2012年12月の犯罪
12月の犯罪
州警察(OPP)による 歳末R.I.D.Eキャンペーン1週目の結果では、多くのドライバーが歳末中、人々の命を危険にさらしている。
12年12月03日 市警ニュース
JSSによる情報提供
OPPの歳末R.I.D.E.(Reduce Impaired Driving Everywhere:飲酒運転撲滅取り締まり)キャンペーン開始から約1週間が過ぎOPPは、この期間の生命に関わる事故発生を防止する為、検問を通じて飲酒運転を排除する事に多忙を極めている。
これまで(11月24日から12月2日)に、検問の結果飲酒運転を摘発されたドライバーは151人、また152人がその場で、警告免許停止処分を受けた。
OPPは、このキャンペーンが11月24日に始まって以来検問を州全域で実施しており、今後もドライバーが逃げ隠れできない状況は続くと、注意を呼びかけている。
OPPによれば、無飲酒であれば運転は安全で、検査結果は低く出るが、血中酒精度(BAC)が0.05から0.08と検出された運転手は、警告免許停止処分となる。
OPPは飲酒のために外出するドライバーに向けて、R.I.D.Eの検問で摘発されて免許を失うより、問題なく家に戻る手立てを考える方がずっと簡単だと、重ねて忠告している。
加えてOPPは一般の人々に、歳末期間を誰もが安全に過ごせるように、飲酒運転をする者を見つけた時は、警察に9-1-1通報をしてほしいと呼び掛けている。そうすることで、あなたも人の命を救う事になるのだ。
また、フェイスブック上で飲酒運転に関する意見や談話とともに、OPP の歳末飲酒運転検問キャンペーンについてもやりとりすることでも、OPPの活動に参加してほしい。
JSS説明
飲酒運転は、速度違反などを含む無謀運転および走行中の携帯電話の手持ち使用などの注意散漫運転と並んで交通事故の3大原因に数えられている違法行為である。オンタリオ州の交通法規では、呼気100ml中のアルコール量が80mg以上で飲酒状態と判定されるが、この数年飲酒判定基準に至らない量ても、ないしは初心者免許(A2免許)の場合は僅少でも, アルコールが呼気に含まれていれば免停処分を受け、罰金が課される(詳細については州政府のウエッブサイトなどで確認されたい)。
どのくらいの飲酒量で規程量に至るかは、個々人の身体状況、体質その他の多くの要素で左右されるので一概には決め得ず、とにかく飲酒した場合は運転はしない事が大切だ。運転しなくてはならない場合は「飲まない」、飲酒が余儀ない場合は、タクシーなどの交通機関の利用、ないしは飲酒していない友人に運転を依頼するなどの工夫をして欲しい。
歩行者が被害にあう交通事故の増加
2012年12月10日 市警ニュース
JSSによる情報提供
12月10日月曜日午前7時13分市警は、ケネディ通りとメリアン通りの交差点で人身事故が起きたとの通報を受けた。
事故の状況は下記の通りである。
- 83歳の男性が、交差点の北側でケネディ通りを東から西に横断していた時、
- 28歳の女性が運転する2012年型Ford Focusが、メリアン通りの東向き車線からケネディ通り北向きに左折、
- 男性はFord Focusに跳ねられ、重傷を負い、病院へ搬送された。
JSS説明
10日、月曜日の朝のニュースで、数時間のうちに市内で歩行者事故が6件起きたと報じられた。訳出した事故はそのうちの一件であるが、幸い死亡事故が無かったとはいえ頻繁に発生している事が窺える。
さらに12日の夕刻には、ミシサガで2才と3才の子供連れの母親が跳ねられ、2才の子供と母親は軽傷ですんだが、3才の子供が重傷を負ったと言う。そして14日の早朝には、70才の男性が車に跳ねられ死亡した事故が市の北西で起きている。この他周辺地域でも、少なくない事故発生が報告されている。
警察はこの季節、日の出が遅くなり、さらに日の入りが早い事から、見通しの悪い時刻の交通が頻繁となり、事故の発生につながっていると警告している。この時期、ドライバーは本より歩行者も、危険を避ける心がけを忘れずに、事故を防止することが必要だとしている。
安全のために心がける事項として強調されるのは、見通しの悪い状況を十分に配慮した歩行で、さらに横断に際しては、
- 明るい色の服装をする。
- 道路横断時には、ドライバーが自分の存在を確認しているかどうかを見定める。
などを忘れないことを助言している。
ヨーク郡警察は詐欺犯の捜索中
12年12月20日 ヨーク郡警察ニュース
JSSによる情報提供
ヨーク郡警察の重要犯罪捜査官は、銀行の調査係を装う詐欺に関する警告を発すると共に、この事件の犯人発見のための協力を一般に求めている。
12月19日水曜日、ニューマーケット在住の高齢の女性二人が、カナダの主要銀行の調査係と称する犯人からの電話を受けた。
彼女たちは、不正を働く行員を捕まえるために協力してほしいと言われた。二人の女性はニューマーケットにある銀行の支店に出向き、預金を引き出すよう指示された。さらに引き出した現金を銀行の外で待っていた犯人に渡すよう指示された。二人の女性は犯人の指示に従い、犯人はうち一人からは多額の現金を受け取り、その場から逃走した。
警察は人々に、犯人に関するどのような情報でも通報するよう要請している。犯人の人体は:
- 白人男性
- 年令45から50才
- 身長5ft6in(約167cm)
- 痩せ型
- 黒い短髪
電話による詐欺の被害は防ぐことができる。ヨーク郡警察は住民一般、特に被害を受けやすい高令者に、電話による詐欺の被害を防ぐには予防が一番だとしている。うますぎる話を持ち込まれた場合、電話をしてきた会社や勧誘者が正規かどうかを判断するための係やサービスが準備されている。さらに、銀行は顧客に、預金の引き出しなどで、調査に参画することを依頼することはない。
JSS説明
詐欺事件は極めて多様な手口で行われる。訳出したものは、かなり大雑把な手口で、被害者が事の真偽を銀行に確認するなどすれば防げたものに見えるが、犯人は言葉巧みに被害者をだまし、疑問を感じないようにすすめたもののようだ。
電話による詐欺事件の被害は、犯人の要求を、関連する業界団体などの公的機関ないしは(先方が指定した電話番号ではなしに)別途入手した関連機関の電話番号で内容を確認する事で、殆どは防げると言う。
さらに同種の犯行の一つで、いわゆる前金詐欺と言われるものがある。何らかのサービスを受ける場合に、前金を要求され、納入後もサービスが提供されないケースである。この場合も、記事にある通り内容を確認する手立てはいろいろとあるので、支払いなどを実行する前に確認する事を忘れないようにしたい。
2012年11月の犯罪
2012年10月の犯罪
10月の犯罪
婦女暴行警報、フィンチ東通り・ドンミルズ通り地域、市警は婦女暴行で男を手配
12年10月1日 市警ニュース
JSSによる情報提供
9月30日日曜日、午前9時30分、警察はフィンチ東通り・ドンミルズ通り地域 で起きた状況不明の通報で出動した。
報告によると:
- 20歳の女性が犬を連れて、 フィンチ東通り・ドンミルズ通り地域にある公園を歩いていた。
- 男が近づき、話しかけた。
- 男は女性を掴んで、肋骨に拳銃を押し付けた。
- 男は女性を、公園の人気のないところに向かって歩かせ、女性は従った。男は女性を地面に押し倒した。
- 男は乱暴を働いた。
- 男は現場から、徒歩で西方向に逃走した。
女性は、生命には別状のない傷を負って、病院に搬送された。
犯人の人体は、20から30才で髪を編んでおり、両腕に刺青があった。着衣は黒いTシャツと青いジーンズ。黒色で、銃身が丸い拳銃を所持していた。
JSS説明
婦女暴行に関する発表は通常詳細には殆ど触れず、単に「背後から襲った」、「話し掛け、親しくなった上で乱暴を働いた」など、どのような注意をすれば被害を防げるかが分かるような内容は書かれない。訳出した記事はその点で幾分詳しく、さらに犯行に銃器が用いられた事が特記されている。
また、多くの同様の事件は、夜半過ぎに女性が一人で歩いている際に起きるが、本件では午前9時半に起きている。これらの状況から、事件を一般化して、被害を避ける助言をまとめる事は出来ないが、以下は頻繁に発生している被害を避けるヒントの一部だ。
- 自分の周囲に注意を払うことを常に忘れないようにし、異常事態は避けるようにする。
- 出来る限り複数で行動する。
- 自宅と最寄り駅との経路など頻繁に使用する道筋は一定にせず、時々変える。
- TTCのバスが、夜間は女性のために指定場所での停車をしてくれるサービスを利用する。
- 特に夜間は照明のついた、人通りのある場所を利用する。
- 自分の直感を信じる。周囲の状況や、周囲に居る人が気がかりな場合、その気がかりは正当な気がかりだ。
- 人の少ない場所、草などが生え茂ったトレール、人通りが絶えた通りは避ける。
- ジョギング中、ないしは歩行中にヘッドセットは使わない。
- 怪しい人を見かけた、怪しい状況があった場合はすぐに警察に電話する。
週末に起きた空気銃使用事件で逮捕者が出ている
12年10月3日 ヨーク郡警察ニュース
JSSによる情報提供
週末に起きた、空気銃が使われた2つの事件で複数の逮捕者が出た。
9月29日土曜日午後3時、係官がマーカム市のアルダーグローブ通り・フェントン通りから寄せられた、銃砲関連の通報で出動した。出動した警官は、近隣のの公園で子供を遊ばせていた折に大きな発砲音を聞き、顔にペレットが当たった女性に事情を聞いた。この女性は命には別状のない負傷で病院に搬送された。状況を目撃した人々が、数人の若年者が裏庭で、空き缶を空気銃で撃っていた近くの住宅に警官を案内した。そこにいた若年者達は、危険な目的のための武器保有及び不注意な武器の使用の嫌疑をかけられた。
9月29日土曜日、午後4時30分、オーロラ町のストーン通りで、移動中の車内で拳銃にマガジンを装填する男を、別の車の利用者が見かけたと言う、銃砲関連の通報で警官が出動した。警官が車を発見し、若年者6人が逮捕された。さらに車内のドライバーシートとセンターコンソールの間に隠し置かれた、ソフトペレット銃が発見された。
本件並びに類似の、模造ないしは空気銃による事件に関連してヨーク郡警察は以下を住民が忘れないようにされたいとしている。
- 武器に関わる通報を受けた場合警察は、通報の対象となった武器は、調査の結果そうでないことが判明するまでは本物として扱う。
- 空気銃は武器として分類されていないが、犯罪を犯す上で用いられた場合は火器として扱われ、刑法による犯行が適用される。
- 空気銃を発砲することで物損をもたらした、ないしは人や動物を傷つけた場合、刑法及び民事責務の対象となる。
- 空気銃を購入する場合には事前に、どこで安全に使用できるかを決めなくてはならない。
- 居住地域の条例で、空気銃の使用が認められているかどうか確認しなくてはならない。
- 公園やその他の空き地など公共の場所では、空気銃は使用しない。
- 自己の所有ではない私有地で空気銃を使用する場合土地所有者の許可を得なくてはならない。
JSS説明
銃器の使用については国や地域、環境や状況などで規制の範囲や内容に数々の差がある。その点を意識しないで行動し、意図せずに加害者ないしは、被害者になってしまう例は少なくない。
訳出した発表の場合、犯行を犯した者たちに必ずしも悪意があったとは思えないが、結果として安全を犯した、ないしは地域の規則にそわない行動をしたと言う意味で重大である。
異なる文化の下で生活する場合、結果を深く考えず、自分(達)の常識のみに頼って行動すると、銃器の使用に限らず時に大きな齟齬を来すものだ。十分に注意したい。
なお、ペレットガンにせよ空気銃にせよ、使いようによっては危険なものであることを改めて認識させる発表だ。
捜査官は、チョコレートバー募金販売詐欺に注意するよう呼びかけている
12年10月5日 ピール郡警察ニュース
JSSによる情報提供
ピール郡警察詐欺部の捜査官は住民に、モールやプラザで、チョコレートバーを募金販売する詐欺に注意するよう呼びかけている。
ピール郡警察詐欺部の捜査官は、チョコレートバーを買って欲しいと年少の子供が近づいた場合、詐欺に巻き込まれる可能性があるので注意するよう警告している。詐欺犯は、幼い子供を使って、モールやプラザの外に立たせ、チョコレートバーを売らせる。
詐欺犯は多くの場合、慈善事業者のウエッブサイトから切り取ったパンフレットを子供たちに持たせ、正規の慈善事業者を装っている。子供たちは、チョコレートの売上は慈善事業に寄付されると教えられている。詐欺犯は、無邪気で幼い子供を使って、チョコレートバーを募金販売させているのだ。被害者はこの手口に騙され、慈善事業の資金作りのためと信じて、実は詐欺犯の儲けになるチョコレートを買わされている。
どうすれば良いのか?
こういったチョコレートバーが売られているプラザやモールで買い物をする場合、あなたが支払った代金が誰の手に入るかに気を配ろう。ちょっとした買い物でも、大きな犯罪組織を助けることになりかねない。また、チョコレートバーの募金販売に雇われた子供の保護者は、子供が雇われている慈善事業について雇主に確認されたい。
慈善事業の合法性については、カナダ収入庁(Canada Revenue Agency)のウエッブサイトで、慈善事業者の名前をタイプすれば、誰でも調べることが出来る。ウエッブサイトからは、慈善事業登録番号、登録状況および有効期間を知ることができる。
誰もがこの詐欺の被害者になり得る。捜査官は、この種の詐欺被害を受けた人が他にもあると考えている。
JSS説明
詐欺犯罪の範囲は極めて広く、手口は多種多様だ。訳出記事が扱っているケースでは、子供をだしにした手口が特徴だ。
日本と同様、当地でも多くの慈善や公共的な活動があり、資金獲得のために多様な活動が進められる。当地では、いくつかの団体(例えばボーイスカウト、ガールスカウト、地域の学校な)どが家庭や知人にチョコレートバーなどを販売する事があるので、記事のようなケースは紛らわしいものとなる。
正しい慈善活動と疑わしいものを判別するには記事にある、活動の出自を公的な機関の情報で確認するのが一つの方法だが、それで十分とは思えない。類似のケースでは個別訪問で寄付を集めるものもあるが、偽造の証明書などが提示されることもあり、正邪の判別は容易ではない。
筆者は疑わしいと思われるケースでは、一旦断り、別途何らかの方法で伝えられた団体などがキャンペーンを展開しているかどうかを確かめ、確認できれば団体に直接送付することにしている。
オペレーションインパクト特別警戒(10月5日~10月8日)の結果
12年10月10日 市警ニュース
JSSによる情報提供
市警にとって交通安全は, 引き続き優先取扱い事項である。第22回目のオペレーションインパクト運動が感謝祭の週末に実施された。週末は10月5日に始まり8日に終わった。
今年のオペレーションインパクト運動では、アルコール関連の違反は2011年に較べて少なくなった。2011年には41名がアルコール関連の違反で摘発されたが、今年は37%減の26名だった。この運動中の市内で起きた死亡事故は1件だった。
市警は市内の路上で起きる安全確保のための意識向上に努める。
アルコール関連違反 26件
シートベルト不使用 407件
速度違反 2,143件
無謀運転 1,485件
不注意運転違反 77件
注意散漫運転 272件
その他 99件
期間中に4,504件の違反が摘発され、6,794台の車が停車を命じられた。
正しい決断を忘れないようにしよう。飲んだら運転するな、運転にはあなたの命がかかっているのだ。
JSS説明
市警ならずとも交通の安全は現代の社会にとって極めて重要なことの一つだ。我々が住んでいるトロントないしその周辺は、極端といってよいほどの自動車社会であり、地域中心のほんの一部と、公共交通網が充実している特定の地域を除いては、自動車の利用なしには生活はほとんど成り立たないといってよい。
自動車が生活の隅々にまで行き渡っていることによって、我々は自動車事故の被害者にならないだけではなく、加害者にならないことに最大の注意を払う、いわば義務を負っている。しかし自動車の利用が日常となって、注意を払う意識が薄れている状況を見聞きすることが珍しくない。
交通安全に警察が最大の注力をして居る事は大いに喜ぶべきことだが、一方でそれが絶えることなく続けられていることで日常化し、人々の意識に変化が出るなど、事態の複雑さも感じる。
訳出した発表では、飲酒運転による摘発数が昨年比で37%減とされている。これを社会の意識向上の結果と見得るかどうかは判然としないが、喜ばしい結果には違いない。その他の摘発件数について他年次との比較は無いが、少なくない違反が摘発されている事は間違いない。そして摘発されたどの違反を取り上げても、事故発生に直接つながるなり、被害者のみに止まらず、加害者をも悲劇に巻き込む原因になり得ることを考えると、その数の多さに戦慄を覚えるのは筆者のみではないと思いたい。
歩行者が路面電車に跳ねられた
12年10月25日 CP24警察速報
JSSによる情報提供
木曜日の午後、路面電車に跳ねられ、生命に関わる傷を負った女性の歩行者が病院に搬入された。
32才の女性は、午後3時30分少し前に、オークウッド通り近くのセントクレア西通りを北から南に向かって横断していた折に跳ねられた。
警察によれば女性は頭と内臓に重傷を負った。
現場にいた目撃者による未確認情報によると、この女性は跳ねられた時にヘッドフォーンを使用していた。
警察が現在現場検証中である。
JSS説明
訳出した記事はCP24が25日に速報したものの一部である。CP24は時に警察の活動状況を簡単に速報するが、記事にもあるように場合によって未確認の情報が含まれることがある。
訳出した理由は、未確認ながら衝突の原因が、被害者が道路横断中にヘッドフォーンを使用していた事にありそうだからだ。
歩行者事故ではドライバーの運転態度はもちろん問題にされる事は多いが、一方で歩行者の不注意ないしは無謀が事故原因であると見られる状況も決して少なくない。警察は歩行者側の事故原因に関わる以下のような問題を指摘している。
- 安全な横断場所が選ばれていない、
- 不注意な横断、
- 交通信号を守らない、
- 横断所要時間の見積り不足、
以下は、昨年12月に訳出した、歩行者安全に関する警察の指摘である。
歩行安全のための手立て:
- 反射材がついた、ないしは明るい色の服を着てドライバーが視認しやすくする(子供の着衣にも反射材ないしは明るい色を用いる)。
- 交通標識や信号を守る。
- 周囲に注意を払う。
- 車道を歩かなければならない場合、できるだけ縁石に近いところを、車に対面して歩く。
- 視界を邪魔したり、音を聞く邪魔になる帽子、スカーフ、頭巾、MP3プレーヤー等は、接近する車の音や姿を見聞きする妨げになる。冬季、防寒具の着用は避けられないが、周囲の状況を見聞きする障害にならないよう気をつけよう。
- 滑りやすい路上では、やや膝を落としてゆっくり歩くことで転ぶことを避けよう。バランスを崩したときに手をついて、転倒を避けられるように、手袋を使用し、手をポケットに入れないようにしよう。
交通信号について
- 信号を守ろう。ただし信号は完全無欠ではない。横断中は常に、近づく車から注意をそらさないこと。
- 横断は横断歩道で。横断歩道外横断では、認められている場合以外は、斜め横断や駐車中の車の間からの飛び出しはしないこと。事故の可能性が高まる。
- 慌てずに次の信号を待とう。残り時間表示が始まったり、手形信号が点滅し始めてから渡り始めないこと。
- 横断を始める前に、ドライバーと可能な限り目を合わそう。ドライバーは、あなたを見れば(衝突を)避ける。見ている、注意している「はず」と思ってはいけない。
11月の犯罪
ローレンス西通り、ダッファリン通りの西で本年37件目の死亡交通事故
12年11月1日 市警ニュース
JSSによる情報提供
11月1日午前6時53分、警察は人身事故の通報を受けて、ローレンス西通り、ダッファリン通りの西に出動した。
報告によれば:
- 33才の女性がローレンス西通りを北側から南側に横断しようとしていた、
- 28才の男性がローレンス西通りを西向きに運転しており、女性を跳ねた、
- 52才の男性がローレンス西通りを運転しており、さらに女性を跳ねた、
- 女性は現場で死亡が確認された。
JSS説明
11月1日の朝、市内で7件の歩行者事故が起き、2名が死亡した。
事故の内容は以下のとおり。
- 女性が道路中央の黄色線近くに立っていたところで2台の車に跳ねられ死亡した。
- バスに乗ろうとしていた女性を車が跳ね、後続の車が衝突し、倒れた女性の至近を通った車が止まらずに通過した。
- ベイ通り・エルム通りでタクシーが男性を跳ねた。
- エグリントン通りのバザースト通り西で、男性が跳ねられて重傷を負った。
- ステインズ通り・シーズンス通りで女性が跳ねられ重傷を負った。
- リッチモンド地区のヤング通り・シルバーメープル通りで男性がひき逃げされた。
- 2人の子どもを連れた女性が跳ねられ、生命に関わる重傷を負った。
多発の理由については警察でも特定されていないが、気温が下がり、人の行動が俊敏でなくなっている、ないしは人々が行動する時刻になっても日の出が遅くなっているので周囲が暗く見通しが悪いことなどが可能性として指摘されている。
詐欺捜査で5人の男に更に69件の嫌疑
12年11月9日 市警ニュース
JSSによる情報提供
10月2日、市警はロケット作戦と銘打った詐欺捜査で5人の男が嫌疑を受けたことを発表した。
- トロント在住のUmasangar Ramasamyは、カナダ全土を対象にした、支払いカウンター機器の改造を目的にして巧妙に編成された組織に属していた。同人が関わったコンピューター機器を分析した結果捜査官は、約30,700人分のクレジットカードデーターを発見した。
また、11月5日、同人に、以下の嫌疑がかけられた。
- クレジットカード偽造機器の製造
- 18個のクレジットカード偽造機器所持
- 36件の詐欺に資するクレジットカードデーター保有
- 8件の犯罪による盗品所持
- 偽造した政府印章所持
同日、トロント在住の Jigme Lhundup 23才、Tenzin Namsal 24才、Tennzin Delek 28才に犯罪組織関与嫌疑、Tsering Choden 26才にに詐欺行為によるクレジットカードデーターの所持嫌疑がかけられた。
JSS説明
訳出記事が参照している10月5日の発表では、市警と市交通局(TTC)が共同で進めている"Project Rocket,"で、偽造クレジットカードおよび不正に入手されたTTCの月極定期が多数発見され、多くの検挙者が出た事が報じられている。
その後の調べで犯人グループは、クレジットカードの偽造に深く関わっていたことが判明したことが、この記事で報じられている。このグループは不正な手段でクレジットカードの情報を盗み取っていたばかりではなく、偽造カード作成に用いられる機器の製造も行っていた事が判明したと言うのが記事の内容だ。そして判明した状況の一つは、3万件を越えるクレジットカード情報がこのグループによって保有されていたと言う。
このところ、一時は毎日の様に耳にしたクレジットカード詐欺被害が、それほど頻繁に聞こえくなっていたが、実状は決して被害が少なくなっていないであろう事が読みとれる。おそらく犯行を重ねるグループは、一段と巧妙に犯行を進めているに違いなく、我々は気を許すことなく、警戒を怠ってはならない。
“安全に過ごす為に”2012年歩行者キャンペーンの結果
12年11月13日 市警ニュース
JSSによる情報提供
2012年11月11日日曜日、市警は一週間に渡って実施された「安全に過ごす為に」 - 歩行者キャンペーンを終了した。
歩行者の安全は、意識向上や啓蒙活動、取り締まりを通じて歩行者の負傷や死亡を減少させることを目指しており、引き続き市警の優先事項である。
(訳者付記:キャンペーン期間を通じて)発行された8,512枚の違反切符の詳細内容:
- 赤・黄色信号停止違反に対して、138枚
- 不正な左折・右折に対して406枚
- 一時停止標識無視に対して615枚
- 自転車に乗ったままの横断歩道や立体交差の利用で77件を告発
- 歩行者に対して847枚
- スクールバスによる停止信号無視で57件を告発
- 歩行者に危険を及ぼすようなその他の違反行為に対して、自動車運転者・自転車運転者に5,549枚
- 加えて、歩行者横断歩道・交差点・通学ゾーンの安全使用を妨げたとして、1,116枚の駐車違反切符
本年(訳者注:市内で)これまでに、38件の死亡交通事故が発生している。事故分析の結果、歩行者の死亡事故は、トロントにおける年間交通事故死の約50%を占めている。今年は既に19件の歩行者死亡事故が発生している。
道路の安全は自動車運転者、市内の交通機関利用者、自転車利用者、そして歩行者、これらすべての人の責任であり、道路の使用に当たっては交通ルールの遵守を忘れてはならない。
啓蒙と意識向上を通して、歩行者の怪我や死亡事故減少を目的とする市警交通サービスの安全プログラムについて詳しく知りたい方は、ここをクリックされたい(訳者注;リンクは市警ウエッブサイトから行える)。
市警交通サービスは、トロント市内の交通の安全と、秩序維持の実現に専念している。随時活動報告がツイッター、フェイスブックファンページ、フェイスブックグループまたは、ブログに掲載される。
JSS説明
統計によると、2007年以降昨年まで5年間の死亡自動車事故数は、大略漸減傾向にあったが、今年は、11月半ばの現在時点で既に昨年の年間数値である35件を越え、38件となっている。そして、警察から歩行者の事故が頻繁に発表されており、さらに訳出記事によると死亡自動車事故の半数が歩行者事故であると言う。鉄とプラスチックなどの固形物でできており、高速で移動する車と人間の事故である以上、人間が被る被害は大きく、事故は悲惨な結果を招く事が通常だ。
自動車社会に住んでいる以上、自動車の利用は多くの場合当然であり、筆者も例外ではない。そして運転中に自分の不注意ないしは、歩行者の無謀や不注意によって肝を冷やしたことは少なくない。幸いにもこれまでに加害者になってはいないし、被害も被っていないが、一歩間違えればといった状況に出くわすことは稀ではない。
記事にある、一週間の特別取り締まりの結果検挙された違反数が、多いのか少ないのかは判然としないが、総数は本より、違反や不注意に対する少なくない交通切符などが切られていることは、不注意や違反が頻繁に行われていることを表している。
運転するものとしての注意は本より、歩行者として自分の身を守るだけでなく、徒に加害者を作り出さないためにも、責任ある道路使用者として、安全のためのルールを遵守するだけではなく、非常識で危険な行動は慎みたい。
なお当地で、歩行者の安全な道路横断のために、日本ではあまり耳にしないことだが、歩行者は横断する際に「ドライバーと目を合わせるようにしよう」と言う呼びかけがある。ドライバーとしての筆者の経験では、大変有効な呼びかけだと思われる。
歳末の買い物の支払いに注意:詐欺被害の防止と被害に遭わないための心がけ
12年11月22日 市警ニュース
JSSによる情報提供
司法機関や企業・個人商店の防犯部門は、この数か月間の売上が何億ドルにもなるため(訳者註;詐欺の被害が多くなることに)警戒を強めている。多額の売上の支払いの多くは、デビットカードやクレジットカードによって行われるからである。
Black Friday、Cyber Monday、Grey Cup weekendなどが近づき、さらに歳末期に入るので、市警の金融犯罪課はカナダ銀行協会と協働して、どのようにして金融犯罪被害を避けるかについて、市民や小売業者に注意を促している。
以下のような事に注意が必要だ:
- オンラインで買い物をする場合、売り手のウエッブサイトのアドレスを確認し、偽サイトでないことを確認しよう。
- 正邪が判然としないウェブサイトの場合は、物品を購入する前にきちんと調べる事。ウェブサイト自体がきちんと作られたたものに見えても、安全であるとは限らない事に注意。
- 購入に際して必要以上の情報を提供しない事。特に自身の生年月日やSIN(社会保険番号)などは、教えない事。
- 送金相手を知っている場合以外は、送金サービスを使用しない事。
- 見ず知らずの人物や企業から届くメールのリンクにアクセスしない事。
- 他のウェブサイトに移動させられるようなバナー広告に気を付ける事。
本件に関して市警ウェブサイトで金融犯罪課のページを確認されたい。
JSS説明
CBA(カナダ銀行協会)のウエッブサイトには近年の、クレジットカードやデビットカードに関連する詐欺被害の統計が掲載されている。統計によると、2011年にはクレジットカードに関わるものが約63万件、被害額は約4億4千万ドル(1件平均約700ドル)、銀行カードに関わるものが約15万件、被害額は約7千万ドル(1件平均約450ドル)となっている。
カード関連詐欺は多くが個人情報の盗みだしによるカードの偽造、ないしはカードその物の盗み出しや拾得したカードの不正使用が占める。いわゆるプラスチックマネーは種々の面で、現金しか無かった時代に比べ金銭の取扱いを便利にしてくれている。一方取扱いが便利であるが故に、詐欺犯に多くの犯罪機会を与え、冒頭に示したように社会に多くの被害を及ぼしている。掲出した平均被害額は単純に被害額全体を被害件数で割ったものなので、極端な多額には見えないが、総額の多さや発生件数が膨大であること、ないしは被害額の偏りを考えると莫大な被害を被る人が少なくないことが想像出来る。
訳出した記事に掲載されている注意事項は、注意するべき事項の一部であるが、便利さ故に不注意にカードで金銭を取り扱わない、自身を認識する情報は慎重に扱う…と言ったことを習慣にして被害を防ぐようにしたい。例えば、スーパーのレジなどでカードを使用した場合、パスワード打ち込みに際しては、肩越しの覗き込みに注意し、さらに天井などに設置されたビデオカメラによる撮影を避けるためにキーボードを手で蔽うなどは習慣にしたいことの一つだ。なお、万一被害にあった場合、警察や関係する公的な機関などと連絡をとって対応することも強く推奨したい。
5週間に渡る”防犯作戦”が、ダウンタウンの中心地区で始まった、トロントクライムストッパーズのビデオ公開
12年11月30日 市警ニュース
JSSによる情報提供
歳末には、プレゼントの買い物、事務所仲間の昼食会、ないしはその他の集まりなどで注意が散漫になる機会が多くなり、犯罪の被害を受け易くなる。ダウンタウンの中心地区で、5週間に渡る”防犯作戦”が始まった。この作戦が目指すのは、皆が警戒を怠らないために、防犯のための注意事項の確認を勧め、さらに必要になった場合のために、地域に警官の配置を増すことにある。
この地区に来る人々が、地区の防犯体制が確立されていることを実感し、安心出来る事を目指している。
トロントクライムストッパーズの協力を得て52及び51分署は、犯罪が数秒の内に起きる状況を描写した短篇のビデオを公開した。
以下は防犯の手立ての一端だ。
- 持ち物は絶対に放置しない。
- 常に注意を怠らず、周囲に気を配ろう。犯罪者は注意が散漫になっている人を狙っている。
- 車では、目的地につく前に車内にある物を外から見えないようトランクにしまおう。車を離れる際には、買い物袋などをシート上やグローブボックスに放置しないこと。
- 携帯電話は常に身近し、使用しないときには、人の目が届かないところに置く。
- 財布はズボンの後ろではなく、前部のポケットに入れること。後ろのポケットは、もっとも盗まれやすいポケットの一つだ。
- レストランやフードコート、バーなどでは、ハンドバッグを背もたれに掛け放しにしたり、腰掛けや床に放置しないこと。
- 必要以上の現金やクレジットカードを持ち歩かない。
- 荷物の持ちすぎに注意。車のキーは、すぐに使えるようにしておこう。
- バッグはいつも身近に持とう。また、ストラップを体に巻きつけないように。
- バッグやノートブックコンピューターなどの持ち物は、いつも身近に置こう。
- スリ被害に気をつける。飲み物をこぼしたり、ぶつかることで気を逸らし、その間に仲間がポケットを探ったり、財布や品物を盗んだりする。
多くの犯罪は、機会を見つけて行われる事を忘れないようにしよう。隙を見せないようにしよう。
JSS説明
11月後半に入って、特に週末は買い物客で賑わっている。毎年言われる事だがこの時期、スリやひったくりの被害に合うことは珍しいことではない。もちろん盗みを働く者が悪いに決まっているが、盗まれる方に多少なりとも油断がある場合が多いことも否めないようだ。「ちょっと目を放したすきに・・・」とか、「気がついたら・・・」と言う台詞が数多く聞かれることから、盗まれる側に油断があったと言わざるを得ない状況が少なくない事を伺わせる。さらに、時期には無関係に、例えば旅行者のように周囲に不慣れな行動が目立つ場合や、明らかに他の事に注意が向いていて、持ち物に気が配れないケースが狙われやすい。
盗みを正当化する分けではないが、時になんと無防備なと言うべき状況を見かける。記事にあるような注意事項を意識し、ターゲットにされないように十分気を配って、この期間を無事に過ごしたいものだ。
2012年9月の犯罪
2012年8月の犯罪
2012年7月の犯罪
7月の犯罪
エース通り・ウォルスリー通りで本年20番目の死亡自動車事故
12年7月10日 市警ニュース
JSSによる情報提供
7月9日月曜日午前9時5分、ウォルスリー通り近くのエース通りで人身事故が発生し、警察が出動した。
報告によると:
- 86才の男性が83才の女性が同乗したJeepを運転して東ウォルスリー通り近くの、Ace通りを西向きに走行していた。
- ドライバーは原因不明の運転不能になり、ビルの壁に衝突した。
83歳の女性は生命に関わる傷を負って病院に搬送された後死亡した。
86歳の男性は重傷を負って病院に搬送された。
JSS説明
この1週間、数多くの死亡自動車事故を警察が発表、ないしはマスコミのニュースが報道した。全てを網羅しているかどうかは判然としないが、筆者が認識したトロント及び近郊で起きたものを列挙してみると、訳出したもの以外に;
9日 VaughanのHWY27で3人が乗車した車が反対車線に飛び出した事故で、助手席にいた女性が死亡。ドライバーと後部座席にいた乗客が軽傷。
11日 Bellville(東オンタリオ湖岸にある町)付近で、トラックとの衝突死亡事故。
12日 East Gwillimburyで自動車事故。1名死亡、1名 重傷。
13日 エグリントン通り・ブリムリー通りで赤信号中に車道に出た歩行者が跳ねられ死亡。
13日 St. Catherineで車同士の衝突。3名死亡、5名重軽傷。
13日 トロントから140km南西の、エリー湖畔にあるキャンプ場で、2才の幼児が車に跳ねられて死亡。
などだ。
連邦運輸省の統計では、2009年に起きた死亡交通事故は2,011件で死亡者数は2,209人、人身傷害事故は123,192件、重傷者が10,539人、その他の負傷者数は172,883人だ。日本の平成23年状況では、死亡者数は4,612人で、単純な人口比ではカナダがかなり多いといえる。比較のためには自動車利用人口、走行延長距離、道路状況など多くの要因が考慮されなくてはならないから、多少は単純には言えないが、少なくない人々が犠牲者になっていることは間違いない。
当地で生活するほとんどの人にとって、自動車を利用することや自動車交通の中で生活することは必然であり、特殊なケースを除いては避けることは出来ない。加害者になる事は勿論のこと、被害を受けないように注意して生活する事は絶対の必要であることを肝に命じたい。
本年27番目の殺人事件、被害者はShyanne Charles, 14才
本年28番目の殺人事件、被害者はJoshua Yasay, 23才
12年7月17日 市警ニュース
JSSによる情報提供
7月16日月曜日午後10時40分、警察はダンジグ通りで起きた発砲事件の通報で出動した。
警察は現場で、銃で負傷した2名の被害者を発見した。2名は死亡が確認された。
被害者はトロント在住、14才の Shyanne Charlesと、Ajax在住、23才の Joshua Yasayであることが確認された。
報告によると:
- 100人近くの人が、発砲に先立って、ダンジング通りで行われていたた野外パーティーに参加していた。
- 同日夕方、男が他の男に向かって発砲した。
- 群集に向けた発砲が引き続き、23人が負傷し、2名が死亡した。
- 他に女性が1人銃によらない原因で負傷した。
JSS説明
7月15日に始まった週は、21日の土曜日までの一週間で、市内で発砲事件が7件起き、報道によると27人が負傷し、4人が死亡した。訳出した記事は、それらの中で最も反響が大きかったものだ。
トロント市の発砲事件は、発砲による79人の死亡者が出た2005年以来漸減傾向を示していたが、折に触れて報告しているように本年は、年初から昨年比で事件発生が30%以上も増加していた。警察の発表では、6月2日、人で混み合ったEaton Centreのフードコートで起きた事件も含め、その多くがいわゆるギャングがらみの事件だと言う。ということは、これらの事件の多くはギャング仲間の諍いや縄張り争いなどの抗争が原因なのだろうが、仲間うちのやりとりならいざ知らず、人ごみに銃弾を打ち込むなど、常識では考えられない事態が決して珍しくない・・・のが昨今のトロントだと言わざるを得ず、我々はそれを実態と認識しなくてはならない。
市長や知事、ないしは警察署長は、「トロントは世界一安全な都市」と言って憚らないが、昨今状況が変わりつつあるとは言え、東京を含む各都市が、少なくとも発砲事件の発生状況から見て、トロントより危険な所とは到底思えない。
主として犯罪や警察情報、ないしはより広い概念の「安全」に関わる情報に頻繁に触れていると、ドライバー同士の諍いで、一旦車に戻った犯人が、車から拳銃を取り出して発砲するとか、飲酒運転の検問で、何らかの不審を感じた警官が車内を調べたところ、銃器が発見される事が決して珍しくない当地では、銃器は街中のどこにでもあるものという考えを常識にして行動することが必要だと感じている。
そして、発砲者に狙われる可能性は少ないとしても、記事にあるような状況に出会った時には「流れ弾」被害を避ける手立てをとる事が大切だと痛感する。流れ弾被害を避ける最も効果的な方法は、近くの物陰に隠れるのではなく、その場に伏せる事と警察は強調している。
携帯電話ひったくり捜査の結果, 男女2名に17の嫌疑
12年7月25日 市警ニュース
JSSによる情報提供
7月13日金曜日、23分署の係官はひったくり捜査で男女2名を逮捕した。
状況は:
6月21日木曜から7月8日日曜日の間、レックスデール地区で、街路上でのひったくり事件が連続して発生した。
状況は:
- 男女2名が乗車した、銀色の車が歩行中の被害者に近づき、
- 女が道を訊き、被害者の携帯電話を使わせて欲しいと頼んだ。
- 女が電話を受けとると、運転していた男が車を走らせ、逃走した。
- 被害者が電話を取り返そうとすると、女は暴力をふるって電話を返さず、逃走した。
NTI(近隣TAVIS作戦:Toronto Anti-Violence Intervention Strategy)による捜査の結果、下記の犯人が特定された。
- 共にトロント在住のJermaine Gardiner 29才、 Jakeela Tynes 20才は共にひったくり3件および盗品所持の嫌疑で告訴された。
警察はさらなる被害者がいると見ている。
JSS説明
比較的被害額が少ないひったくりは、テレビや新聞ないしは警察の発表に頻繁には現れないが、実際は数多い被害が出ているものの1つだ。特に旅行者を狙う犯行は、被害が小物や金銭に止まらず、パスポートやクレジットカードなど重大な被害につながる例も少なくなく、十分な注意が必要だ。訳出した件は、これまであまり伝えられていない手口なので選んだ。
この数年、数多く報道される「注意をそらせて行うひったくり」、ないしは不注意につけこむ例は、;
- 車のパンクを指摘したり、道に現金が落ちていると言ってドライバーの注意をひき、チェックするように勧められてドライバーが車を離れたすきに、車内の貴重品を盗む、
- 路上で衣服に水やケチャップなどをかけ、親切ごかしに手伝うふりをして服から貴重品を盗む,
- レストランなどで、椅子の背もたれにかけた手提げバッグないしはその中身を、持ち主の隙を見て盗む、
など各種あるが、訳出した携帯電話を狙った事件は、犯人は巧妙な手口で盗みを働く。
訳出した例では、直接の被害額は必ずしも莫大とは思えないが、電話に記録された個人情報などの多さや多様さが、莫大な被害に結びつく可能性が気になる。更に、直接の被害額が莫大ではないことからか、警察は未通報の被害が相当数あると推定しているが、言い換えると未通報が多いということだろう。
繰り返しになるが犯人は隙あらばと狙っているので、旅行者や高齢者などに限らず、地域に不案内であるとか、珍しいものに気をとられて注意が散漫になる、リアクションしにくい条件にあるなどといった様子を見せないよう努め、犯人に目をつけられないように気を配ることで被害が防げる可能性が高い。
2012年6月の犯罪
6月の犯罪
住民への注意警報、高齢者を狙った盗難
12年6月1日 市警ニュース
JSSによる情報提供
トロント市警は、高齢者を狙った3件の盗難事件発生に伴い、住民に注意するよう呼びかけている。
5月24日月曜日、被害者の男性が、レスリー通りのドラッグストアに買い物のために入った夫人を、外に止めた車の中で待っていたところ、3人の女性が宝石を買わないかと近づいた。
―女の1人が車に入り、被害者の首に金のネックレスをつけた。男性はその時、自分の金のネックレスもつけていた。
―女は、つけたネックレスを男性の首から外す際、男性が元々つけていたネックレスも一緒に外した。
―2番目の女が車に近入り、金の腕輪をつけた男性の手首に金のブレスレットをはめた。
―女は、はめたたブレスレットを手首から外す際、男性が元々はめていたブレスレットも一緒に外した。
5月16日水曜日、被害者の女性がビクトリアパーク通りで車の中にいたところ、2人の男と1人の女が近づいた。
―男の1人が被害者に、昨年母親を亡くしたので一緒に祈ってくれないかと言って、女性の注意をそらした。
―話に気を取られている間に同行の女が、被害者の手首に金鎖を巻き付けた。被害者の女性は、その時自分の金のブレスレットを2つはめていた。
―女が、巻き付けた金鎖を被害者の腕から外す際、被害者が元々付けていた2つのブレスレットも外した。
5月16日水曜日、被害者の盲目の男性がビクトリアパーク通りを歩行中、男と女が近づいた。
―男が被害者に、昨年母親を亡くしたといい、プレゼントを上げたいと言って気をそらせた。
―女が、金のネックレスをした被害者の首に金のネックレスをつけた。
―女は、自分がつけたネックレスを男性の首から外す際、男性が元々つけていたネックレスも一緒に外した。
見知らぬ人が宝飾品を売ろうとしたり、宝飾品を勝手につけようとしたら注意しよう。
本件に関する情報を持っている人は警察(電話416−808−3316)、または匿名希望の場合はクライムストッパーズ(電話416−222−TIPS (8477)、オンラインでは www.222tips.com、 テキスト通信の場合は TOR につづけてメッセージをCRIMES (274637)に、ないしは情報を Facebookに連絡されたい。
JSS説明
いわゆるスリや置き引き被害は、多様な手口で行われる。記事のように、高齢者が狙われる事も少なくないが、旅行者が狙われる事も少なくない。
数人が組んで被害者の注意をそらすケースや、注意が行き届いていない状況を狙う(例えば椅子の背もたれに掛けられたハンドバッグなど)ケースが多い。訳出した例では、被害者は高齢者ないしは盲目の人であるが、被害者が旅行者であっても不思議はない。狙われやすいという意味で注意が必要である。
トロントは安全な街といわれているが、比較が日本であった場合は、それが必ずしも当てはまらない事を認識されたい。そして旅行者は、往々にして貴重品を身につけていると共に、事情に詳しくない事から、被害者の気をそらせて行われるスリ(水をかける、ケチャップを飛ばすなど)には十分注意する必要がある。
イートンセンターでの発砲事件における注意喚起
12年6月5日
6月2日(土)午後6時30分ごろ、トロントの中心街にある大型ショッピングモール「イートンセンター」のフードコートにて発砲事件があり、男性1名が死亡、7人が負傷した。
トロント警察によると、4日(月)すでに容疑者が逮捕されている。
トロント市では銃器使用の犯罪は年々増加傾向にあり、例えば、複数のギャング団同士の抗争事件であっても、今回の事件のように善良な一般市民が巻き込まれるおそれがある。
6月4日現在で2012年中にすでに111件の発砲事件が発生し、133人が被害(12人死亡)にあっている。
日頃の心得として、万一付近で銃声らしき音を聞いた場合は、即時にその場に伏せるか、または近くの机など丈夫な場所の影に隠れるようにすること。
また、事件現場近くに居合わせた場合、絶対に現場に近寄らず、周りに注意しながら事件現場から避難すること。
また、路上強盗等の犯罪に遭遇した場合には、身の安全を第一に考え、絶対に抵抗しないことが肝要である。
歩行者の深刻な事故,うわの空歩行で死亡事故!
12年6月8日 市警ニュース
JSSによる情報提供
6月8日金曜日午前8時38分市警に, ヤング通り・
デービスビル通りの南で起きた歩行者事故の通報があった。
事故の状況は:
- 27才の男性がヤング通りを、ブロックの中間地点で東から西へ横断していた。
- 36才の男性が運転するセダン型BMW323が道路の中央寄り車線を北上しており、(歩行していた)男性を撥ね、男性は道路の端寄りの車線に投げ出された。
- 51才の男性が運転する、道路の端寄り車線を北上中の KIA Soulが、BMWに撥ねられた男性を撥ねた。
- 27才の男性は命には別状のないが重傷で、病院に搬送された。
本日市警は、3編のパブリックサービスに関する通報(PSA)のビデオ第2弾、「危ない!上の空歩行は死を招く!」を公表した。
歩行者の安全は、トロントのすべての住民に関わることだ。歩くことで、気分良く、エクササイズ効果がある市内散策が出来る。我々は例外なく、歩行者である時がある。
ところが市内を歩く事で、時に大きな犠牲を強いられる場合がある。
毎年市内の道路で、多くの歩行者が傷を負ったり死亡したりしている。2011年には合計2,101人が跳ねられ、うち18人が命を落としている。そしてこのほぼ半数は、ドライバーではなく歩行者の落ち度が原因であった。悲しいことに、これらの事故の多くは避けることができたものなのだ。多くの放送や通信機器を通じてもたらされる情報などに曝される毎日の生活で我々は、安全な歩行のため設けられている横断歩道、交通信号、歩行者信号、ないしは道路標示などを見落とす事がままある。
市警は、歩行者の「上の空」状態が一段と進み、重傷や死を招く、歩行者による危険な行動が増加していることに危惧を持っている。市警は皆さんが、歩道や車道、特に横断歩道を渡る際に、常に周囲に注意する事を忘れないようにしていただきたい。
市警は2012年の6月中、「危ない!うわの空歩行は死を招く!」と題した、歩行者の安全に関する認識を深める運動を行っている。この運動の一貫として、市警ビデオサービス課が作成した3編のパブリックサービスに関する通報(PSA)が6月中、市警のYouTubeのページ並びにソーシャルメディアの掲示板に掲載されている。PSAのビデオでは、市警の制服警官が、歩行者が冒すいろいろな危険な行動と、それをどう変えれば良いかを解説している。
この運動の目的は:
- 歩行者が冒しやすい上の空の行動、不注意ないしは不十分な状況判断に関する意識向上
- 危険であり、時に死をもたらす危険につながる行動に関する意識向上
- 歩行者とドライバーに求められる、よりよいコミュニケーションと相互理解の勧め
- 歩行者の傷害ないしは死亡事故の減少
である。
JSS説明
自動車社会である当地では、いろいろな自動車事故が起きている。一般に自動車事故を誘発する主な原因として:
- スピード違反を含む無謀運転
- 飲酒運転
- 注意散漫(うわの空)運転
などが上げられているが、この他に警察の発表でかなり頻繁に目に触れるものとして、この記事が扱っている「歩行者」事故がある。
警察が発表する事故のニュースでは、詳細な状況が書かれる事が少ないので、原因が何であったのか判然とはしない場合が多いが、歩行者による横断歩道外の道路横断や無理な横断が原因と見られるケースがままある印象だ。
さらに、歩行しながら新聞を読むとか、最近の電子機器の発達で街路上で音楽は元よりニュースを聞いたり、電話をかけ、メールの受発信をしたりする人を見かけることは稀ではない。そしてそういった行動が事故発生の誘引になっているというのが警察の言い分であり、筆者もまったくその通りだと思う。
ドライバーの注意散漫運転は、これまでも数多く語られ、オンタリオ州でも一昨年の禁止条例発効後多くの取り締まりが行われているが、必ずしも遵守されているとは思えない状況だ。そして無謀な歩行者に出くわすことも、珍しいことではない。
鉄の塊である自動車と人間が衝突すれば、大きな被害を受けるのは人間に決まっている。歩行者保護はドライバーにとって鉄則であるが、歩行者があまりに無謀であるためにドライバーが事故を避け得ない場合も数あると思う。事故にあった歩行者は甚大な被害を受けることになるのだから、自分のために十分な注意をするべきだし、さらにそのようなケースに出会ったドライバーが受ける損失と苦悩も計りしれない事を忘れてはならない。
訳出した記事が掲出された同じ週に、ドライブウエイからバックで出る折に、路上を歩いて来た老人を跳ね、老人は'病院で死亡したと言うニュースが発表されていた。事故の責任がどちらにあるかは別として、ドライバー、歩行者双方が十分な注意をして、こういった事故を防ぎたいものだ。
ちなみに日本ではあまり言われないことだが、当地で歩行者が事故に遭わないための警察の助言として、運転者と目を合わせてから車道に出よう・・・と言うのがある。
市警パブリックサービス案内キャンペーン:正しい9-1-1通報の仕方
12年6月11日 市警ニュース
JSSによる情報提供
市警は12種のパブリックサービス案内の6番目として、9-1-1緊急通報の正しい使い方を推進するビデオを発表した。今月のキャンペーンは、飲酒運転が疑われるドライバーの9-1-1通報だ。
父親であることの喜びと、家で帰りを待っている家族を忘れないで!楽しい父の日を!
飲酒運転はカナダにおける, 犯罪による死亡の第一原因だが、飲酒による交通事故のすべてはは防ぐことが出来るものだ。
飲酒運転が疑われるドライバーを9-1-1通報して警察に知らせれば、誰もが安全な交通の実現、飲酒運転による事故、そして交通事故による死亡や負傷を防ぐことができるのだ。このメッセージはカナダMADD並びに州警察署長連合が発しているものだ。
2011年には警察に、飲酒運転を通報する9-1-1呼び出しが5,200件寄せられ、4,200人が、血中アルコール濃度80mg超を含む飲酒運転の犯罪として違反運転を告発された。
広報サービス課の指令であるElizabeth Byrnesは、「9-1-1で緊急事態を警察に通報するのは有効なやり方だ。飲酒運転をする人は、公衆の安全を脅かす非常な危険を犯しており、これは緊急事態だ。危険な事態を放置せずに9-1-1通報することで、状況をオペレーターに知らせよう。誰でも交通安全の推進に貢献することが出来、飲酒運転に伴う事故発生、そして死亡や負傷を防ぐことができるのだ。」 と語っている。
もし飲酒運転が疑わしい人がいたらどうするか?
- 9-1-1電話をかける。
- オペレーターに、通報の理由と以下のような問いに答える。聞かれる事は:
- 車の特徴
- 登録番号
- 車の色
- 年式並びに型式
- 車の進行方向
- ドライバーの人体
- 飲酒が疑われる理由
- 今疑われる車を追跡中かどうか
さらにオペレーターは、もし通報者が飲酒運転者を追跡中だったら、中止するように伝える。
市警は、どのような場合であっても一般の人が、車ないし人物を追跡することは推奨していない。
JSS説明
記事にもあるように飲酒は、スピード違反を含む無謀運転、注意散漫運転と並んで3大事故発生原因の一つに数えられている。記事に紹介されているMADD (Mothers Against Drunk Driving)カナダは、飲酒運転撲滅や被害者保護のために、強力かつ幅広く活動している団体である。
日本の飲酒運転に関する法令は当地のそれに較べて、飲酒量(血中アルコール濃度)に関して厳しい定めがあるが、当地の飲酒運転の危険度認識は極め厳しいものだ。検問などで飲酒が発見された場合、即時免停ないしは車両の一時押収、さらに検束なども定められている。また、記事にもあるように、飲酒運転が検問や警官の巡邏などだけでは発見しにくい事から、疑わしい状況を一般の人が通報出来るようにして安全を守ろうとする動きが、各地域の警察で行われている。そして市警に止まらず多くの警察が推奨している9-1-1通報が、安全確保のために多くの成果を上げたと言う報告が発表されている。
自分の周囲で、飲酒運転を認知した場合、9-1-1通報することで事故を未然防ぎ、安全を守ることは、地域に生活するものの責務とも言えそうだ。
本年23番目の殺人事件
12年6月18日 市警ニュース
JSSによる情報提供
6月18日月曜日、午後3時32分、警察にカレッジ通り・モンテローズ地区で銃声を聞いたと言う通報があった。
出動した警察は、カレッジ通りにある、シシリアンアイスクリームショップのパティオで、銃による負傷が明らかな男性を発見した。この男性は現場で死亡が確認された。
第2の男性は、現場で受けた、命に別状のない負傷の治療を病院で受けた。
(死亡した)被害者はトロント在住の35才の男性である。氏名は現時点では公表されていない。
死亡検視が別途予定されている。
犯人は白人男性で、身長6フィート、肩まで届く金髪で中肉。白いヘルメットを被り、前後に蛍光緑色のXが書かれたオレンジ色の安全ベストを着用、白い埃よけマスクをかけていた。犯人は北に向かって逃走した。
警察は被害者は狙われたと考えている。
近隣の住人は、敷地内に犯人が逃走の際に捨てたものが何か落ちていないか調べていただきたい。何かを見つけたら、手を触れずに、すぐに警察に連絡をとられたい。
更に、発砲時に、店内ないしは近くにいた多くの人々が、現場から逃走した。警察はそれらの人々から、事件に関わる情報を聴取したいと考えている。なお、現場に残された個人所有物の返却については、 Terry Browne 刑事(電話416−808−7403)に連絡を取られたい。
事件に関する情報を持っている人はTerry Browne 刑事(電話416−808−7403)に連絡、ないし匿名希望者はクライムストッパーズ(電話 416−222−TIPS (8477)、オンラインの場合は www.222tips.com、テキスト通信は TOR につづけたメッセージを CRIMES (274637)、または情報を Facebookに書き込まれたい。
JSS説明
訳出した発砲殺人事件以外に6月23日までに複数の発砲殺人事件、ないしは死亡者はいない発砲事件が市内、ないしは周辺地区で数多く発生している。これらの事件発生状況は、無差別ではない、被害者を狙ったケース、喧嘩などに伴う偶発的と思われるものなど一様ではないが、人通りのある街路近くで起きたケースが少なくない。
トロント警察が発表している発砲事件の速報統計では、これまでも何回か報告したが今年は発生数が急増している。7月22日早朝までの状況で、本年は発生数が123件となっており、96件だった昨年に較べて約30%増加だ。前年比較状況は1ヶ月前に較べると鈍化しているが、年初来の単純平均約0.7件/日に較べると、市内だけで4件発生した今週は多発していると言わざるを得ない。
これまでの警察の発表では事件の多くは被害者を狙った、ギャングがらみの事件と言うが、今週の発生は深夜に起きた1件を除いて他は日中に起きており、流れ弾被害がなかった事は幸いと言わざるを得ない。
これまでも度々書いたが、発砲事件が稀にしか起きない日本に較べると、安全と言われるトロントでは、比較にならないほど頻繁に起きている。万一事件に出くわした場合、流れ弾被害を避けるためには、現場から走って隠れる場所を探すのではなく、その場で伏せるのが最も有効だという。
児童放置に関する警察の対応
12年6月28日 ダーラム警察ニュース
JSSによる情報提供
ダーラム郡警察は、この数週間で5件の児童の放置ケースに対応しており、保護者に注意を呼びかけるとともに、場合によって告訴もありうるとしている。
本年5月オシャワで警察に、女性が幼児2人を家に残して外出しているとの、近隣からの通報があった。警官が出動し、家は施錠されてたが、施錠されていない窓から家に入った警官が、放置された3才以下の幼児2人を発見した。警官は、家の中で見つけた携帯電話番号を使って母親と連絡を取り、すぐに帰宅するよう指示した。家に戻った母親は、子供を寝かしつけた上で近くのバーに行ったと説明した。幼児2人は、児童保護機関の職員が保護した。
6月初旬ウイットビーで警察は、女性からの、別居している夫が就寝中の1才になる幼児を残して外出していると言う苦情を受けた。係官が出動し、夫と連絡をとったところ、1才の幼児が放置されていたことが判明した。幼児は母親のもとに戻された。
6月中旬オシャワで警察が、警報装置による呼び出しを受けて出動した。住居内を探したところ、放置され、恐怖にかられた4才の子供がドアを開けようとしたため警報装置が作動した事が判明した。この幼児は、これは毎日就寝時間後に起きている状況であると警官に伝えた。両親は警官が出動していた間に帰宅し、子供を残して買い物に出たと話した。事態は児童保護機関に連絡され、職員が状況調査をする。
先週ピッカリングの警官が、2才の幼児が住宅街の路上を歩き回っていると言う通報を受けた。出動した警官は幼児を保護した。その上で近隣で聞き込みを行い、幼児が迷い出た事に気付かなかった(幼児の)家族数人を発見した。幼児が発見された場所は車の行き来が多い道路の近くだったが、幼児は無事であった。
危険な状況に置かれた子供が発見された最も最近の事例は、昨晩ウイットビーで、3才の見知らぬなる幼児が近隣を彷徨しているのを見かけた人からの通報であった。係官が近隣を聞き込みの結果、母親を発見した。この3才の幼児は家からかなり離れたところを彷徨しており、保護者は幼児が居ないことに気づいていなかった。
これらのケースでは、何れの幼児にも傷害などは無かったが、児童保護期間の職員がすぐに、更なる調査の要請を受けた。
児童保護機関の職員ないしは警官は、子供の安全および健全に責任を持っている保護者の怠慢があった場合、必要に応じて告訴する事がある。警察はすべての保護者に、とりわけこの夏の期間、常に安全と健全が確保されるように子供の所在に気を配るよう、警告している。
カナダの刑法218条では、10才以下の子供を、不法に放置ないしは危険な状況に置くと、刑法犯罪として、5年以下の懲役判決を受ける事になる。
JSS説明
日本でも、幼児の放置ないしは虐待に関わるニュースを見聞することが珍しくないが、児童相談所が一時的にせよ子供を保護するには親権者の承諾が必要で、その手続きに時間をかけている間に事態が重大な事に発展してしまった事例を耳にすることが多い。
カナダの場合、州などによって扱いは異なるようだが、児童保護期間が強い権限を持って保護活動をするのが原則になっているようだ。
子供だけの留守番の可否については、法律上は記事にある10才が基準となっているようだ。しかしオンタリオ州の規則や児童保護団体の情報を総合すると、考え方としては基準になっている年令が、必ずしも厳格に黒白を分けるのではなく、家人ががいない場合の出来事に対応する能力が子供にあるかどうか(しつけられているかどうか)が、判断のポイントになっているようだ。
法律の組み立てが成文法である日本と較べると、基準の設け方が曖昧に見えるために戸惑いを禁じ得ないが:
- 家人不在中の電話の受け方(家人不在を告げづに、今は出られないと応対する)、
- 見知らぬ訪問者があった場合受け入れない(応対しない)、
- 緊急事態の9-1-1通報ができる、
- 異常事態への対応方法を知っている、
などを含む「留守番ががきちんと出来るかどうか」が可否の判断基準となるとされている。
2才や3才の子供が就寝したと言って、留守にすることはそれがほんの瞬時であるなら許されるかもしれないが記事にあるケースで児童保護機関が保護することになったということは、警察ないしは保護機関が保護者の外出を受け入れなかった事を証明している。
なお、記事から読み取れるもう一つのポイントは、近隣は子供の安全は本より多くの状況に、言葉は悪いが厳しい「監視」の目を持っていることだ。
2012年5月の犯罪
2012年4月の犯罪
4月の犯罪
シートベルト着用キャンペーン : ベルトは忘れずに
12年4月12日 市警ニュース
JSSによる情報提供
州警察は、ドライバーや同乗者に繰り返し注意をうながしている。
州警察は4月14日から22日までの間、春のシートベルト着用推進運動を展開する。
この一週間のキャンペーンでは、シートベルト不着用、特に子供用の安全シートに焦点を当てる。子供用ブースターシートが正しく使用されれば、衝突時の子供たちの負傷被害などを75%まで減らす事ができる。ところが州警察の警官によれば、子供用シートが正しく使用されていない、ないしはブースターシートが正しく装着されていないために危険な状態に置かれている子供を未だに度々見かけると言う。
Chris Lewis 州警察長官は、「子供たちは我々の未来であり、子供たちを守るために、可能なあらゆる危険防止処置が講じられるべきだ。車で移動している子供たちの安全が、可能な限り確保されるようにしよう。子供たちの生命がそれにかかっているのだから。」と語っている。
州内の路上で起きる死亡や傷害事故の多くは、車内の誰もが、安全ベルトなどを正しく使用していれば防げる。本年当初の3ヶ月に起きた事故で、シートベルトを着用していなかったために9人が死亡しており、さらに数多くが重傷を負っている。
安全ベルトを使用せずに車に乗っている人は$240の罰金と、2点減点が課せられる。そして安全ベルトの使用で、起きてはならない死亡や負傷事故が避けられるのだ。
豆知識
- シートベルト不着用は$240の罰金と2点減点が課せられる。
- 2011年中、州警察管轄区域で命を落とした285人のうち71人は、シートベルト不着用が原因だった。
- 2011年に州警察は、シートベルト不適正使用で2010年の3,847人に較べて、29,471人を摘発した。
JSS説明
子供用を含むシートベルトの着用については、国や地域によって様々に異るルールが定められている。カナダの場合、日本とも、隣国の米国とも多くの点で異なっている。カナダの詳細については翻訳による誤解や解釈の齟齬を避けるために基本事項の提示に止め、敢えて全体を説明しないが、詳細が必要な人は警察や運輸省(オンタリオの場合MTO)のサイトを参照していただきたい。
基本的なルール概要としては;
- 16才以下の子供は、ドライバーが責任を持って、安全ベルトないしはカーシート、ブースターシートなどで万一の場合の安全を確保しなくてはならない。
- 体重9kg以下の幼児は後ろ向きのカーシートの使用がルールである。
- 1才近辺以上で体重9~18kg、一人で立つことができる幼児は、車のフレームにストラップで固定された進行方向向きのチャイルドシートが使用出来る。
- 成人用の安全ベルトが使用できる大きさに育った子供の場合、ブースターシートの使用が可能だ。8才以下で体重18から36kg、身長145cm以上の場合ブースターシートが使用出来る。
- シートベルトの使用のみが要求されるのは、8才以上・ 体重36kg以上・
身長145cm以上
の何れかが満たされる場合である。
などが定められている。法規に違反する事を避けるためだけではなく、安全確保のためにルールの遵守を励行したい。
安全警報;病院のATMにカード情報の不正読取機(スキマー)
12年4月17日 市警ニュース
JSSによる情報提供
4月17日火曜日、市警財務犯罪課が記者会見を行い、病院のATMにスキマーが取り付けられている事があると注意を呼びかけた。
この6ヶ月間で、以下の病院のATMに取り付けられたスキマーが押収されている。
1)スカボロー・ジェネラル病院(The Scarborough General Hospital)
2)ノースヨーク・ジェネラル病院(North York General Hospital)
3)オークビル・トラファルガー記念病院(Oakville−Trafalgar Memorial Hospital)
4)レークリッジ・ヘルス・ボーマンビル(Lakeridge Health Bowmanville)
5)サウスレーク・ヘルス・センター(Southlake Health Centre (Newmarket))
6)トロント・イースト・ジェネラル病院(Toronto East General Hospital)
7)トロント・ウエスタン病院(Toronto Western Hospital)
8)ホスピタル・フォー・シック・チルドレン(Hospital for Sick Children)
これらの不正読取機は、付加カードリーダーとピンホールカメラの組み合わせで出来ている。この機器によってカード所有者の個人認識番号(PIN)とカード上に記録されている個人情報が、クレジットカードないし銀行カードを偽造するために読み取られ、記録される。
このスキマーは、正規ATMの機器に付け加えて装着されている。
どのATMであれ、そしてそれがどこに設置されているかに関わらず、PINを打ち込むときには、必ずキーボードを手で覆うようにされたい。
事件に関する情報がある人は警察(電話416-808-7300)、または匿名でクライムストッパーズ(電話416−222−TIPS (8477)、ウエッブサイト経由の場合はwww.222tips.com、テキスト通信の場合TOR に続けてメッセージをCRIMES (274637)に、ないしはFacebookにメッセージを記入)に連絡をとられたい。
JSS説明
街に数多く設置されているATMを利用することは、我々にとって極めて日常の事である。さらに、スーパーマーケットなどでのクレジットカードやキャッシュカードによる支払いは、日常の行動である。スキミングの危険はいろいろな場面で数多く伝えられているが、注意を怠ることも少なくない。そこが、犯罪者のねらい目であり、本記事では多くの人が時に多額の預金引出しや支払いを行う病院に狙いを定めたケースのようだ。
いわゆる電子マネーの利用は、現代の我々にとって選択余地なしの必然であり、利用を避けることは容易ではない。である以上、危険を避ける事を忘れてはならない。
被害を避ける方法は決して複雑であったり、難しいことではなく、記事にあるように、PIN:パスワードを打ち込むときに打ち込んだ内容が肩越しに読み取られたり、ビデオ撮影されないように、キーボードを手で覆って打ち込むことだ。自分の大切な財産を盗まれないために、ぜひ実行しよう。
14分署は違法薬物取り締まりで、22人を逮捕し, Redcup プロジェクトを終了した。
12年4月28日 市警ニュース
JSSによる情報提供
3月31日土曜日、14分署主要犯罪課のメンバーは3週間に渡る、街路上の違法薬物売買取り締まりを開始した。警官は分署内の他課からも私服警官や制服警官の援助を受けた。また、他分署からのおとり警察官がプロジェクトに参加した。
当プロジェクトは、麻薬売買に関する下記地域の住民からの要請に応じて開始された:
- クイーン西通りとロンセスバジェス通り
- ブロア西通りとオシントン通り
- カレッジ通りとスパダイナ通り
- ダンダス西通りとスパダイナ通り
- キング西通りとストラカン通り
- キング西通りとダファリン通り
- クイーン西通りとジェイムソン通り
- クイーン西通りとバサースト通り
これらの地域は、住民からの苦情、クライムストッパーズからの情報、犯罪発生の報告、逮捕記録、以前の違法薬物取り締まり、および14分署犯罪分析者により提供された統計の分析等によって特定された。これらの地域の多くでは、違法薬物売買や使用は、盗み、暴行、強盗、その他の財物犯罪発生と直接的な関連がある。
プロジェクトの状況は:
-おとり捜査官が13件の違法薬物購入機会を得た。
-この取り締まりにともない、22人が逮捕された。
-合計59件を告発した。
-これら逮捕者がこれまで有罪となった件数は合計514件であった。
-逮捕者のうち10人は当時、保護観察期間中であった。
-逮捕者は、平均23件の有罪の記録があった。
-逮捕者のうち11人は別件で裁判中であった。
当取り締まりは終了したが、これはこの地域の住民や仕事場を持つ人々、また合法の事業を行う人々の生活の質向上のための注力終了を意味するものではない。
(市警は)当プロジェクトの効果維持の一環として、これらの地域で今後も更なるパトロールを続ける。
また保釈された逮捕者が、保釈条件を遵守するよう監視する。これは14分署保釈順遵守課のメンバーにより実施される。係官は、疑わしい違法薬物売買や、その他の犯罪情報を入手したら、提供してほしい。また、緊急時には通常通り911へ連絡されたい。
JSS説明
日本では、合法(脱法)ハーブと呼ばれる、一種の薬物の法規制が及ばない使用が麻薬使用と共に社会の懸念となっているが、当地の警察は麻薬などの使用と共に密売、さらにマリワナの密栽培や薬物の密造を大きな問題として捉えている。
麻薬の違法使用は警察の動向からすると、主として特定の歓楽街に多く見られるようで、警察の取り締まりは使用と密売の双方について、記事にある地域で繰り返し行われる。当地でも麻薬使用はマリワナを含めて規制されているが、筆者が時に耳にする実状では、特にマリワナについては、医療目的が認められている場合に限ると言う法規制に関わらず、かなり広範囲に利用されていると言う。警察の立場は、無許可の使用はあくまで違法であり、厳しく取り締まるが、それにかかわらず密売や違法利用が後を絶たないのが実状だ。
そして、そういった風潮に流された日本人が、安易かつ興味本位に使用したが故に悪習に染まったり、摘発を受けたりするケースも少なくないようだ。特に何らかの理由で一時滞在している若者がそういった誘いにのり、それが習慣になって当地ないしは日本で摘発される例などもある。
日本における厳重な規制を意識することはもとより、当地の規制についても風説とも言うべき奨めには耳を貸さない事をお勧めしたい。
5月の犯罪
警察は発砲事件捜査への協力を市民に呼びかけている。
12年5月3日 市警ニュース
JSSによる情報提供
―3月20日火曜日午後6時警察は、ペルハム・パーク・ガーデン付近で銃声がしたとの通報に応じて出動した。
―警察は、下半身に2発の銃弾を受け、負傷した男性を発見した。
被害者は、致命的ではないが重傷を負っており、病院へ運ばれた。
本件に関する情報を持っている人は警察(電話 416−808−1100)、または匿名希望の場合はクライムストッパーズ(電話416−222−TIPS (8477)、オンラインではwww.222tips.com、 テキスト通信の場合は TOR につづけてメッセージをCRIMES (274637)に、ないしは情報を Facebookに)連絡されたい。
JSS説明
訳出した事件では、幸い被害者は死亡しなかったが、事件の翌日、4日金曜日午後7時頃に、市内アレン通りとラネー通り付近で発砲事件があり、被害者は病院に運ばれたが死亡したとテレビなどで報道されている。この事件に関して警察は未発表である。午後7時といえば、夏時間の今ではまだ周囲が明るい時間であり、報道によると事件発生時に付近には人通りもあったと言う。
市警のウエッブサイトに掲載されている発砲事件や殺人事件発生状況の統計速報(http://www.torontopolice.on.ca/statistics/)によると、今年年初以来の発砲事件発生はこの数年に較べて極端に多い。
統計によれば、市警が、5月4日午前7時の速報更新までに認識した、市警管内での発砲事件発生は、本年これまで86件あり、これは昨年の56件に較べ52.6%、30件の増加である。発砲による死亡者数は昨年に較べて減少(11名→7名)しているが、負傷者数は増加(27名→35名)している。
トロントは、北米では非常に安全な都市の一つに数えられているが、発砲事件は、日本とは較べようもないほど多発する。事件発生場所にある程度の傾向は見られるが、市警が前出ウエッブサイトに掲載している事件発生場所の地図では、市内全域で起きており、どこなら安全といった事は言えない印象だ。
警察の発表では、交通検問で不審があったために車内を調べた結果銃が発見されるとか、歓楽街での争いで、車に戻った犯人が銃を持ち出し発砲などの例は少なくない。カナダは銃の登録が義務化されており、さらに保管についても厳重なルールがあるが、不法流通している銃が少なくないとも言われる。現実には街のどこにでも銃が存在しており、発砲がどこで起きても不思議はないと考えるべきなのだ。4月24日には、市内の中学校で、12才の少年のバックパックに弾が充填された拳銃が発見されたとの報道もあった。
なお、万一発砲事件に遭遇した場合どう対応するかについて警察は、身を隠す物陰などが至近にある場合以外は、走るなどせずにその場に伏せる事を推奨している。
衝突事故削減作戦
12年5月11日 市警ニュース
JSSによる情報提供
昨年、北スカーボローの5つの交差点で起きた衝突事故は450件以上もあり、市警42分署の係官は事故削減に取り組んでいる。
5月9日水曜日市警は、衝突事故発生が最多であった5つの交差点で、道路交通法の遵守推進のための取り締まりを行った。取り締まりの狙いは、注意散漫運転である。4時間弱の間に、運転中の携帯電話使用の違法運転を27件検挙した。
2011年42分署管内で、衝突事故が最も多かった5つの交差点と事故件数は以下である。
1.ケネディー通りとシェパード東通り―103件
2.ケネディー通りとスティールス東通り―94件
3.マッコーワン通りとシェパード東通り-90件
4.マーカム通りとシェパード東通り―88件
5.モーニングサイド通りとシェパード東通り―86件
市警は、市内の道路における、安全で秩序正しい運転マナーの徹底に集中的に取り組んでいる。そして42分署の係官は、引き続き市民のための安全な道路交通に取り組む。
JSS説明
5月14日~21日までの一週間は、全国交通安全週間である。全国の各警察は「カナダの交通を世界一安全にしよう」と言う目標を共有して、それぞれ交通安全の推進に取り組む。
州警察のウエッブサイトによると、この安全運動は以下の4点に、特に注意を払う。
- 酒酔いないしは薬物の影響下での運転
- 安全ベルトなど安全保護機器の使用
- 無謀運転(制限速度超過やレース運転など)
- 注意散漫運転
その手始めと言うことでもないだろうが、市警は訳出した取り締まり実施を発表している。記事に関して着目するべき点は、昨年度の最悪5交差点における事故発生件数と、発効後1年半以上を経た、運転中の携帯電話使用禁止など注意散漫運転による検挙が少なくない事である。
自動車社会であり、道路の状態などの関係もあってか高速な交通が常識の当地では、事故による被害はいきおい重大なものとなるケースが考えられる。
カナダ運輸省が発表している統計では、2009年の実績で、自動車事故による死者(事故発生後30日以内の死亡)は2,209人(病院が治療を行った事を基準にした重傷者数推定は11,451人)となっており、年々被害は減少しているとはいえ、単純な人口比率で見る限り日本よりも多い。
加害者にならないための法規の遵守は勿論の事、周囲の状況に十分注意を払って被害を受けない注意も忘れてはならない。
盗難被害にあった時、警察に届けましたか?届出の方法を知っていますか?盗難の被害に遭わないためのヒント。
12年5月19日 市警ニュース
JSSによる情報提供
最近、ノースヨーク地区中央部で繰り返し車上荒らしを働いていた犯人が逮捕され、車や住宅、オフィスなどから物が盗まれた際の被害届け提出の重要性が浮き彫りになった。
捜査を通じて、犯人から10個のGPS機器が押収された。これらは盗品であると考えらるが、盗難被害が出ていたものは含まれていない。
盗難にあった場合、すぐに被害届を提出する事は、警察が盗品を所持している犯罪人を検束、告発し、盗品を持ち主に返却する助けになる事を忘れないようにしてほしい。
盗難被害報告は、以下の要領で出来る。:
警察の非緊急電話番号416−808−2222へ連絡する。 電話に対応した係員が、基本的な情報をその場で聞き取り、後刻担当係官が、電話で詳細を聞き取る。オンラインで連絡する場合は、www.torontopolice.on.caを開いて、画面右上のドロップダウンボックスから金色の“I am looking for(私が探しているのは)” をクリックし、 “Online Crime Reporting.(オンライン犯罪通報)” を選ぶ。(通報には制限事項があるので、レポート作成前に手順をよく読むこと)。
盗難に遭わないために以下を注意すること:
短時間であっても、電子機器や高価なものを車内に置いたまま車を離れないことで、盗難を防ぐことができる。車内に物を置いて車を離れざるを得ない場合には、車のトランクなど外から見えない場所に物をしまう。車のドアは必ずロックし、盗み易い機会を伺っている犯人に、機会を与えないようにする。
所持品を特定できるようにする:
電子機器などを購入した際、メーカー、モデル、シリアルナンバー、値段などを控えておくことを勧める。写真をとっておくのもいい方法だ。品物の詳細な記録を残しておくことで、盗難被害をより正確、詳細に報告することが可能になり、警察の盗品返却作業に役立つ。
JSS説明
盗みの被害にあった場合、被害の届け出は、当たり前と思われるが、被害が携帯電話やスマートフォーン、GPS程度であった場合、案外届けていないのが実情のように思われる。自分に手落ちがあったし、恥ずかしい、被害はさほど深刻ではない、通報することで面倒な事に巻き込まれるかも知れない、どうせ出てこないし、英語で通報は億劫だ…などなど多様な理由はつくが、通報しないことで犯罪捜査が遅れ、犯人が放置される事でさらに被害が増えるとか、記事にあるように盗品と思しきものが発見されても、特定が出来ず、したがって犯行が証明されないなど、多くの不都合を引き起こすことが考えられる。
大げさな言い方だが、社会の一員として直接、関節に、犯罪撲滅に力を貸すことは、コミュニティーのメンバーとして当然の責務だ。多少の面倒を伴う事があっても、その種の責任を自覚氏、行動することは重要である。
全国交通安全週間キャンペーンの結果
12年5月25日 市警ニュース
JSSによる情報提供
市警は、5月14日月曜日から21日月曜日までの1週間、全国の警察と共に「カナダ道路交通安全週間」運動を実施した。カナダ道路交通安全週間は、全国を対象とする道路交通安全強化運動で、カナダ警察署長協会と、全国の警察署、連邦運輸省とが協力して進めた。この全国の警察を糾合した共同プロジェクトは、カナダの道路を世界で一番安全なものにすることを目指している。
この運動週間を通じて各警察は、交通事故やそれに伴う負傷の4大要因に、特に注意を払うよう要請された。
4大要因は以下の通りである。
- 酒酔い運転(薬物使用による酔い含む)
- 無謀運転(スピード違反、カーレース、その他の危険な運転行為)
- 同乗者の安全装置不着用(子どもの安全シートなど)
- 注意散漫運転
当運動週間中、トロント市警の係官は以下の違反を摘発した。
飲酒関連の違反:
―酒酔い運転・血中アルコール80ml以上・飲酒テストの拒否:42件
―警告レベルの3日間免停:36件
無謀運転に関する違反:
―危険な運転、カーレース(道路交通法第172条違反):32件
不注意運転:136件
危険な運転操作:2,854件
スピード違反:5,973件
同乗者の安全装置に関する違反:
大人のシートベルト不着用:242件
子どもの安全シート不着装:52件
注意散漫運転:
運転中の手持ち通信機器使用:669件
運転中の手持ち娯楽機器使用:5件
運転者の視界内にスクリーン設置:55件
キャンペーンを通じて合計14,656件の違反と1,123件の駐車関連の違反が係官により摘発された。
JSS説明
市警の管轄地域の人口約270万人を考えた場合、記事にある総数14,656件の検挙数が多いか少ないかは単純には言えないが、多くの違反が摘発された事に違いはない。
別に報道された記事では、州警察が同時期に摘発した違反数は同種の違反全体で12,229件になったとある。さらに州警察は、引き続いたVictoria Dayのロングウィークエンド3日間で同様の違反を約8,000件も摘発したとの報道もあった。
検挙された数は、違反の総数ではない。警察の検問などで摘発される違反が、違反総数に対してのどの程度のものか筆者には分かりかねるが、違反運転全体では莫大な数に上ることは間違いなさそうだ。
3月の犯罪
男女2人づつ4人に詐欺の嫌疑、犯人の写真公開
12年3月8日 市警ニュース
JSSによる情報提供
3月8日(木)、警察は詐欺捜査の結果4人を逮捕した。
報告によると:
2011年11月から12年2月にかけ犯人達はGTAで高齢者を狙い、商店で支払いを待っている被害者の背後に立ち、肩越しにPINの入力を盗み見し、被害者が店を出ると、別の犯人が被害者の注意を逸らせて、スリを働く。その上で犯人達は、被害者から盗んだ銀行カードやクレジットカードを使って詐欺を働いた。
トロント在住のEva Caldaras 27才、 Mariea Nicolaie 29才、 Guta Stancu 29才及び Samuiel Caldaras 26才の4名は543件の、詐欺に関わる嫌疑で告訴され警察は、他にも被害者がいると見ている。
本件に関して情報を持っている人は警察(電話416−808−2200)、または匿名でクライムストッパーズ (電話416−222−TIPS (8477)、WEBサイト経由ならwww.222tips.com、テキスト通信の場合はTOR につづけてメッセージをCRIMES (274637)に、または情報を Facebookに残されたい。
JSS説明
数え切れないほど多くの手口があるのが詐欺だ。そしてこの数十年手口の多様化とともに被害件数、金額共に増大しているのが、いわゆるプラスティックマネーの普及に伴う「個人認識情報」の盗み出しによる詐欺である。
個人認識情報盗みだしには、スキミング(ATMに特殊な機器を取り付け、カード使用時にカードに記録されている情報を盗みだし,カードを偽造する。さらに盗撮用に設置したビデオカメラなどでパスワードの打ち込みを撮影し、内容を盗み取る。)やフィッシング(なんらかの方法で被害者のメールアドレスや電話番号を入手し、メールや電話を使って、ないしは被害者のコンピューターに埋め込んだプログラムで、被害者の個人情報を盗みだし、それを使って被害者の銀行口座などから現金を盗み取る)など高度な技術を用いて行われるものもあるが、記事にあるような手軽な方法で行われるものも少なくない。そして記事にある嫌疑数から推して相当数の被害者がいる模様だ。
当地の生活においでプラスチックマネーの使用は必要不可欠であり、如何にして被害に逢わないようにするかを知り,それを実行するかがポイントである。
記事にある手口の場合,肩越しののぞき見を避けることで被害を避けることができるので、パスワード打ち込み時に覗き見を避けるないしはビデオ撮影されないための配慮として、キーパッドを片手で被って打ち込むことを忘れないようにしよう。
Scareware (脅かしソフト)詐欺に注意
12年3月16日RCMPニュース
JSSによる情報提供
The Canadian Anti Fraud Centre (連邦詐欺予防センター)に、コンピューターがフリーズさせられた、またはポップアップメッセージが児童ポルノとの関連を指摘し、ロックアウトされたとの通報が寄せられている。このRCMPないしはCSISからと称する警告メッセージでは、受信者が$100を支払えばロックが解除されるとしている。
脅かしソフトと呼ばれるこの種のメッセージは、ショックと不安を起こさせる事で、被害者に急いで送金をさせるものである。もちろんこの種のメッセージはRCMPが発信したものではなく、詐欺である。
もしもあなたのコンピューターがロックアウトされた場合、コンピューターは不正なソフトウエアに感染した恐れがあり、対応する必要がある。
被害に遭う可能性を少なくするための方法は以下のとおりである。
・「ウイルスに感染している」と言うポップアップメッセージをクリックしないこと。
・ウイルス防止ソフトを頻繁に更新し、ウイルススキャンを定期的に行うこと。
・知らない人から送られたメールのリンクや添付をクリックしないこと。
・ブラウザーのポップアップブロック機能をONにすること。
・ポップアップやEメールのリンクで送られたウイルス防止ソフトウエアはダウンロードしないこと。
JSS説明
3月は詐欺防止月であるため、各警察は詐欺の手口に関する情報を数多く発表している。ここれまで本稿で扱った物以外にも数多くあるので、RCMPやOPP、ないしは各警察の詐欺担当部署のウエッブサイトを参考にされたい。
今回のようにコンピューターを通じて被害者を慌てさせる手口を含め、多くはほぼありえないうますぎる話を言葉たくみに信じさせ、または危険などを予告して恐怖感を与え、じっくり考える余裕を与えずに、金銭の取引に追跡が難しいものを要求する。といった共通点を持っている。
接触を避ける事が被害を受けない最良の策だが、何らかの形での接触があり、上記のように疑わしいと感じた場合、話を一旦打ち切り、先方が示す問い合わせ先ではなく公的な機関、や警察などに問い合わせることで被害は防ぐ事が出来ると言われている。
市警は性的暴行捜査に市民の協力を呼びかけており、防犯カメラ画像が公開された
12年3月22日 市警察ニュース
JSSによる情報提供
市警は性的暴行の捜査に関して市民の協力を呼びかけている。
報告によると:
2012年2月1日(水)、午後7時40分頃、若い女性がドンミルズ通り3030番地のピーナッツプラザの駐車場を歩いていたところ、男が話しかけてきた。男は女性の国の言葉を教えてほしいと依頼し、女性を自宅まで送ることになった。そして男は車の中で女性に性的暴行を加えた。
容疑者の体系は、腹の突き出た白人で、年齢60才から70才、身長約170cm、体重約82kg。髭はそられていて、小さなクモのロゴが背中の中心にある黒のスキージャケットを着用。靴底が白い黒のランニングシューズをはいていた。また、男は暗い色のジープ型車両を運転していた。
事件に関する情報を持っている人は警察(電話416-808-3305)、または匿名でクライムストッパーズ(電話416−222−TIPS (8477)、ウエッブサイト経由の場合はwww.222tips.com、テキスト通信の場合TOR に続けてメッセージをCRIMES (274637)に、ないしはFacebookにメッセージを記入)に連絡をとられたい。
(訳者注;犯人の防犯カメラ画像は市警のサイトに掲載されている)
JSS説明
今週市警は、性的暴行事件を4件掲載している。その他の3件は以下のとおり。
・3月20日、Jane通り/Troutbrook通り付近で、TTCのバスに乗り合わせたた11才の女の子に執拗につきまとい、性的な暴行を働いた70才の男性が、助けに入った乗客と騒ぎになり、バスの後部に添乗していたパトロール警官に逮捕された。
・3月19日、22才の女性が、Suiki Health Beauty Acupunch Centreで、施療に当たった指圧師に性的暴行をうけた。
・3月18日午前1時30分ごろに、Spadina通りにあるレストランの洗面所で20才の女性が、後をを追って入った男によって殴打され、性的な暴行をうけ、店にいた人に助けられて警察に通報した。
日本でも電車内で発生する痴漢被害などが時折報道されるが、当地の発生状況は多様であり、今週もGTA内の地域警察からは、身体障害のある19才の男性に対する事件も報じられている。今回の記事からも明らかなように、被害者の油断があるなしに関わらず、どんな状況下でもこの種の事件は発生するし、発生に必ずしも季節性があるとも思われず、常に注意が必要だ。
特に今回記事の状況は、当地に短期滞在する日本人の若者を狙って行われる可能性もあるので、十分な警戒が必要である。
2012年3月の犯罪
2012年2月の犯罪
1月の犯罪
注意散漫運転, ”運転中の携帯電話等の使用禁止。”
2012年1月5日 市警ニュース
JSSによる情報提供
運転中に携帯電話などの携帯通信機器や娯楽機器の使用は大変危険である。
この様な運転中の行動は、2009年10月に施行された法律で、安全運転に関わる注意散漫行為として違法化された。
法が定めるのは、携帯無線機器や携帯電子娯楽機器の使用である。
ドライバーが運転中に使用できるのは以下のような、手に持たずに使える無線機器だけになっている。
- 音声ダイヤル機能があり、ワイアレスイヤーピースないしはヘッドセット、または車載の音声システムに接続が可能な携帯電話
- ダッシュボード等車内で操作が可能な固定されたGPSナビゲーション
- 車載の音声システムに接続された携帯オーディオプレーヤー
ただし、緊急の救援を求める911の電話は法律の対象外となっている。
この様な運転中に携帯電話、その他の携帯通信機器や娯楽機器を使って話したり、SMSを送る、キーボード操作や番号をダイアルする、Eメールをするといった行為は、市内の路上で未だに行われており、市警はこのような、運転中の危険な行動に関して自動車利用者の教育を進めると共に、取り締まりを強化する。
JSS説明
2009年10月に施行され、警告期間を経て2010年2月から罰金を伴う取り締まりが始まった”Distractive Driving” は、州の広報によると2010年の2月から同年末の間に約46,000人の違反が摘発されたとのこと。またトロント市警は2011年の2月以降、一日約40人の違反を摘発しているそうである。
多くの違反が摘発されているが、それにも関わらず頻繁に電話を利用しながら運転している人を見かける。また、注意散漫な運転の多くが携帯電話を手で持って通信している事が理由と思われる。
そして運転中の運転以外の動作が、外から目に見える携帯電話での会話ではなく、SMS送信や、ラジオのセッティング、ビデオを見ている、物を食べている、ゲームをしている、MP3などの操作を手でしている、化粧をしているなどなど、外から見て判然としないものも多い。
警察による摘発は、それを立証しなくてはならないだけに決して容易ではないと思われる。電話やテキスト通信などは、機器が状況を記録している場合が多く、それが証拠になり得るだろうが、そういったものが無い場合の違反立証はなかなか難しそうだ。運転をする我々ドライバーが危険を認識し、自律的に運転に集中して安全運転を実行することが必要だ。
一方で厳重な取り締まりは、事故を減らすばかりではなく、迷惑運転の防止につながるであろう。
空き巣狙い、家宅侵入被害を防ぐ
12年1月29日 ダーラム郡警察ニュース
JSSによる情報提供
ダーラム郡警察は住民に、多発している家宅侵入事件に関する警報を出している。
警察によれば、家の周囲や車に注意をはらうことで、狙われることを防ぎ、被害を受ける確立を低くすることが出来る:
- 最近大きな買い物(ステレオ、テレビやコンピューターなど)をしたことが分かるような、包装用ダンボール箱をゴミ収集に出しっぱなしにしない。
- ガレージのドアは閉め、外から雪かき機、草刈り機等高価なものが見えないようにする。
- 子供が何人いるか、ペットを何匹飼っているかが分かるようなステッカーを車に貼ることは避ける。 ステッカーを貼ることで犯人たちにいろいろな情報を与えることになる。
- FaceBookやTwitterなどのソーシャルメディアで、休暇旅行や長短に関わらず留守の情報を掲載しない。
- 外出時や留守にする時にはドアや窓をしっかり閉め、長期の場合家族か隣人に新聞や手紙を玄関などに散乱させず、一時保管してもらう。
- 家の内外の明かりは、タイマーを使って家人がいるように点滅させること。
もし被害にあったり、近隣で不審な事に気付いたら、すぐに警察に通報しよう。匿名の通報はクライムストッパーズ(電話 1-800-222-8477 (TIPS)、またはウエッブサイト www.durhamregionalcrimestoppers.ca)が受付け、情報提供者には$2,000までの奨励金が払われることがある。
JSS説明
このところGTA各警察のウエッブサイトでは数多くの空き巣狙い、家宅侵入が報告されている。また各自治体や警察が発表する統計では、犯人捜査が他の事件に比べ難しいのが家宅侵入であり、そのためか犯行は後を絶たない。ちなみに市警のウエッブサイトに掲載されている統計では2010年、警察が認識したトロント市内で起きた戸建て住宅への家宅侵入事件は、約5,500件(うち犯人が逮捕されたもの約1,500、全体の約27%)、集合住宅では約3,400件(うち犯人が逮捕されたもの約850件、約25%)となっている。
訳出した記事はダーラム郡警察が住民に喚起している注意事項であり、内容はダーラム郡住民に限るものではない。被害を呼び込まないように、示された事項を実行しよう。
2012年1月の犯罪
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