東日本大震災1周年・山本栄二総領事の御挨拶

 

 

 

死者・行方不明者およそ1万9千人という多数の犠牲者と、経済、社会、産業、交通等インフラに莫大な損害をもたらした昨年3月11日の東日本大震災から一年、マグニチュード9.0の大地震とその後発生し た大津波の恐ろしい映像は、今でも我々の胸に刻まれています。

 

未曾有の大災害に見舞われた日本国民に対して、これまでにカナダを含め、国際社会から様々な支援をいただいたことは、国際社会の温かい連帯、「絆」の重要性を再認識する良い機会となりました。

 

震災直後当館に対しましては、デービッド・オンリー副総督御夫妻はじめとした要人の方々のみなら ず、多数の一般市民の方々から、弔意、お見舞い、そして励ましのメッセージが寄せられました。さらに、日本救済・支援のため多数の機関、企業、団体、教育機関、そして市民グループの方々が、幅広い義援金活動を即座に開始され、その一部は今でも続いています。本官以下、総領事館の館員・職員全員より、こ の場を借りまして、ご支援いただいた皆様方に厚く御礼申し上げます。

 

一周年を機に、日本政府並びに総領事館としましては、改めて多くの犠牲者を追悼し、愛しい家族・親戚・友人等を失われた方々、自宅や家財その他を奪われた方々の深い悲しみに思いを致し、と同時にこの大災害を乗り越えて、日本の復興をさらに進めていく決意を深めております。

 

また国際社会からの支援に応えるため、日本政府は人間の安全保障を実現し、また、世界の持続的成長を 達成するため、地球規模の諸課題の解決に向け、国際協力を積極的に進めていく決意です。また、大震災や 原発事故から得られた知見と教訓を国際社会と共有していくとともに、震災被害からの開かれた復興・再生、防災、グリーン経済への移行、少子高齢化、高いレベルの経済連携といった諸課題に、積極的に取り組んでいく所存です。

 

被災地におきましては、復興に向けてまだまだなすべきことが沢山ありますが、一部の規制地域を除いて日本の殆どの地域では震災前の日常の生活に戻っております。カナダの皆様には、ビジネス、観光、留学等で是非安心して日本に来ていただきたいと思います。

 

これからも皆様の日本へのご支援のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

在トロント総領事 山本栄二