。 28 才の被害者がヴォーン・ミルズ・モール を出て、駐車場に向かったところ、疑わしい車が角を回ってくるのに気がついた。車は被害者に接近し、ぶつかり被害者を転倒させ、更に、犯人の 1 人が車の中から被害者のハンドバッグをひったくり、被害者をしばらく引きずりながらラザーフォード通り方面に逃走した。この事件では被害者は軽傷を負っ た。

犯人の特徴は、

白人男性、 18 ~ 20 才、背が低く、茶色の髪で髭はなし。

両人共に黒っぽいトルク帽をかぶり、色の薄いジャケットを着用

 

犯行に使われた車は、

赤色、 2 ドアホンダシビック。窓ガラスは着色。

ハッチバックの可能性あり。

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当局では住民、特に女性に駐車場での車の乗降時に注意し、常に周囲に気を配 り、怪しい人や車を見かけたら警察に通報するよう呼びかけている。

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JSS 情報分析

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年末に限るわけではないがこのところ、掲出したもの以外にもトロントおよび 周辺都市で引ったくり、かっぱらい事件の発生が数多く警察から発表されている。

この事件では車が利用され、駐車場などでの強奪であるが、このほかに数件の 銀行がえりをねらい、後ろから襲う、路地に連れ込むなどが目立っており、中には車椅子の使用者が被害に遭った例も出ている。

このような状況に対しヨーク郡警察は、以下のような注意事項を発表してい る。

常 に、自分の身の回りに気を配りましょう。ぶらついていたり、怪しい行動をとっている人物に注意しましょう。自分がどこにいるか、回りに何があるかを知って いるだけでも、犯罪の種類に関わらず、被害者になることを防止するための一助になります。犯罪者は機会をねらっています。どんな状況でも自分に都合が良い ように利用します。

もし尾行されていると感じたら、照明がゆきとどいた最寄りの公共の場所か、 人が多い場所へ行きましょう。人の注意を引くために必要であれば叫びましょう。警察に即刻通報しましょう。

犯罪者の意図を予期することは難しいですが、強盗を犯す人物は多くの場合、 目標にした物を奪い、捕まらずに逃げようとします。反・抵抗した場合、意図したことを完遂ようとする犯罪者の物理的な力を強めてしまうことになるかもしれ ません。

容貌、衣服を含め、犯罪者についてはできる限りのすべてを覚えておきましょ う。容疑者についての正確な描写は捜査員にとって非常に重要な捜査手段になります。

なお以上の注意には具体的には含まれていないが、持ち物から一時にせよ眼を 離したりどこかに置いたりすることで犯人に機会を与えてしまったり、単独行動者がねらわれる例も多いようだ。

 

 

強盗事件容疑者に関する情報求む

 

12 月 12 日付市警ニュース
( Japanese Social Services よりの情報提供)

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12 月 5 日月曜日の昼ごろ、被害者の77歳男性がセントクレア西通りとダファリン通り近くの銀行で現金をおろしたところ、以下のような事件が発生した。


- 被害者男性は銀行を出てセントクレア西通りを西に向かって歩き出したところ、見知らぬ男が背後から近づき、被害者を地面に押し倒した。
- 容疑者は被害者のポケットから現金を奪い現場から逃走し、セントクレア西通りを西へ向かって歩いていくのを最後に目撃されている。


被害者は顔面に傷を負い、病院へ運ばれた。
容疑者は 35 歳前後で身長約 165cm 、中肉中背の白人。フード付きの緑色のジャケットを着用。
当局では周辺の住民に警戒を呼びかけるとともに、銀行から現金を引き出し一人で歩く場合には、特に周囲に注意を配るよう呼びかけている。

 

JSS 情報分析

 

銀行で現金を引き出したあと襲われるケースは稀ではない。一人歩きの高齢者が襲われた事件は数ヶ月前に も起きている。警察は警戒を怠らないよう注意しているが、具体的には、

出来る限り 1 人での行動を避ける。

多額の現金を所持していることを気づかれないようにする(人目につくところで現金の出し入れなどはしな い)。

人通りの少ない場所は避け、出来れば銀行を出た直後に車に乗るなどを心がける ( 駐車した車の中に犯人が潜む場合も多々あるので、駐車中は必ず施錠する ) 。

周囲に十分注意を払い、もし不審な人物を見かけたら一旦近くの商店などに入り、助けを求める。

などが言われている。
また不幸にして襲われた場合、相手が凶器を持っている可能性を考慮し、犯人の要求には応じると共に、人体・特徴などをしっかり記憶し、すぐに警察に通報す ることが重要である

 

 

年末休暇中の防犯アドバイス

 

12 月 1 日付市警ニュース
( Japanese Social Services よりの情報提供)

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年末休暇シーズンの忙しい時期は盗難の被害にあう可能性も高まります。以下 は被害を受けるリスクから身を守るための当局からのアドバイスです。

家に「人がいる」様に見えるようタイマーを使って、家内外の証明を点・消灯 する。

多額の現金は持ち歩かず、買い物にはクレジットカードかバンクカードを使う ようにする。カードを使用するときの暗証番号入力は周りから見えないように行い、支払いが終わったらカードの受け取りを確認する。

ハンドバックは防犯用に肩紐が付いているものを使用し、鞄の口が常にしっか り閉まっていることを確認する。わずかな間でも、鞄や財布を置きっぱなしにしない。

買い物包みは、一度にたくさん持ちすぎないようにし、片方の腕をいつもあけ ておく。必要な時は車に運び込み、身軽に動けるように心掛ける。

犯罪者からみえないように、買い物包みはトランクの中にしまう。ワゴン車の 場合、ブランケットなどで袋を覆って、見えないようにする。

照明の明るい駐車場に駐車し、店を離れるときは数人で行動する。車に向かう ときは車の鍵を手元に用意し、車に乗る前に後部座席の安全を確認する。

年末休暇中に家を空ける場合、友人か近所の人に郵便物や広告を放置しないよ う、また必要であれば雪かきを頼む。帰宅までの間、新聞の配達はキャンセルする。

子供たちの安全については、大人が責任をもって十分注意すること(人ごみの 中で、子供は簡単に大人とはぐれてしまうので)。

以上の基本的な犯罪防止のアドバイスを参考に楽しく、安全な年末休暇をお過 ごし願いたい。

 

JSS 情報分析

 

洋 の東西を問わず年末は町が混雑するし、長期休暇で長く家を空ける機会も多いので思わぬ被害に遭いかねない時期である。記事にある基本的な注意はもとより、 被害を防ぎ手立てを十分に講じて安心して過ごせるようにしたいものだ。記事には書かれていないが、冬季の安全に関してまず注意したいのは交通事後である。 凍結道路に不慣れな人は、一方で慣れることも必要だが不安な場合には運転を避けることが周囲に迷惑をかけないためにも賢明である。詳しいアドバイスは州運 輸省のウェブサイトに掲載されているので参考にしてほしい。また、この期間一般家庭は家族で行動することが多い反面、1人暮らしの場合日と恋しさや「休み 期間」であることも手伝って普段避けるような行動をあえてする場合も有るようだ。特に夜間の単独行動は危険を呼び込みやすいと心得るべきだろう。先週ピッ カリングで起きた、深夜1人でバーに行き、飲んでいた男性が、暴行を受けた末に身ぐるみ盗まれた件などは教訓にしたい事件である。また、家を留守にしてい たあいだに水道管が凍結し、破裂した為に家中浸水していたという話は稀ではない。凍結の恐れがある戸外の水道管は中に水を残さずに元栓をとめ、屋内の凍結 を防ぐ為に留守のあいだでも暖房はとめずにおくことは常識だ。

 

 

 

 

 

 

7月の犯罪

 

高層アパートの家宅捜査で、 71 件の容疑で 2 名逮捕、警官が負傷、 31 分署

 

7月27日付市警ニュース

( Japanese Social Services よりの情報提供)

 

7 月 24 日日曜午後 11 時15分頃、チョークファーム通り 180 番地界隈で銃声がしたとの通報が 31 分署に入り、警官が出動した。

事件の概要は:

現場に到着した警官に向けて、建物上層階のバルコニーからビール瓶数本が投げつけられた。警官1名の頭 部にビール瓶が当たり、脳震盪を起こし、この婦人警官は、生命にはかかわらない傷のため、ハンバーリバー病院のフィンチ分院に運ばれた。

制服警官による苦心の捜索により、瓶を投げたと見られるアパートが発見され、警官がアパートに入り、室 内にいた 2 名を逮捕した際に、床に置かれたショットガンと弾薬が発見された。

7 月 25 日月曜午後 1 時 23 分頃、 31 分署重要犯罪課の係官がチョークファームドライブ 180 番地アパート 2109 号室の家宅捜索を行った。

以下を含む、大量の火器や弾薬、麻薬が押収された。

  • 2 連発のショットガン
  • コブレイ・マック- 10 の自動銃
  • 銃口9mmの拳銃
  • 改造されたスターターピストル( 22 mm口径弾が発砲可能)
  • クロスマン社製エアピストル
  • 防弾服 3 着(内ひとつは軍用)と毛糸の覆面帽
  • 9 mmの弾丸 41 個
  • .22 カリバー弾 124 個
  • .380 の自動銃用弾丸 9 個
  • .25 カリバー弾丸 18 個
  •  

     

    昨日 (7 月 25 日 ) の発砲事件に関するブレア総監の声明

     

    7月26日付市警ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    「昨晩の一連の事件は私自身、市警、またトロントに住む人々にとって、無視できないものだ」とブレア総 監は語った。

    市内の異なる場所で、 5 件の発砲事件が発生した。事件の被害者は警察がリストしていた人物であり、現時点では、これらの発砲事件は相互に関連して起きているのではなく、報復のた めに行われたと考えられている。被害者の多くは捜査に非協力的で、他の被害者も事件の解決に役立とうという姿勢が見られない。命にかかわる傷を負ったもの はいなかった。

    うち1件の 19 歳の男性被害者は、 5 月 8 日の日曜日にバーチマウント通りで発生した発砲事件にかかわったと見られ警察が探していた人物だった。彼は武器を用いた暴行と、危険な武器を所持していた 容疑で逮捕された。法廷への出廷日時は未定である。

    先週発表された全国統計でトロントでの犯罪発生率は全般としては下がったことが確認されている。これは 希望が持てるニュースであり、トロントでの発砲事件通報は増えていない。しかし、時折小数の若い人々が、人が多く集まる場所で銃をもてあそぶことがあるの をブレア総監は懸念している。

    総監は「銃およびギャング対応専門官を含む警官を、事件が起きた 5 箇所にすでに追加配置した。警察はあらゆるコミュニティーに属する人々と協力して、この一連の暴力行為を止めることを約束する。警察官が行うべき事は明白 だ。目につくパトロールを行って治安を守り、捜査に役立つ機会を一切逃さないことである」と述べている。

     

    「皆さんと協力し合うことが解決につながる事はトロントで十分に証明されている。昨日の発砲事件で影響 を受けた地域に住む人々は、お互いに協力して市民の安全を守ろうと私が決意を決めたのと同じように、決意してくれていると思う」とブレア総監は述べてい る。

     

    JSS情報分析

     

    25 日 ( 月曜日 ) に連続して起きた発砲事件に関して総監が 26 日に記者会見して述べたのが掲出した記事である。

    その後も銃による事件が頻発し、先週日曜日に、射殺された 2 人の男の追悼式で発砲事件が起こり 1 人が撃たれ傷を負って以来、金曜日にかけての発砲事件は 10 件に達した。

    事態はそれにとどまらず、土曜日から日曜日( 31 日)にかけて銃による 3 件の殺人事件が起きている。この 3 件に関する報道からは、総監が指摘している「遺恨による銃撃」とは異なる状況が推察される。

    カナダは米国に比べて保有されている銃の数は少ないが、一説に言われる全国で 7 百万丁は日本に比べて桁違いの数であると同時に、総監が指摘する「若者」の手が容易に届く状況でもある。

    犯罪に利用される銃器の数は総数に比べると「九牛の一毛」と言ってよいほどのものであり、銃器の大多数 は違法ないしは危険な使用はされていない。ところがそのほんの一握りの「悪用される」銃器によって市民の安全が犯されていることが問題だ。

    特に白昼、ないしは人が集まる路上での発砲事件や流れ弾被弾のケースでは、被害を避ける手立てとして、

    何か疑わしい状況を感じたらすぐにその場を離れる、

    発砲などの事態に遭遇した場合近くの物陰に身を隠すないしは地面に伏せる、

    などの方法があり、受身ではあるが瞬時に対応する必要がある。

    また家宅侵入などでは銃器所持の危険が常にあるので、

    不用意な抵抗は避け、相手の人体を記憶し、書き出すと共に早い時期に警察に通報する

    ことが重要である。

    なお総監の声明は、昨年発砲事件が頻発したときに、当初解決のための市民の協力、情報提供が思うように 得られなかったが、警察の努力の結果事態が好転し、コミュニティーぐるみの再発防止運動が進められた事が背景にあるようだ。

    別掲の記事はこの記事が発表された翌日に起きた事件で、いかに銃器が保有されているかを表す例として参 考までに訳出した。

     

     

    宝くじ詐欺が戻ってきた

     

    7月21日付ピール郡警察ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    7 月 7 日木曜日、ブランプトンの 58 歳の男性が、以下のようにして当たり宝くじ券の持分を買ったと信じこまされ、 $11,000 を騙し取られた。

    ブラマレー市役所の駐車場で被害者に第一容疑者が近づいた。容疑者は外国からきており、家族の病気で至 急帰国しなければならないと話した。話をしている間に第二容疑者が会話に加わり、第一容疑者が、当たり宝くじを持っているが個人認識情報が不足しているの で現金化できないと語った。その上で、賞金を半分わけにするから $30,000 で当たり券を買ってくれないかと持ちかけた。第一容疑者はその金で帰国すると語った。

    三人は第二容疑者の車まで行き、第二容疑者がオンタリオ宝くじ・ゲーム会社( O.L.G.C )に電話するように見せかけた。その上で電話を被害者に渡し、電話の先の別の人物が宝くじは $2.5M に相当すると告げた。

    第二容疑者は全員を、被害者が当たり券を買うための現金を手に入れるためにモールの銀行に連れて行っ た。彼はしばらくして $10,000 が入っていると思われる茶色の封筒を持って戻った。三人はその後リサ通りの銀行まで行き、前と同様にして第二容疑者は $5,000  をもって戻り、これ以上現金が出来ないと語った。

    被害者が銀行からの貸し出しは難しいと言うと第一容疑者はシティーセンターの電気器具店でクレジット カードを手に入れるように奨めた。被害者は言われた通りにし、クレジットカードが手に入ると容疑者 2 人はそのクレジットカードを使って合計 $5,000 を越える買い物をした。

    その上で容疑者たちは被害者に、トロントの O.L.G.C. に行く前に当たり券のコピーを作りたいと言い、ミシサガのダンダス通りで車を止めた。

    第一容疑者が病気を装ったので第二容疑者と被害者が車を降り、店に向かった。被害者は 1 人で店に行きコピーを頼むように言われ、彼がコピーをとって車に戻ると容疑者たちは消えていた。

    被害者は O.L.G.C. に行き、当たり券が偽物であるため券を没収された。

    O.L.G.C. のロブ・ズーフェルトは「 O.L.G.C は当たり券の確認を電話ですることはありません。確認を必要とする人は O.L.G.C. に出向くように言われます。」と語っている。

    ピール郡警察詐欺課のベッツ刑事は「 11 年 間ここに居ますが、濡れ手に粟のような話は絶対に起こらないと言えます。そういった話が出たときには、皆さんは自分が犯罪に巻き込まれていることを意識し て欲しいと思います。」と語っている。

    第一容疑者はスペイン人の男性で 25 ~ 27 歳、身長は 5ft10~11in( 約 178~180cm) 、 190~200lbs( 約 85~90kg) 、こい褐色の短髪、顔にヒゲはなく、スペイン訛りがあった。

    第二の容疑者はギリシャ人の男性で肌色がオリーブ色、 35 ~ 39 歳で、 5ft8 ~ 5ft9in (約 172 ~ 175cm )、 180 ~ 190lbs (約 75 ~ 80kg )薄い褐色の髪、薄い口ひげがあり、眼鏡をかけていた。

    車は最新型の青い SUV または Van で、乗客用ドアは一つだ。

     

    JSS情報分析

     

    日本で起きている「家屋修理」や「オレオレ」詐欺を例に挙げるまでもなく、当地でも詐欺犯は常に手を変 え品を変えて悪事を働いている。

    この事件はその一例にすぎないが、数人が共謀して行っている点、被害者を信用させる手口など手が込んで いる。

    人を信用できないと言う事は悲しいことだが、記事で警察が発言している通り事態が金儲け、特に濡れ手に 粟の金儲けである場合 100 %疑うべきである。

    一方、取り込まれたことを恥じて警察に通報しない、人に話さない事は、結果として詐欺犯をのさばらせて しまう結果ともなりかねないと考えると、被害の回収はともかくとして事態を広く、正確に世間に伝えることにも心したい。

     

     

    ムースとの衝突で州警の警官が死亡

     

    7月20日付州警ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    オンタリオ州警察職員は、勤務中に単独車両事故で死亡した同僚の警官の死を悼みつつ、同乗していた警官 の回復が早いことを祈っている。事故は警官が電話通報に応じて出動中、ムスコカのグレーブンハーストと、ムスコカ湖町のバラの中間、# 169 号線のウオーカーポイント通りでムースに衝突したために起きた。

    今朝午前 2 時少し過ぎ、州警察ブレースブリッジ派出所の巡査 2 名が西バラで起きた家庭内のいさかいに関す電話通報で出動した。 2 名の警官は州警察のパトカーでムスコカ# 169 号線を西に向かって進行中に、道路を横断しているムースに衝突し、ムースに衝突した後車は南側の土手で止まった。事故当時の天気は霧で、事故の時点でムー スは道路上に居た。

    運転していた警官は現場で死亡した。同乗していた警官は救急車で南ムスコカ病院に運ばれ、後に重傷のた め空路トロントの聖マイケル病院に移送された。

     

    JSS情報分析

     

    このニュースでは 2 日後に出動中の別の警官がムースに衝突し重傷を負ったと報じられている。

    勿論警官だけが衝突しているのではなく、 2000 年度連邦運輸省の統計では大型動物との衝突事故発生件数は、以下のようになっている。

     

          オンタリオ カナダ

    死亡      7      23

    傷害     585   1877

    物損    10503  28820

     

    大型動物との衝突では、体重が重いムース (300kg 程度 ) との衝突が特に危険である。死亡事故にならないまでも、傷害事故は珍しくはなく、物損事故も大きな損害につながる。

    大型動物が道路を徘徊するのは春浅い時期と晩秋が多いが、他の時期も油断できない。道路わきに水がある 場合、融雪のための塩分が含まれることが多く、それをねらって動物が出没すると言われている。

    特に夏季に遠出をする場合比較的人通りの少ないハイウエイを利用することが多く、大型動物に出会うチャ ンスも多いと考えられる。ただし市街地に近いと言っても油断は出来ない。筆者はトロント郊外のオーロラに住んでいるが近くで鹿との衝突事故はまれではない し、友人の 1 人はミシサガ市の住宅街で鹿と衝突した経験を持っている。またこの時期、動物たちは気温に敏感で夜間移動することが多く、したがって夜間の運転は特に要注 意である。いつでも止まれる速度を維持し、ライトは可能な場合上向きにする、前面ガラスの視界を確保しておくなどが重要だ。なお、ムースは鹿とは異なり、 夜間でも目が光らない。

    大型動物が通り道にしているところ、ないしは出没が頻繁なところには注意表示がある場合が多い。また見 通しのきかないカーブ、障害物 ( 岩など ) の近くでは速度を落として万一に備えるべきだ。

     

     

    スクゴグ湖にて 1 名溺死、 1 名行方不明

     

    7月19日付ダーラム郡警察ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    昨日、スクゴグ湖で親族でボート遊び中の事故のため、リッチモンド在住の男性が溺死し、エトビコ在住の 男性が行方不明となっている。

    7 月 18 日午後 4 時 20 分頃、ペリー港マリーナから北へ 3km 程にあるスクゴグ湖で、借り出された 2 隻のボートで事故が発生したと警察に通報があった。 911 通報によると、 2 人の男性が一族の者を救助しようと水に飛び込み、1人は意識不明で、もう 1 人は行方不明になりました。警察によれば、事故当時、一族の 12 名が魚釣りをしており、 2 隻のボートは互いにに繋がれていたと言う事だ。最初に、リッチモンドヒル在住の 25 歳の男性が救命ジャケットを着用して水に入りましたが水に流され始め、そこで 31 歳の従兄と 44 歳の叔父が男性を救助しようと水に飛び込んだ。飛び込んだ 2 人は救命ジャケットを着用しておらず、 44 歳の叔父は水面下に沈んでしまい、その後姿が確認されていない。

    スクゴグ郡の消防署とダーラム郡の救急車が現場へすぐに向かい、意識不明の男性を乗せた長さ 14 フィートのアルミ製のボートを発見した。救急隊員はリッチモンドヒル在住の 31 歳の男性に人口呼吸・心肺マッサージを施しレイクリッジ病院ペリー港支所へ移送したが、リッチモンドヒル、ケイトランド通り在住のモハメッド・アシム・ カーンさん 31 歳は死亡が確認された。

    警察及び消防署は、湖の捜索を続行しており、 2 人目の男性は水中で行方不明であると発表した。今朝も郡警察水上部及び所属ヘリが 44 歳の男性の捜索を継続している。

     

    訳者注;翌日のニュースで行方不明の男性は遺体で発見されたことが報じられた。

     

    JSS情報分析

     

    日本の夏でも水による事故は少なくないが、カナダも例外ではない。掲出した記事は湖で発生したものだ が、当地では住宅にプールがある場合が少なくなく、特に小児の水死事故はここで起きるものが多い。

    新聞報道 (Globe & Mail 、 7 月 21 日 ) によると、幼児の死因で溺死は自動車事故に次ぐ 2 番目に多いという。

    カナダ全土で毎年ほぼ 500 人が溺死し、その半数は小児である。また約 3,000 人が一命をとりとめる。小児の場合、一命は取り留めたものの、 4 人に 1 人はその間の酸素不足による恒久的な脳障害を受ける。

    掲出記事の場合、緊急事態の発生に伴い救助のために飛び込んだことで、低い水温が災いして悲劇につな がったと想像される。溺死の原因で最多は低水温による呼吸困難、機能低下である。

    プールにおける小児の事故では、溺死者の 75 %は泳いでいたのではなく、たまたま水の近くに居たために起きている。小児が水の危険にはお構いなしに、きらきらする、面白そうな水に近づいたのである。

    小児の事故を防ぐには、

    監視を一秒たりとも怠らないこと。

    金網、自動的に閉まる扉などでプールを囲い、監視なしには近づけないようにすること。

    泳ぎを教えること。

    水の近くで遊ぶ場合、船などに乗る場合も救命具をつけること。

    なお、日本の水難事故数について警察庁の発表では、平成 12 年の数値で、事故総数 18,183 件のうち死亡 1,006 件、行方不明 28 件であり、魚釣り中の事故が 25 ~ 30 %を占め最多である。

     

     

    誘拐されたブランプトンの 13 歳の少女 BC 州で無事保護

     

    7月13日付ピール郡警察ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    行方不明になったブランプトンの 13 歳の少女が、 BC 州で無事に保護された。親戚に誘拐されたと考えられていた少女は BC 州のサレ-地域で無事に発見された。

    7 月 12 日に少女の家族から、少女が失踪し、 30 歳になる男性のいとこと同道していると思われると通報があり、ピール郡内で捜査が開始された。

    捜査の結果、 2 人は BC 州のサレーにいる可能性が高いと考えられた。捜査にはサレー地区の RCMP( カナダ王立騎馬警察 ) 、バンクーバー警察および連邦児童失踪登録からの援助、ならびに GTA およびバンクーバー地区の報道機関が行った市民の協力要請が貢献した。

    東部時間午前 1 時 50 分、サレー地区のホテルの受付からの情報に基づき、 RCMP がホテルの近くにいる 2 人を発見した。少女のいとこである男は、 14 歳未満者の誘拐容疑で逮捕され、身柄を拘束された。容疑者の取調べは RCMP で行われ、捜査は、サレー地区で男が行った行為に関して行われる。

    被害者の家族は被害者と合流するため今日 BC 州に向けて空路出発する。

    ピール郡警察と RCMP は容疑者取り扱いについて協力を継続しており、捜査は、続行中だ。

    ピール郡警察は、本件の捜査に迅速で徹底した協力を行った報道機関に感謝している。

     

    JSS情報分析

     

    ここ数年に起きているいくつかの子供誘拐事件を思い起こすまでもなく、当地の警察は誘拐事件にきわめて 敏感な反応を示す。掲出した記事はピール郡警察が第一報を発して数時間後に発表されたものである。

    犯罪統計によるとカナダ全土で年間に起きる児童誘拐、失踪事件は 2004 年を例にとると、警察に通報があったものだけで約 6 万7千件である。通報がなかったものの数は推測の域を出ないがその 3 ~ 5 倍あるというのが一般の見方だ。

    内訳は、全くないしはほとんど見知らぬ人物に誘拐されたケースは約 30 件で、両親の片方ないしは両方によるものが約 330 件だ。残りのうち圧倒的に多いのは家出で約 5 万 2 千件、彷徨が 670 件、事故、理由不明およびその他の事由が約 1500 件ある。なお、この数年他人ないしは両親による誘拐は減少の傾向にあり、一方家出や彷徨、理由不明の失踪は増加の傾向にある。

    日本の場合捜索願が出された総数は 2003 年に約 10 万件、内少年に係わるものは約 2 万 5 千件となっている。カナダと日本の人口比を考慮に入れると日本での発生が非常に少ないと見えるが、親による誘拐は誘拐と見なさないなど制度、捉え方、ない しは家庭内の事情を外に出さない文化などがあるために単純な比較は出来ない。

    以上で明らかなように、いわゆる狭義の誘拐事件は、当地でも必ずしも多発しているわけではないが、社会 の関心は非常に高く、したがってマスコミも重要事件として取り扱う。

    一方、この種の犯罪は社会の強い関心を反映して、一方児童虐待、幼児ポルノ、ないしはコンピューターや インターネットを利用したハイテク犯罪と結びつき、司法機関の動きも、マスコミの報道も活発である。

    児童誘拐については関係各機関が協力体制をしいており、ハーグ協定 ( 日本は未批准 ) 国際協力も盛んである。カナダでは RCMP が中心になり発生の防止と、発生した場合の迅速な対応に力を注いでいる。

    特に狭義の誘拐が、発生してから数時間後以内の殺害につながるケースが多く、また国外脱出も多いため、 初動捜査の迅速化と、一般市民の協力を可能にするアンバーアラート ( 事件の発生を道路標識やその他の一般市民の目に付きやすい方法で広域に掲示し、捜査情報を得やすくするシステム ) などが実施されている。

    また警察は子供に、見知らぬ他人の誘いに乗らないことを守らせ、危険を感じたら大声を出して周囲の注意 を喚起させるなど実際的な助言をして発生を防ごうとしている。

     

     

    武器を用いた性的暴行で男を指名手配

     

    7月10日付市警ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    市警性犯罪班は武器を使った性的暴行事件に関連して、犯人の男の身元特定に市民の協力を求めている。

    事件の概要は次のとおり:

    7 月 3 日日曜日午後 7 時ごろ、 22 歳の女性が仕事の面接のため、トロント市内のコーヒーショップまで男に会いに行った。

    リカルド・ジェイコブソンと名乗る男は、ニューヨークに本部があり、トロント進出を検討している国際的 大企業の部長だといい、役員秘書の職種は広範囲の訓練と海外への出張があるといった。

    女性がコーヒーショップに到着し車の外で待っていると、車でやってきて女性のとなりに停めた。女性が男 の車に乗ると、黒い拳銃を見せてドアをロックし、女性をローレンス東通りとブリムリー通りにあるトムソン・メモリアル公園まで連れていき、性的暴行をはた らいた。

    容疑者は東インド出身、身長 5ft ( 152cm )、 30 歳から 45 歳、ひげはなく、丸顔、太鼓腹、爪を四角く切っていた。アメリカンアクセントの流暢で歯切れの良い英語を喋り、ときどきブリティッシュアクセントからカナ ディアンアクセントまで変えていた。

    男は茶色いチェックのスーツ、黄色いシャツ、安物のデジタル腕時計を身につけていた。男の車は 4 ドア、黄褐色または金色の SUV 、年式は 1994 年から 1999 年頃、窓は黒い色つきガラスであった。

    男は大変しつこく、手口が巧妙であるため、トロント市警は女性のみなさんに注意を呼びかけている。男は 女性をおびきよせるためには手段を選ばず、女性を危険にさらしている。

     

    JSS情報分析

     

    性的暴行事件は警察の発表、マスコミのニュースで度々現れる種類の事件である。警察は被害者などから通 報のあったもののみしか扱えないが、犯罪内容から見て警察に通報されないケースが少なくないことを考えると実質の発生数は非常に多いと考えられ、十分な注 意が必要なものだ。

    ちなみに市警発表 2004 年度の統計によれば、非暴力犯罪 ( 性的接触誘導、性的搾取 ) を含む性的暴力事件の年間発生数は約 3 千件、前年比較では約 8 %の増加である。人口 10 万人当たりの発生率は約 110 件である。なお日本の統計では該当すると考えられる犯罪は凶悪犯 ( 強姦 ) 、風俗犯(強制わいせつ)などに分散して取りまとめられているので、発生状況を直接比較することが出来ない。

    一方発表、報道される事件の発生状況は詐欺事件同様多様、かつ巧妙なものも多い。本件については武器が 使用されている点、被害者取り込みの手口が巧妙かつ計画的と考えられるので取り上げた。

    被害を受けないためには「甘言に乗らない」、「単独行動はとらない」、「注意を怠らず、起こりやすい状 況を避け」、「拒否の態度を明確にし」、「可能な限り周囲の注意を引く行動をとる」などがいわれている。

     

     

     

     

     

     

     

     

    11月の犯罪

     

    本年 69 番目の殺人事件

     

    11 月 19 日付市警ニュース
    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    11 月 18 日金曜日午後 12 時 39 分、警察は、マーティングローブ通り 865 番地から発砲事件の通報を受けた。
    現場の教会では、本年 66 番目に殺害されたジャマル・マイケル・ヘミングスの葬儀が行われていた(本年 66 番目の殺人事件については、市警の報道向けニュース発表を参照)。
    この教会の出口の外で撃たれた 18 歳の男性はエトビコ総合病院に搬送され、死亡が確認された。
    銃撃の際、 3 人の容疑者が教会の外で目撃されており、北に向かって、アルビヨン通りを横断した模様。容疑者たちは黒人で、肌色が濃く、中肉で約 175cm~1 7 8cm 、濃い色のカジュアルな服装をしていた ( 訳者註、後にこの 3 人は、容疑者ではなく目撃者であったと発表されている ) 。
    当局は、本件および 66 番目の殺人事件に関連して赤またはワイン色の旧型 4 ドアの車を探している。
    教会で行われていた葬儀には多くの人が集まっていた。警察はこの銃撃事件ないしは事件前の被害者の行動に関する情報を持っている人から事情聴取をしたいと 希望している。

    JSS情報分析


    事件は、多くの人が集まる場所で白昼起きており、報道機関の注目を浴びている、
    たとえば 11 月 20 日のスター紙は、この夏から頻発している発砲、ないしは銃による殺人事件を大きく取り扱っている。記事によると、 2005 年に入ってトロントで起きた 70 件の殺人事件のうち 48 件が銃撃によるもので、うち 40 人の被害者が 30 歳以下である。この数字は、昨年死亡者 30 人のうち 30 歳以下が 18 人だったのに比べ大幅な増加だという。発生数の多さも気になるが、それにも増して青少年の被害が多数であることが注目を引いているようだ。
    また、これらの事件はギャング団同士の抗争にかかわるだけではなく、無関係な人が巻き込まれるケースも少なくないこと( 20 日のスター紙は、街頭でたばこを求められて拒否した人が銃撃された事件 ―18 日金曜日エトビコ北部で発生-を報道している)、犯人捜査に関し、目撃情報が得られにくいことが警察の捜査を難しくしていることなども報道されている。
    市長や警察は、これら一連の状況は貧困者層、ないしはそこに属する青少年に対する根本的な対策が財政的に打てない現状がもたらしている現象であると分析 し、各方面に対応を促している。
    一方、例年ハローウインごろには「いたずら」と言えるような放火事件が報道される。しかしつい最近その時期をすぎて起きた事件が発表されているが、報道機 関の関心はあまり引かなかったように感じられる。警察は、最近のパリ・フランスで起きていた暴動の反映か、かなり神経を使った扱いをしているようだ。
    トロントは北米の多くの都市と比べて安全だと言われてきた。しかしこの夏から引き続いている銃撃多発の事態は、市民の大多数が自分の周囲だけを見て安閑と してはいられない状況であるし、今後将来に夢を持てない人々がより多くなった場合に暴発する危険も無視できない。
    自治体、州、連邦の対応が待たれると共に、一人一人が自衛の意識を真剣に持ち、解決する意識を持つことが必要と思われる。事態は隣家の火事ではなくなりつ つある。

     

     

    不審な寄付勧誘に気をつけよう

     

    11 月 16 日付ダーラム郡警察ニュース
    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    ダー ラム郡警察はボーマンビルで起きた不審な戸別寄付勧誘訪問の通報を受け、住民に警戒を促している。 調べによると、ボーマンビルの住宅に二人の男性容疑者が訪れ、女性が応対したところ、自分たちが地元の高校生で、近く行われるスキー部の合宿に向けて募金 をしていると述べた。被害者は少額の寄付をした後、その高校に募金の正当性を問い合わせたところ、ボーマンビル高校の職員は学校がそのような募金運動を許 可したことがないと通知してきた。当局では、数人の容疑者が虚偽の寄付勧誘を行い寄付金を私的な目的で募っていると見ている。容疑者の特徴は、 16-18 歳の白人男性。だぶだぶの服を着用。警察は、寄付金が正当な慈善団体や慈善運動に届くことを確認するために、戸別寄付勧誘訪問者に適切な身分証明書の呈示 を求めるか、慈善団体に直接連絡をする、あるいは追跡書類を残すべく小切手で支払うように一般に注意を促している。詳しくは、ダーラム郡警察ウェブサイト http://www.drps.ca/ の public safety を参照願いたい。

     

     

    ヴォーンで詐欺犯逮捕

     

    11月3日付ヨーク郡警察ニュース
    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    ヨーク郡警察は、このほど多くの詐欺に関する犯行の疑いで 46 歳の男を逮捕した。またこの男は「ナイジェリア前払い詐欺」にも関連していた可能性があると思われる。
    10 月 27 日木曜日、住所不定のオバフェミ・オペ・コーカーがヴォーンのウォルマートに舞い戻ったところを、以前に起きた事件で見知っていた従業員により見つかっ た。男は従業員が近づくと店から逃走したが、急派された警官の追跡により程なく拘束された。所持品の中に、盗まれたクレジットカード、政府発行の小切手、 前払い詐欺関連を示すその他の偽造書類が発見された。
    ヨーク郡詐欺対策本部はコーカー容疑者と接触のあった人々から事情を聴取したいと望んでおり、また男はウォルトン・カルウェル、マイケル・デイビス、ない しリシカット・ラワルの偽名を用いていたことも判明している。本部ではヘッド・マスター・ビューティーまたはトロント・セレスティカル教会と称する会社か らコンタクトがあった人々からの事情聴取を希望している。さらに同本部は、表記金額を現金化した上でナイジェリアに電信送金すると言う指示のある、米国財 務省の債券やウォルマート発行の為替を所持している人からも事情聴取することを望んでいる。
    ヨーク郡警察は、どのような小切手、証券、ないしは債券であっても、報酬付きないしは配当金付きで現金化または償還の依頼をする者からの誘いには注意して 欲しいとしている。関連する書類はあたかも本物のように見えるが多くの場合そうではない。被害者は経済損失を負うか、ないしは、小切手や証券を持ち込んだ 金融機関が受け取りを拒否すると罪に問われることがある。
    コーカー容疑者は拘束中であり、 11 月 8 日木曜日ニューマーケットの州法廷の保釈法廷に出廷する予定。

     

    JSS情報分析

     

    当 地に限らず詐欺は多彩で巧妙な手口を駆使して人をだまそうとする。また特定の被害者を対象としているわけではないが、ある程度の金銭を手元に持っており、 それを自由に動かせる人を狙い目にすることが多い。その意味で引退した高齢者、孤独な高齢者がねらわれることが多いようだ。
    記事にある「前金詐欺」と言うのは、棚ボタの金儲け話を持ちかけ、手数料ないしは事務処理費と称してもうけの一部を前金支払いさせる手口で、このところ発 表される事例では数万ドルから数十万ドル ( もちかけられるもうけは数十万ドルから数百万ドル ) の被害が報じられている。
    「ナイジェリア詐欺」は過去に起きた政変などで死亡した政府高官などがそれまで蓄財し外国銀行に預金していた財産を、亡命した家族が受け取れるように便宜 を図ってほしい。礼はするというお膳立てで、やはり前金を詐取するものである。
    また偽造小切手などの現金化を依頼し、一部を分け前として支払うという手口では、本物と信じ込ませた小切手などを手渡す条件として保証金の形で現金を預 かって行方をくらます。
    このほか「宝くじ詐欺」も頻繁に耳にする。被害者が知らないあいだに主に外国の宝くじで大当たりをしていたと称して、賞金と引き換えの取り扱い手数料、な いしは受け取り口座の詳細を騙し取るやり口だ。また自分は賞金受け取り資格がないので、一部を渡すから代わりに賞金を受け取ってくれと持ちかけ、当たり券 ( 実際には当たっていない ) を渡す際に保証金をとるやり方もある。
    筆者の場合インターネットを通じて頻繁に誘いが来る ( 英国の宝くじ、スペインの宝くじと多彩で、インターネットのアドレスが無作為に抽出されてくじが割り当てられたと言う説明である ) が、うまい話はあるわけないと考えて全て Phonebusters ( 電話などを使う詐欺の国際的な防止組織 ; 'info@phonebusters.com') に転送している。また街頭で話を持ちかけられることも多いようだ。
    けだし、うまい話があるはずがないと堅く心に決めることと、怪しいものは監督官庁 ( 主に警察 ) に通報することが肝心だ。

     

     

     

     

     

     

     

     

    8月の犯罪

     

     

    「止まって待とう」運動2

     

    8月16日付市警ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    8 月 8 日月曜日から一週間、市警はトロント市交通局と協力して「止まって待とう」運動を実施、この一週間のキャンペーンでは市街交通機関(TTC)の安全運行に 力が注がれたが、市警は年間を通して市街交通機関の安全運行を指導及び監視している。

    このキャンペーン期間中、市警係官は以下に示す通り総数 2,021 件の交通違反チケットを切った。 禁止された右左折をし、市街交通機関を妨害したドライバーに対して 886 件 禁止された時間帯にバス専用レーンを走行したドライバーに対して 593 件 路面電車のドアが開いている間に電車脇を通過したドライバーに対して 94 件 交差点内残留違反をしたドライバーに(交通渋滞の原因として ) 対して 80 件 道路横断時に車に道を譲らなかった歩行者に対して 22 件 駐車違反警告がTTC運行路上の停車、駐車および一時停車禁止区域に対して 4,206 件 「止まって待とう」運動の詳しい情報についてはバーバラ・ライアン巡査 416−808−1973 まで連絡願いたい。

     

    JSS情報分析

     

    この夏トロント周辺では発砲事件が頻発し報道機関などの目が「暴力事件」に向いている感があるが、警察は交通事故防止には継続して目を光らせている。

    このキャンペーン以外にも歩行者の事故を防ぐために「横断は横断歩 道で」、日常的な「速度・無謀運転」、「飲酒運転」「危険な改造車と路上レース」など多方面で啓蒙と取り締まり強化を進めている。

    掲出した運動は、開始時にも掲出したが結果が出てみると、違反者が 非常に多いことが歴然としている。

    ドライバーの 1 人として筆者は、ドアが開いている路面電車の側面通過禁止は日本にはない法規なので特に注意しているが、予想以上に違反が多い。他の違反も含め、一つ間違 えると大きな事故につながりかねない違反に、人々が慣れっこになっている感がしないでもない。取締りのための人員には限りがあり、したがって抜け駆けが成 立しかねないのが現実だが、ドライバーに限らず、歩行者としても気を引き締めようと考える。

     

     

    エージャックスの牧師が子供おびき出し

     

    8月10日付市警ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    8 月 9 日火曜日、市警の性犯罪部児童虐待課は、エージャックス合同教会の主任牧師をインターネットを使用した 14 才以下の児童をおびき出し、性的な接触に誘った容疑で逮捕、告発した。

    この逮捕は児童虐待課の 4 ヶ月にわたる捜査の結果である。

    2005 年 4 月に、 覆面オンライン捜査官が Yahoo のチャットルーム“ティーン・オー・カナダ”を監視していた。 この捜査官はチャットルームで 12 才の少女を装っていた。 “ゲリー・ニア・トロント”と呼ばれている容疑者は捜査官とオンラインの会話をし、会話は性的なものとなった。 会話を通じて容疑者は、性的な目的のために 2 人だけで会いたいと申し出た。 トロントの公共の場所で会うことになり、そこに出向いた容疑者が逮捕された。

    児童虐待課および知能犯捜査部のハイテク犯罪課が、容疑者の住居及 び容疑者が 2004 年から主任牧師を務めているエージャックス合同教会を家宅捜査した。その結果両所からコンピューターおよび文書が押収され、ケニス・ウェイン・シムス 36 歳は 14 歳以下の児童をおびき出し、性的接触に誘った罪で告発された。

    シムスは、以前にオンタリオ州チャタム、サスカチュワン州リジャイ ナに住んでおり、その時も合同教会に所属していた。

    彼は 8 月 10 日水曜日午前 10 時にフィンチ西通り 100 番地の 306 号法廷に出廷する。

     

    JSS情報分析

     

    インターネットを利用する悪事は多様だが、そのどれもが身元が発見 されにくいことに目をつけているように思われる。また、行為そのものが人に知られることを避けやすい特徴もある。

    この事件では、社会的に信用されるべき人物が、インターネットの特 徴を利用して卑劣な行為に走ったことが特筆されるべきものであろう。

    このようなインターネットの特徴は犯罪捜査を難しくしているが、こ の数年の傾向である幼児ポルノ犯罪に関する国際的な捜査やテロ捜査の例を出すまでもなく司法側は「おとり捜査」を多用しており、本件はその一端をあらわす ものである。「おとり捜査」の是非については文化や伝統の違いによっていろいろと議論されるが限られた捜査資源、尽きることがない「悪知恵」、限りない広 がりと良し悪しは別にした技術上の発展を続けるインターネットを考えると、肯定しざるを得ない。

    勿論インターネットは悪意なしに利用する人がほとんどなのだから 「不当」な介入も起こりうるが、利用者側としては疑わしい行為を慎むことが大切だ。

     

     

    マーカム市でカージャック

     

    8月8日付市警ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    ヨーク郡警察強盗取り締まり班は、マーカムで起きたカージャックの 容疑者 2 名の捜索、逮捕につき一般の協力を求めている。

    8 月 5 日金曜日、警察はウッドバイン通り 7095 番地のホリデーインで起きたカージャック通報で出動した。午後 11 時ごろ、被害にあった 47 歳になるトロント在住の婦人がホテルの駐車場を歩いている際に、 2 人の容疑者が近づき、掴みかかり、ハンドバッグと車の鍵を渡すよう要求した。被害者は言われる通りにし、 2 人は彼女の車でウッドバイン通り方向へ逃走した。

    被害者は容疑者に掴まれたときに軽傷を負った。

    容疑者は 2 人とも男性で、色の濃いシャツのフードを頭からかぶっており、銃を持っていることをほのめかしたが、取り出さなかった。

    被害者の車は 2002 年型、灰色のトヨタカローラで AMDW270 のオンタリオのライセンスプレートをつけている。

    カージャックに関して、自動車を利用する人は以下を忘れないよう願 いたい。

     

    • 加害者の人体、着衣を含む全てを記憶すること。
    • このような事件に遭遇して、家族ないしはペットが車に乗っている場合、加害者に「車は 渡すが他に人が車の中にいる」ことを伝える。
    • 車の乗っ取り犯が欲しいのは車であるため、加害者は通常あなたの要求にこたえるであろ う。
    • 周囲に気を配ろう。
    • 疑わしい人や車がいる場合、自分の車には近づかず、安全なところに行って、警察を呼 ぶ。
    • 車の鍵ないしはリモートスイッチをいつでもすぐに取り出せるようにして、ドアがすぐに開けられるようにし、鍵を探す時間がかからないようにする。
    • 車を運転するときにはいつでもドアをロックし、窓ガラスは閉める。
    • 鍵を差し込んだまま、ないしはエンジンをかけ放しにして車を離れないようにする。

     

    JSS情報分析

     

    我々の日常生活は、一歩間違えると惨事につながりかねない場面が多 くある。特に当地は日本に比べて銃器が多量に流通していることを考えると暴力事件の危険度は高い。これまでに幾度か説明したが、カナダの推定保有銃器の数 は 7 百万丁で、全人口で割ると 5 人に1丁の割合である。現実には 1 人が複数丁保有することがあると考えられるのでこの数は現実的ではないが、一方犯罪に用いられる銃器の数と犯罪発生状況から考えると、不幸にして遭遇した 犯罪、特に暴力犯罪場面では、そのほとんどで銃器の存在を想定するべきだ。

    この事件の場合、被害者は加害者の不当な要求を受け入れたがゆえに 惨事には至らなかった。

    記事にもある通り、事態に遭遇しにくいように注意する事は日ごろか ら気を配るべきことである。一方、遭遇した場合の対応についても、被害を最小に止めるべく、その場で考えるのではなく日ごろから心に決めるべきである。

     

     

    「止まって待とう」運動

     

    8月8日付市警ニュース

    ( Japanese Social Services よりの情報提供)

     

    知っていますか? 1ヵ月に1人の割合で、路面電車から降車中に車にはねられる人がいる。 路面電車のドアが開いている時に車が通過して起きる事故は、 TTC の運転報告によると1日 80 件にのぼる。 路面電車のドアが開いているときに横を通過した車の運転者は、$ 110 の罰金と 3 点減点が科せられる。 車椅子用車両の出入り口が、駐車している車でふさがれることが頻繁にある。 「 TTC は、道路の交通量抑制と言うきわめて重要な役割を果たしている。道路利用者すべてが、安全で秩序ある車の流れを守り、公共交通機関の通行優先権を守るため に協力し合うことが大切だ。」市警交通部長のウォルター・マックコート副総監が述べている。

    8 月 8 日月曜日から 1 週間、トロント市警は TTC と協力して、「止まって待とう」と言う、路面交通乗降時の交通ルールの認識を深め、励行を促進するキャンペーンを行う。係官が TTC のバス停、路面電車の線路、 HOV 線路および車椅子運搬車両運行などで違反を犯すドライバー、自転車利用者および歩行者を対象に、公共の通行の流れの妨げになる行為を重点的に取り締まる。

    「止まって待とう」キャンペーンのより詳しい内容を知りたい方は、 リー・ビショップ巡査 416−808−1939 またはブライアン・バオマン巡査部長 416−808−1926 まで連絡願いたい。

     

    JSS情報分析

     

    当地の路面交通機関では乗り降りを段差がついた安全地帯から行う事 はまれである。それゆえに交通規則では、乗客が乗り降りをしている ( ドアが開いている ) 路面交通機関の側面は、自動車の通過が禁じられているのは記事にある通りである。記事にあるように毎日 80 件を越す違反通過が現実であるとすると由々しい事態である。

    交通事故は被害者はもとより、加害者にも悲惨な結果をもたらす。適 法運転は、被害者を保護するばかりではなく、加害者も保護しているのだ。

    以前日本で、「車は走る凶器」と言われたが、ドライバーは「凶器」 を扱っていることを認識し、人はもとより自分の安全のためにも法規を熟読し、遵守する事は最低限のマナーだ。

    一方、路面交通利用者は乗降の際周囲の動きには十二分に注意を払お う。

     

     

     

    9月の犯罪

     

    「オンタリオ州秋のシートベルトキャンペーン」 9月24日~10月2日

     

    9月23日付市警ニュース
    (Japanese Social Servicesよりの情報提供)

     

    9月7日水曜日、トロント市警は5週間にわたる「学校校内安全 – 交通安全」キャンペーンを開始した。
    このキャンペーンと関連して市警は、9月24日土曜日から10月2日日曜日の間州全域で行われる第11回「秋のシートベルトキャンペーン」を推進する。
    このキャンペーンはシートベルトを正しく締めずに車を利用するドライバーと乗客を対象にベルトの着用を促進する。
    最近改定された法規では、保護者が子供の同乗する車を利用する場合下記の様な点に留意の上、適正な固定器具を用いて子どもの安全を確保することが義務付け られている。

    子供の体重が 18~36kg(40~60lbs)の場合ブースターシートが必要。

    シートベルトは身長 145cm (4ft9in) 以上の人に合わせて作られているため子どもの身長が145cm (4ft9in) 以下の場合ブースターシートが必要。

    そ の理由はシートベルトは衝撃に反応して子供の身体を座席に固定するためにあり、ベルトが正しい位置にあれば肩、胸及び腰の骨を押さえつける事が出来るが、 子供の様に体格の小さい者がベルトを着用すると、首や腹部のような身体の柔らかな部分を締め付ける事になり安全性に問題が生じるからである。
    「学校校内安全- 交通安全キャンペーン」「州シートベルトキャンペーン」のより詳しい情報についてはStephen Burns 警部(416) 808−1919またはBrian Bowman 巡査(416) 808−1926に問い合わせ願いたい 。

     

    JSS情報分析

     

    日 本でも運転席および助手席でのシートベルト着用は義務であるが、後部座席については着用が推奨されているが義務ではない。カナダの場合は後部座席での着用 も義務であるばかりではなく、記事にあるように一定の身長・体重に満たない場合ブースターシート使用も義務付けられている。
    日本の運転免許を持っている場合、当地の免許取得は比較的容易である。しかし容易に免許が取得できるからといって、運転法規やマナーは詳細部分で相違が少 なくないので、正しい理解をないがしろにしてはならない。
    多くの書店、運転免許試験所などで入手できる、その地での「運転教則」本を熟読する事はドライバーの義務とも言えるマナーだ。なお交通法規は年々変化して いるので、年に一度は目を通すことも忘れないようにしたい。

     

     

    バス・自転車専用車線推進運動

     

    9月16日付ヨーク郡警察ニュース
    (Japanese Social Servicesよりの情報提供)

     

    ヨーク郡警察はヴォーン市の特定車両優先車線通行ルールに違反するドライ バーを取締る、バス・自転車専用車線推進運動を開始する。
    地域の住民からの要請を受けた郡警察第2管区の住民の相談窓口(COR)および交通取締局は、9月および10月の間継続して取締を強化し、9月20日、9 月29日および10月5日には違反のを取り締まりを徹底する。
    この運動は自転車利用者の人身事故が増加し、頻繁に停車するバスの通行を妨げる恐れがある、特定車両優先車線を無理やりに走行するドライバーに焦点を当て ている。
    タクシーや3人以上が乗車しているカープール車両はこの車線の利用が認められている。
    道路利用者は、運転を急ぐあまり往々にしてこの法律を犯している。その結果他の利用者を負傷や、場合によっては死亡の危険に追いやっている。このような違 反者には、道路交通法によって$110の罰金および3点減点が科せられる。
    ヨーク郡警察は道路利用者の啓蒙と安全確保のために活動している。本件に関する詳しい情報は交通取締局のBullen警部1-866-876-5423, ext 7702または第2管区CORのMorash警部1-866-876-5423, ext. 7220に問い合わせ願いたい。

     

    JSS情報分析

     

    トロント市内を運転するとコミューター車線、自転車車線が多くある。そして 走行権を持っていないと思われる車が走行しているのを見かける事は日常である。妙な言い方だが、法規を遵守してノロノロ運転をしているのが、時にバカらし くなることさえある。
    これまでに走行車線違反の取締りはあまり見かけたことがないが、この記事ではヨーク郡警察は、特定の地域で実施すると言うことである。
    危険の排除、渋滞の緩和に協力すると言うことだけではなく、今後とも遵法運転を心がけたい。

     

     

    性的暴行と殺人恐喝容疑の男逮捕

     

    9月6日付市警ニュース
    (Japanese Social Servicesよりの情報提供)

     

    9月3日土曜日、26才の女性が、顔見知りの男に殺人を脅迫されたとの通報 が市警にあった。
    通報及び状況の概要は以下の通り。

    容疑者は、オークウッド通り 347番地、トロントマウントシオン復活教会の創立者で、現牧師の男性。

    2003年の春、被害者と知り合った。

    容疑者は、被害者に家の一室を一時避難のために提供した。

    被害者が滞在中に性行為を強要した。

    その結果、被害者は妊娠し、出産した。

    家庭裁判所の記録によると容疑者は、この被害者に接触し殺すと脅かし、また 教会の会計主任にも殺すと脅した。

    調べの結果、教会創立者の Frank Seeko Lawrence 56才が逮捕され、性的暴行と2件の殺人恐喝罪に問われている。
    容疑者は、旧市庁舎の保釈法廷に9月4日土曜日午前10時に出廷予定。

     

    JSS情報分析

     

    警察や報道機関は多くの性的暴力に関するニュースが伝えられる。その多くは 人通りの少ない街頭で発生したり、家宅侵入に伴って起きたりしている。
    一方聖職者が犯す性的暴力事件は必ずしも多くはないが、犯人の社会的地位から言ってニュース性が高いことが理由か、報道が目に触れる機会は決して少なくな い。つい一ヶ月前にも牧師が、警察のおとり捜査で子どもをそそのかし、性的な行動に出ようとして逮捕されている。
    掲出した事件では聖職者がその地位を利用し、かつ親切の仮面の裏で犯行に及んでいるだけに許しがたい。加えて(事情が詳細に発表されていないが)殺すと脅 迫しているとは言語道断である。
    日本の文化は性善説を背景にしていると言われるが、このような事件に接すると全ての人を疑わなくてはならないのかと、やりきれないものを感じる。
    トロントは北米の大都市の中では安全な都市であるといわれるが、その当否は別として実際の日常生活では、危険と隣り合わせに生活していることを忘れてはな らない。
    なお、このニュースとは無関係だが9月10日、日中のJane-Finch地区で今年36人目の銃撃による死者が出ている。昨年一年間の死亡者数は27人 だった。またナイアガラに程近いSt. Catherinesではベッドで寝ていた8才の男児が階上で発射され天井を突き抜けたと見られる流れ弾に当たって死亡している。

     

     

    登下校を安全にするためのヒント

     

    9月5日付市警ニュース
    (Japanese Social Servicesよりの情報提供)

     

    新学期が始まる。この機会に全ての道路が安全に使用されるための基本的な運 転の仕方を再確認する事が必要である。
    9月6日火曜日には市内全般の学校の新学期が始まる。市の「安全な学校・安全な道路」運動の一環として市警は、全ての道路利用者が新学期に入る子どもたち の安全に十分に注意するよう呼びかけている。
    通学区域での安全で慎重な運転は子どもたちの安全を守るだけではなく、子どもたちに良い運転見本を見せることにもなる。
    登下校時の児童の安全を確保するために覚えて置くべきいくつかの事項を以下に掲げる。

    通学区域では速度を落とす。

    全ての交通・駐車標識に従う。

    駐車 (停車)禁止場所、曲がり角や横断歩道上の駐停車は歩行者の視界をさえぎる為避ける。

    送迎では学校から 1ブロック手前(先)に車を止め、子どもはそこから歩かせる。

    子どもたちに安全な交通、歩行者の安全について教える。

    スクールバス乗降場所の邪魔をしないようにする。

    道路の横断は横断歩道または信号に従って行い、横断歩道のないところは渡らないようにする。

    あせらず余裕を待つこと。急ぐより安全が大切である。

    9月7日水曜日午前10時30分にWilliam Blair市警総監が市警本部で市教育委員会、市カソリック教育委員会とともに、学校安全・交通安全運動をスタートさせる。
    学校安全・交通安全運動の詳細についてはStephen Burns警部416−808−1919またはBrian Bowman巡査部長416−808−1926に問い合わせ願いたい。

     

    JSS情報分析

     

    周辺各地域の警察はこの時期学童の交通安全、特に通学区域での事故発生を撲 滅するべく、毎年安全運動を実施している。このほか臨時に運動が展開されることもあるが、そのどれもが学童とその保護者、運転者、一般歩行者に対する啓蒙 と、取締り強化を内容にしている。
    毎年強化取り締まりの結果一時停止違反、速度違反などでトロントだけでも数千の違反切符が切られるのが常である。
    この数年トロントにおける交通事故で死者の数は減少傾向にあるが、時に起きる歩行者の事故は車のスピードの出しすぎと、歩行者の横断歩道外横断によるもの が目立っている。
    筆者個人としては「歩行者優先交通」の常識は日本のほうが幾分浸透しているやに感じるが、だからと言うわけではなくトロント周辺での道路使用は慎重の上に 慎重であってほしい。
    かなり長くなるが、周辺の警察が公にしている学童や歩行者の安全を守るための注意事項を以下のように取りまとめた。(原文省略)

     

    学童や歩行者の交通安全

     

    ドライバーは、

    余裕を持って運転すること。高齢者や子どもは横断に時間がかかることに注意を払う。

    夜間運転する場合は周囲に注意を払う。

    歩行者や自転車に注意し、曲がる場合には道を譲る。

    住宅地域や通学区域では特に注意をして、低速で運転する。

    ライトを点滅させて児童を乗り降りさせているスクールバスの横を通過すると$ 490の罰金が科せられ、6点の減点となることに注意する。

    歩行者は、

    横断は信号があるところ、横断歩道があるところ、全交差道路一時停止標識のあるところで行う。横断を始 める前にドライバーと目をあわせた上で横断する。

    車が止まってから横断する。

    夜間は、明るい色ないしは光を反射する服を着る。

    出来るだけ歩道を使い、車道を歩く事は避ける。車道を歩かざるを得ない場合は、車に対面して歩く。

    ヘッドフォン等で音楽を聴きながら車道を歩いたりジョギングするのは絶対に避ける。

    9才以下の子どもが道路を横断する場合、大人か年長の子どもが同行するようにする。

    鉄道線路は必ず、踏切と定められた場所で渡る。

    学童の交通安全

     

    保護者と子供への注意

    子供たちの多くは歩いたり自転車に乗って通学する。しかし年少の子供たちは往々にして交通状況にあわせ て安全を図る能力が不足している。以下の決まりを守ることで交通安全が守れるように指導する。

    歩道があるところでは歩道を歩くこと。

    横断は交差点でさせる。

    信号がない、或いは交通指導員のいない交差点を横断する際の注意

    渡り始める前に必ず一旦止まる。

    車から自分が良く見えるように、また自分が横断することがドライバーが分かるようにする。

    横断する前に四方の状況を確認する。

    止まって確認し、車の音にも気をつける。

    安全が確認できてから渡る。

    出来るだけ友達と一緒に行動する。

    信号のある交差点では、

    歩行者ボタンがある交差点では必ずボタンを押す。

    歩行者信号が点灯するまで横断は待つこと。

    横断することをドライバーが分かるようにする。

    渡る前に止まって確認し、車の音にも気をつける。

    安全が確認できてから渡る。

    横断は走らず歩いて行う。

    角を曲がってくる車やトラックを確認する。

    大人の交通指導員や児童の安全委員がいるところでは、指導員や委員の指示に必ず従うこと。

    ドライバーへの注意

    新学期には歩行や自転車で道路を使う児童が増える。
    子供たちは交通安全に関する経験が少なく、また安全を確認する能力も不足している為、ドライバーは十分に注意すること。以下の交通安全規則を遵守して子供 たちの安全を守ること。

    通学区域では速度を落とす。

    通学区域の表示を確認する。

    子供たちは常に交通に注意が行き届いているとは限らないことに注意する。

    横断しようとする子供たちとは必ずアイコンタクトをとるようにする。

    子供たちが横断を完了するまで進行を待つ。

    停止、一時停止などの信号には正しく従う。

     

     

     

     

     

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