1月の犯罪


不注意運転に対する取り締まり
2月1日より開始

 

10年1月27日ダーラム郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

ダーラム郡警察は2月1日、新しく制定された不注意運転法が周知期間から執行期間へ移行するのに伴い、取締り を開始する。
オンタリオ州内の道路の安全確保のため、同州政府は、不注意運転取り締まり法118号を制定した。この新たな法律は、州内の道路上で携帯電話ないしはその 他の電子機器を、運転中に使用することを禁じている。
施行後3ヶ月間は教育期間として扱われたが、2月1日をもって、教育期間は終了する。

違反が発見されたドライバーに対して、警察は、新法に基づいて$150の罰金が課される。

新法に基づいて使用が禁止されたものは;

新法は、通信機器を手に持たずに使用するためのイアーピース、レシーバー、スピーカーフォーンないしは Bluetooth使用の場合は例外としている。
又、911通報、ないしは他の交通を妨げないで、道路わきないしは路肩に停車した場合も例外である。
不注意運転は、道路における事故の主たる原因の一つである。全てのドライバーがこの法規に従い、運転中こういった電子機器を使用しないよう注意を促してい る。

JSS説明
日本でも昨年施行され、カナダではいくつかの州がすでに施行している、運転中の、主として携帯電話の使用禁止法である。
以前から、その必要性が強く叫ばれていたにもかかわらず、紆余曲折を経て施行に至った法律である。警察は、この法律の施行が無くても「不注意運転」として 取り締まることが可能であるとしていた。
確かに、それでなくとも危険を孕んだ「走る凶器」を扱う運転者として、運転に集中しないことは他人と共に自分を危険に陥れているに等しい行いであり、法律 の有無に関わらず運転に集中するのは当然のことである。
しかし、全くこだわりを見せずに、運転中に身振り手振りを混ぜて話しに夢中になっている情景には、これまで数多く出くわしているのが現実である。危険と言 うだけでなく、周囲にとってまことに迷惑な行いである。
罰金云々ではなく、周囲、そして自分や周囲の安全、周囲への迷惑を避けるため、最低限のマナーとしても遵守するべきことだと思う。又これを機会に、自分の 運転を安全への関わり、周囲の迷惑への関わりの観点から見直す機会にもしたい。


ダーラムの街路で強盗2件

 

10年1月20日ダーラム郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)


ダーラム郡警察は、エージャックスで起きた2件の路上強盗事件の犯人特定のため、一般からの協力を求めている。

1月16日、午後7時半頃、46才の男性が、エージャックスのセーラム北通りにあるCanada Trust銀行のATMから預金を引き出そうとATMを操作していると男がATMのキオスクの中に入り、拳銃をこの男性に突きつけ、現金を要求した。被害 者の男性は、要求に従ったため、危害を加えられなかった。犯人の男は現場から逃走し、その後、行方は分かっていない。
犯人は白人男性で、20才前後、身長約170~175cmで中肉、ピンクと白のバンダナで顔を被い、濃い色のジャケットとブルージーンズを着ていた。

1月17日午後6時頃、26才の女性がエージャックスのハーウッド通り・キングストン通りにあるロイヤル銀行 のキオスクに入り、ATMを操作していたところ、顔を被った犯人が近づき、現金を引き出すよう要求した。同女性は、それに従い、犯人に現金を渡した。犯人 は、被害者に危害は加えず逃走した。
犯人の男は、白人、28~30才、身長約172cm)で中肉。白と黒のバンダナで顔を被い、黒いつば無しの毛糸帽をかぶり、黒いジャケットとジーンズを着 ていた。

同郡警察は、両事件に関し情報を持っている人は、同郡警察強盗対策課のMcKinnon警部(電話 1-888-579-1520 ext. 2565)に連絡を取るよう、匿名の情報はダーラム郡クライムストッパーズ(電話1-800-222-8477 または www.durhamregionalcrimestoppers.ca) が受け付けており情報提供者には$2000までの奨金が支払われることがあるとして情報提供を呼びかけている。

 

JSS説明


ATMを操作している際に襲われるケースは少なくない。
犯人の立場で考えるとATMを利用する人は、銀行カードを所持し、預金から現金を引き出せることが確実なだけに、狙われやすいと考えるべきだ。特に、人通 りの少ない場所のATMは、狙われやすい。
したがって、人通りの少ない場所にあるATMの夜間の使用には、十分注意しなくてはならない。
警察が薦めている防犯対策は、使用時に周囲を確認し、不審な人物ないしは車が無いことを確かめることであるが、さらに最も重要かつ有効と思われるのは、こ ういった場所でのATM使用は単独行動は避け、複数で行うことだと言う。

 

 

トロント市警館内本年2件目の死亡交通事故

 

10年1月13日トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

1月12日午後12時40分、同市警は、エグリントン西通り・マーティングローブ通りで起きた人身事故で出動 した。

同市警からの報告によると;

この事故に関する情報を持っている人は警察(電話416−808−1900)、または匿名でクライムストッ パーズ(電話416−222−TIPS (8477)、オンラインwww.222tips.com、 またはテキストTOR でメッセージを CRIMES (274637))に連絡するよう呼びかけている。
市警交通部はトロント市内の交通安全と交通秩序維持確立に専念している。交通部に関する情報はTwitter (traficService)、またはFacebook (Toronto Police – Traffic Service)を参照のこと。

 

JSS説明

 

発表記事からは詳細な状況は正確には分からないが、交差点の横断歩道内を青信号で、乳母車を押していた母親を 車が撥ね、引きずった上で下敷きにし、死亡させたという、なんともショッキングな事故である。運転していた83才の女性が、なぜ赤信号の交差点に突っ込ん だのか説明はない。
同じ12日に、この事故とは別の場所で、80才の女性と42才の息子が、横断歩道ではないところを横断している際に車に撥ねられ女性が死亡している。
別の新聞報道によると、歩行者が巻き込まれる事故総数は減少傾向にあり、重軽傷を含めた数は昨年2,025件(07年2,295件、08年2,059 件)、うち死亡事故が31件という。そして警察は事故の多くが避け得たものだという認識を持っていると言う。
新聞報道のポイントは、死亡事故の多く(19件)は、交通の比較的激しくないGTA周辺地区で起きているという点にある。交通量、歩行者の数が共に比較に ならないほど多いダウンタウンの中心地区よりも、数が少ない周辺地区の方が歩行者死亡事故が多いというのだ。
事故の多くは、急いで右または左折した車が横断歩道を渡っていた歩行者を撥ねる、または歩行者が信号無視などで、不正に車道に出たときに起きている。そし て、周辺地区の道路はダウンタウン中心地区と較べると道幅が広く、横断は容易ではなく、その上車の走行速度が(制限速度を超えて)速いことが、事故につな がっていると言う。
関係者の間には、ベビーブーマーが高齢化し車の運転をしなくなる時期であることから、歩行者数が大幅に増加することが見込まれ、したがってさらに状況が悪 化するのでは・・・という懸念があるようだ。
運転する立場の者は当然のこと、歩行者も、こういった状況を十分認識して、危険を避ける心がけはもとより、交通法規を遵守して、事故の原因になりかねない 行動を避けるように心がけることが、自身はもとより他の道路利用者にとっても極めて重要だ。

 

 

交通違反の罰金引き上げ

 

10年1月8日ダーラム郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

道路上の危険な運転防止のため、1月1日より、交通違反の罰金が引き上げられた。

引き上げの主なものは以下の通りである;

罰金の最高額が、$500から$1,000に。

罰金の最高額が$500から$1,000に。

罰金最高額が$1,000から$2,000に。

初犯の場合;最高は$2,000の罰金、デメリットポイント3点、さらに2年間の免停の可能性がある。これは 従来の罰金最高額$500から引き上げられた。
重犯(5年以内)では、最高罰金額が$4,000となり、デメリットポイントは3点、2年間の免停および6ヶ月の収監-これは従来の罰金$500からの引 き上げ。
ダーラム郡警察は全ての自動車利用者が、交通法規を遵守するよう呼びかけている。

 

JSS説明

 

このニュース記事にある通り、いくつかの交通違反の罰金などが大幅に引き上げられている。しかし、この記事を 取り上げたのは、罰金が高額になったから違反に気をつけようというのではなく、罰金を大幅に引き上げる必要がある実態があり、関係各機関の関心が高いとい うことだ。
換言すると運転に当たって十二分に注意しよう・・・と呼びかけることが目的である。


信号無視、安全ベルト不着用、無謀ないしは不注意運転および事故現場からの立ち去りについては、極めて常識的な内容であり、解説の必要は無いと思われる が、緊急車両対応については以下に一部訳出した、州政府交通省のウエッブサイトに掲載されている注意事項を参考して頂きたい。


緊急車両が近づいたら:

 

複数の車線がある速度制限が100kmの自動車道路では、
「速度を落とし、ウインカーを出して右側に移動。可能なら路肩よりの道路はしにより、安全を確認して停車する。路肩には出ないこと。」

 

2車線道路では、
「ウインカーを出して右側へ。可能な限り道路の右端により、交差点は避けて停車。」

 

一方通行道路では、
「ウインカーを出して道路の右または左端へ。交差点は避けて停車。」

 

交差点では、
「交差点内、ないし交差点に近づいている車両は緊急車両に道をあけ、交差点を通過させる。交差点内には絶対に停車せず、又、緊急車両が後ろから近づいてい る場合左折してはならない。この場合は直進して交差点を抜け、右によって停車する。」

 

停車中の緊急車両に近づく場合、
「州自動車交通法は、進行方向の車線内または路肩に赤い点滅灯を点灯した警察、消防ないしは救急車両がいる場合、減速し、注意して通り過ぎることを規定し ている。
道路に複数の車線がある場合、安全ならば車線を変更しなくてはならない。

(以上は、抜粋訳なので、正確を期して交通省のウエブサイトないしは市販の教則本を参照することをお奨めす る。

2月の犯罪

 

詐欺やペテンから身を守ろう

 

10年2月28日ダーラム郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

ダーラム郡警察は、家、家族ないしは金銭を守るため地域の住民が、戸別訪問詐欺やペテン師が 用いる道具や方法を知っておくべきだと注意を呼びかけている。

正当性


多くの訪問販売員は、正規のやり方で販売会社や事業を代行しているが、正しい身分証明を携行しているか調べることは重要だ。多くの詐欺ないしはペテン師は 身分証明書を携行していないか、ないしは、写真がないなど記載されている事項が限られた身分証しか携行していない。
持ち込まれた話に興味を持ったが信じきれない場合、商品や業務について書かれた文書、会社に連絡するための電話番号を要求し、さらに内容を調べると良い。 そういった物を持っていない、ないしは購入を即決するよう求めたら、詐欺ないしはペテンである可能性が高い。

 

振る舞い


訪問販売員の強引な振る舞いに気をつけよう。詐欺やペテンを働くものは時に手や足を、貴方が閉めようとするドアに差し入れたりする。退去を要求されたら、 立ち去らなくてはならないことは法律で定められている。時には、一旦断ったにもかかわらず、一両日後に戻ってきたりもする。また、どんな申し出にせよ、 断ったり、「ノー」と言うといらいらしたり、怒ったりすることもある。

 

安全


詐欺やペテン師は、専門家や技術員であると偽って、家の中にある機械をチェックしたいなどと言うことがある。あなたが要求した人物以外どんな人も、家の中 には入れてはならない。また、訪問販売員が、例えば水道や電気の請求書など金銭がらみの書類が見たいと言う場合がある。自身を守ることを第一に考え、個人 情報、特にクレジットカード番号は絶対に伝えないこと。

 

警戒すべき兆候など


おかしいと思ったら、その直感を信じよう。疑わしい人物だと感じたら、その通りのことが多い。なお、詐欺ないしはペテン師は、小切手は取り消すことが出来 るので受け取らないことが多い。慈善のための募金で戸別訪問していると言う場合、(先に述べたような)正規の身分証明書と、正規の課税免除領収書を持って いるかどうか確認しよう。

もし、訪問販売員が行っている販売などで詐欺が疑われる場合、以下の情報を取り揃えて、警察に通報されたい。

JSS説明


詐欺事件発生ないしは犯人、詐欺団の逮捕などのニュースは通常でも頻繁に発表される。さらに、毎年3月が詐欺ないしは類似犯罪撲滅月間であり、注意を引く ためかこの時期になると一段と頻繁に発表される。
このニュースでは、ダーラム郡警察が、主に戸別訪問を通じて行われる詐欺による被害防止策を解説している。このほか、トロント市警は、オンタリオ州警察署 長会議が進める「私的情報詐取防止」キャンペーンを背景に、特に個人認識情報詐取などに対する注意を喚起している。   記事によると、マックマスター大 学の研究では、2008年に起きた個人情報詐取による被害額は$150百万、捜査に2千万時間を費やしたと言う。
さらにヨーク郡警察は主として中小商店を対象にした偽札流通防止セミナーの開催を発表し、発表の中で、最近偽札の流通が増加しているとしている。(偽札発 見の方法についてはBank of Canadaのウエブサイトwww.bankofcanada.ca/en/banknotes/education/pdf/general_public_leaflet.pdf  が分かりやすい)
こういった発表が多く見られる背景には、この種の犯罪による、前述のように甚大な被害が推定されているからだ。幾分古い推計だが2006年には被害が15 万件、$320百万だったと言う数字もある。また、被害に遭う可能性は、一生のうちで全人口の約1割と言う調査もある。周囲にも被害に遭った、ないしは逢 いそうになった人は少なくない。
因みに個人認識情報盗み出しがおきやすいとされるATM使用時には、ATMに不審な(カード内容読み取り用の)機器が接続されていないか、キオスク内にパ スワード打ち込みを盗撮するビデオカメラの設置がないか、キオスク周囲に不審な人物ないしは車がいないかなどに気を配る必要がある。又特に夜間のATM使 用は、人通りのあるところで複数人で行うこと。
さらに、デビットカードないしはクレジットカード使用時には、2重読み取りされていないか注意し、パスワード打ち込みを肩越しで覗かれたり、天井などに備 え付けられたヴィデオで盗撮されないように、パッドの上を手で覆って行うことなどが当地の常識である。


飲酒運転に警報

 

10年2月5日トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)


トロント市警は、カナダにおける、死亡の原因となる犯罪で最も多いのは、飲酒運転であるとして注意を呼びかけている。
オンタリオ州では、交通事故死の約4分の1は、原因が飲酒に関連している。また、同州内では16,000人以上が、飲酒運転がらみの刑事犯として有罪と なっている。
同市警は、飲酒運転が市民全てに危険を及ぼすものであると考えており、飲酒運転の摘発、防止のため警戒を強めている。

この週末、同市警は、飲酒運転を対象とする検問を数箇所で行い、また、パトロールを行って取 締りを強化する。取締りの合言葉は常に変わらず、「飲んだら乗るな」だ。
さらに誰もが、運転するに当たって責任ある選択を忘れないように助言する。
公共交通網、運転代行、タクシーの利用、乃至は、帰宅せず宿泊するなどは、正しい選択なのだ。

また、酒に酔って歩き回ることも、きわめて危険なことである。酔った歩行者が、よろめき、車 道にとび出すなどして重傷を負う人も多い。

さらに、忘れてはならないのは、飲酒運転をしそうな、または、している、さらにすることにな る人を知った場合、すぐに911に通報することだ。あなたの近親者の命を救うことになるかもしれない。

 

JSS説明

 

言うまでも無く、この週末は、スーパーボールが開催される。このほかにも、いくつかの、人気 の高いスポーツイベントなどがあると警察は、飲酒運転の特別警戒を行う。そういったイベントがあると、友人などと集まってテレビ観戦などの後、帰宅時に飲 酒運転をする可能性が高いと言うことのようだ。
日本の場合、酒気帯び運転は血中アルコール濃度が15mg以上で取り締まりの対象となる(2009年6月以降)。当地カナダでは50~80mgで警報段階 の免停、80mg以上で犯罪(米国の例では40mgが多いという)として扱われる。
この差は、酒気帯びないしは飲酒運転に対する寛容度をあらわしているのではなく、体質など種々の要素から、アルコールの消化力が異なることに起因している と思われ、酒気帯びないしは飲酒運転に関する厳しい態度に変わりはない。
なお、当地では、飲酒時はもとより、酒気を帯びている場合、実際に車を運転していなくても運転席に座っているだけで、違反となる。

このニュースを取り上げたのは、警察による摘発を受けないようにと言うことではなく、飲酒運 転ないしは酒気帯び運転を、警察ないしは当地の社会が極めて深刻に認識していることの証左としてである。

当地での滞在が一時であれ、長期ないしは永久的であれ居住する以上は、コミュニティー の一員として、他人に深刻な被害を与える可能性のある行動を行わないという、最低限の義務を果たそうと呼びかけるためである。


クライムストッパーズが新記録

 

10年2月3日トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)


2009年トロントクライム・ストッパーズに、記録破りの10,249件の犯罪匿名情報が寄せられた。
その結果、犯罪捜査で次の成果があがった;

であった
どのような犯罪に関わるものであれ、情報を持っている人は匿名でクライムストッパーズ(電話416−222−TIPS(8477)、インターネット www.222tips.com または、テキスト通信TORでメッセージをCRIMES (274637))に連絡されたい。

 

JSS説明


クライムストッパーズはボランティア団体で、個人や企業の経済援助を受け、地域の警察と協力して進めている犯罪関連情報受付非営利組織であり、情報は匿名 で受け付ける。
また、その情報が事件の解決ないしは犯人の逮捕につながった場合、$2,000までの奨金が支払われる場合がある。
1976年に捜査に行き詰まったニューメキシコ州アルバカーキーのカナダ人刑事がテレビ、ラジオ、新聞で奨金つきの情報提供を呼びかけ、短時間で解決に向 かったケースに端を発する。現在世界の1,100以上のコミュニティーで進められている活動で、カナダでは1982年にカルガリーで発足し、トロントでは 1984年に発足した。
情報提供者には提供時に認識番号が与えられるが、各受付組織は情報提供者の身元確認はもとより、電話連絡などに際して録音なども行わない。又、提供者は、 裁判に当たって証言を要求されることもない。
このニュース冒頭にある昨年の状況から察する活動はきわめて盛んであり、地域の犯罪撲滅に大きな力を発揮していることが見て取れる。
この動きは一方で、何らかの理由で犯罪に巻き込まれ、身の危険などのため事件を通報できないでいる場合に利用できる活動でもある。

3月の犯罪

 

児童ポルノ犯特定のための国際プロジェクト「Unity(連合)」

 

10年3月30日ピール郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

ピール郡警察は、世界20カ国で73人の児童ポルノ犯を特定した。

09年11月、ピール郡警察は、ブランプトン在住の29才の男を、一連の児童ポルノおよび性的暴行の嫌疑で逮 捕した。当該事件は現在法廷で審理中であることから報道が差し控えられている。
この逮捕以来同郡警察は、児童ポルノに焦点を当てた捜査を開始した。おとり捜査を進めたこの4ヶ月間で同郡警察は、20カ国にわたる73人に及ぶ犯人を特 定した。これらの犯人に関して集められた証拠は、世界各国の司法当局によって共有され、すでに数件の逮捕に結びついている。
関連国の地図は、以下をクリックすれば表示される。実際のリンク先URLは

www.peelpolice.ca/ecms.aspx/$prp/Images/NEWReleases/2010/ICE_ProjectUnityTargetMap.pdf)。


これまでに、米国メイン州および英国ケント地区で容疑者二人が逮捕されている。英国で逮捕された人物は、性犯罪者として登録されていた。逮捕された2名 は、児童ポルノの嫌疑を受けている。
「Unity」のような捜査の成功は、警察機構相互の地球規模の協力の賜物である。ピール郡警察は今後とも、児童ポルノに関わる人物を特定し告発する警察 活動に参画する。
ピール郡警察は保護者が、子供たちを児童ポルノの被害から守る方法について知識を持たねばならと強調している。
以下はそのためのヒントの一部である。

・・・・・・・・
さらに、保護者のために被害予防のための情報が掲載されている以下のよなサイトがある。
www.bewebaware.ca 
www.virtualglobaltaskforce.com
www.internet101.ca
www.cybertip.ca


同郡警察は、児童ポルノの被害者が特定できる、ないしは児童ポルノを所持している人を特定できる情報を持っている人は、地域の警察に連絡を取るよう呼びか けている。また、児童ポルノに関する情報を持っている人は、ピールクライムストッパーズ(電話1-800-222-TIPS (8477)または、オンラインwww.peelcrimestoppers.ca)も受け付けるので連絡するよう呼びかけている。

 

JSS説明


日本における状況については詳らかではないが当地の場合、インターネットを通じた児童ポルノが摘発されたと言う発表が頻繁にあることから、警察が非常に積 極的に状況に対応していることが明らかである。
さらに、そういった積極的な取締りにもかかわらず数ヶ月の捜査で本発表にあるように73人の犯人が特定され、さらにその分布が20カ国に渉るという状況 は、改めてインターネット社会ならではの問題の広がりないしは深さを感じさせる。
さらに、記事にある注意事項を読んでみると、ポルノ写真の入手がインターネット経由で行われていることを暗示する項目(ウエブカメラに関する事項)がある ことが、保護者にとって極めて重要であると思われる。
技術の進歩は目覚しく、極めて高性能なカメラを容易にコンピューターに接続できるようになって利便性が大幅に上がった反面で、犯罪の道具としても使われて いることを、保護者はしっかりと認識しておく必要がある。
さらに、コンピューターに接続されたカメラは使用中はランプが点灯するなどで表示するのが普通であるが、本人にその意識が無くても画像が送られる事もあり うることも忘れてならないことだ。もっとも、これまでの多くの発表から、子供たちをたぶらかして画像を送らせる手口も頻発していることが伺える。
多くの子供たちは保護者より以上にコンピューター利用に堪能であり、さらに、子供たちのコンピューターの使用を制限することは極めて難しいのが当世の現実 だ。記事にある注意事項を参照するなどして、子供たちを健全なコンピューター利用に導くことは、保護者として忘れることの出来ない事項の一つだ。

 

引越し業者による詐欺に注意

 

10年3月19日市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

トロント市警察は、引越し業者による詐欺に注意を呼びかけている。

トロント市警によると、以下のような事例が報告されている。

同市警は、被害に遭わないための注意事項として次を挙げている。

消費者保護に関して参照できる州政府のウエッブサイトのURLは以下の通り。
www.sse.gov.on.ca/mcs/en/pages/default.aspx


同市警では、関連情報を持っている人は警察(電話416−808−5500)、または匿名でクライムストッパーズ(電話416−222−TIPS (8477)またはオンラインwww.222tips.com、ないしはテキストTORでメッセージをCRIMES (274637))に連絡するよう呼びかけている。

 

JSS説明


3月は全国的に、詐欺事件発生を防止する月間になっている。当地に限らず詐欺の手口は極めて多様で、ここに網羅することは出来ないが、典型の一つが警察か ら発表されているの。
この事件である。
この事件では、詐欺の条件作りとして被害者の、時間的、心理的な余裕を奪って進められている(具体的な内容は異なるが、条件作りとしてはオレオレ詐欺と共 通している)。
被害を避けるためには、相手のペースにはまらないことが基本だ。さらに当地の状況に詳しい人の助言を得ることも大切と思われる。
なお、それぞれURLを注記した機関は消費者保護のために活動しており、記事は英語だが一読をお勧めする。

 

オンラインデート詐欺

 

10年3月2日ダーラム郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

ダーラム郡警察は市民の皆さんが、オンラインデート詐欺に関して注意するよう呼びかけている。

同郡警察は、オンライン詐欺に伴う送金や個人情報の公表によって、経済的被害に遭う人が増加しているとしてい る。

2月13日から26日の間、数人の女性が、オンラインデートを通じて知り合った男性によって経済的な被害に あったことを警察に通報してきている。犯人たちは国外で、各種の職業に関連する慈善活動で働いており、活動資金をナイジェリアに送金するよう依頼したと言 う。被害者たちはさらに、銀行口座などの個人情報を犯人に伝えることにも同意したが、伝えたすぐ後に多額の預金が被害者の口座から引き出されたという。

同郡警察は、被害者は犯人と数ヶ月の交信の後に詐欺にあっているとしている。多くの場合、犯人たちは、被害者 がだまされる易くなるまで、数ヶ月をかけて交信を続けている。この手の詐欺は常時起きており、2005年以降下記のリンク(http://www.msnbc.msn.com/id/8704213/) にもあるように、年間を通じて起きているものだ。
同郡警察は、インターネットの全てのサイトは狙われており、オンラインデートサイトも例外ではないことを皆さんが忘れないようにしてほしい。インターネッ トは注意して使用し、送金や個人情報を扱う場合、特に注意するよう呼びかけている。

この種の事件ないしは、他の捜査に関する情報を持っている人は、重要犯罪詐欺課(電話 1-888-579-1520 ext. 5232)に連絡するよう、また、匿名情報はクライムストッパーズ(電話1-800-222-TIPS (8477))が受け付けており、情報提供者には$2000までの奨金が与えられる場合があるとしている。

 

JSS説明

 

インターネットを介した犯罪についてはこれまでも多数紹介してきたが、この記事の場合、手口は大変手の込んだ ものとなっており、また、長い時間をかけて被害者の信頼を得た上で犯行が行われているのが特徴だ。
インタネットを介していないが、日本で大きな問題となっている「オレオレ」詐欺、ないしは同種のものは電話を道具として使い、緊急事態を作り上げ、被害者 に事態を吟味する時間を与えずに犯行が進むが、この記事の場合、インターネットを介して(直接面談していない)、数ヶ月にわたって交信を続け、被害者の信 頼を確実にしてから犯行が行われている。又、慈善事業が犯行の道具に使われているところも大変悪質である。
大変残念なことであるが、こういった状況を考えると、確実に身元が分かっている人以外は信用できないのが実情であると言わざるを得ない。

 

4月の犯罪

 

ノロノロ運転の農業用車両に注意

 

10年4月29日ダーラム郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

北ダーラム警察は、自動車利用者に対し、ノロノロ運転の車両による一時的な通行遅延でイライ ラしないよう助言している。

同警察は、ノロノロ運転する農業用車両によって、自分の運転する車両の走行が遅延するという 理由で立腹したドライバーが、危険で強引な方法で追い越ししたという通報を受けている。

特に、春の植え付け時期、秋の収穫期には、昼夜に関わらず、農業従事者が農場から別の農場に 機器を移動することが頻繁にあるが、他の自動車利用者は、速度を落とし、我慢して欲しいと同警察は呼びかけている。

以下は、郊外の路上で農業用車両と出遭った場合の安全確保に関する注意事項である。

  1. 道路上のノロノロ運転の車両や農業用車両は、車の後部に黄色の三角形の標識をつけている。
  2. 農業用車両の殆どは、40km/時以下で走行している。農業用車両を見かけたらすぐに減速することだ。そして、いつでも 停止できるように準備しよう。
  3. 農業用車両が出す右・左折の合図を見落とさないようにしよう。農業用車両の多くは、右左折ないしは停止信号装置を持って いない場合があり、その場合どちらに向かうかを運転手は手で合図することになっている。車窓から左腕を出し90度空に向けるのは、右折を意味している。左 手をまっすぐに伸ばした場合は左折、伸ばした左手を90度下に曲げるのは停止の合図だ。
  4. 農業従事者が長いもの、ないしは幅広のものを運んでいる場合、左折のための右側への内輪差は、トレーラー同様に大きい。 もし、農業用トラクターが右側に寄った場合、追い越しはしないこと。左に曲がる可能性大である。
  5. 追越しをする場合、農業従事者に、十分な車幅の余裕を残そう。農業用車両によっては、一車線幅以上の余裕が必要なことが ある。車両の半分が車道、他の半分が路肩にあって走行している車両の場合、路肩に郵便箱などの障害物があると、その農業用車両全体が車道にはみ出してくる 場合がある。
  6. 余分なものがトラクターから突き出している場合も少なくない。そしてそういったものは見えにくい。また、農業用車両を追 越したり、直前で減速したり停車をしないようにしよう。大型車両は乗用車のようにすばやく停止することは出来ない。

JSS説明


頻繁には見かけない注意記事である。
農業用車両による一時的な交通停滞は、時々経験する。普通、他の車は多少いらつきながらも停滞解消を待つものだが、時に、妙に急ぐ車に出くわす場合があ る。停滞による遅れはたいしたものではないことが通常だが、「運転」中の心理はそういった判断には基づかない場合がままあり、結果として極端な反応をして しまうことも無いわけではない。
この記事にある、状況に関する説明は、それぞれ当然と言ってよいものではあるが、実際に遭遇してみると、そういった理性に基づく判断がされないことがある ようだ。

交通事故の多くが、理性に基づかない、本能に基づく運転によって起きている。「自動車は走る 凶器!」。理性で飼いならしたいものだ。

 

電話による売り込みに注意

 

10年4月22日ピール郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

ピール郡警察は、電話による休暇、旅行や別荘レンタル等の売り込みで、信頼できる販売会社は 数多いとはいえ、契約の際のやり取りで、特に、連絡先が先方から始まった場合には、以下のことを忘れないよう呼びかけている。

知らない会社だった場合、支払いを約束する前にいくつかのポイントとなることを調べよう。契 約内容は、時に、高額な場合があり、特に契約後に気が変わった場合の、支払済み代金の回収には複雑な手続きが必要な場合が多い。
販売会社の信用度を調べるための、以下のようなやり方を考えよう。

www.complaintsboard.com
www.ripoffreport.com


警察は、これらのサイトに掲載されている内容の妥当性についてコメントすることは出来ないが、サイトの情報から、売り込んできた会社が苦情にどう対応して いる状況は分かる。

 

JSS説明


7、8月は休暇期で、旅行や避暑のため自宅を離れる人が多く、人々はそのための有利なパッケージを早い時期から探し求める。
パッケージツアーやコテージレンタル業者はそれを狙って色々な方法で売り込みにかかるが、電話販売はその一つである。
電話を通じた物品やサービスの販売は、売り手が自身の身元を明らかにせずに話を進めやすいという、消費者にとって問題がある要素を含んでいるため、時に詐 偽行為の温床になる。
記事にあるいくつかのウエブサイトは、被害を未然に防ぐための注意事項ないしは情報を提供してくれるものだ。電話による売込みを利用する可能性は誰でもあ る。その際に、記事中の注意事項、「相手からコンタクトしてきた売り込みの場合は細心の注意」・・・などは非常に妥当であり遵守することが必要と思われ る。

 

 

ダーラム郡での詐偽の手口

 

10年4月9日ダーラム郡警察ニュース

(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

ダーラム郡警察は、同郡内で頻発している2種類の詐欺事件に注意を呼びかけている。

ダーラム郡内で発生している詐偽の手口の一つは、「“Mystery Shopper”(モニター詐偽)」と呼ばれるものである。
詐欺犯は、ニセの就職広告に応募した、ないしは、詐欺犯と接触した被害者が、商品購入のモニター、または、ある会社の製品やサービスのモニターに採用され たと信じ込まされる。  
被害者は、偽造小切手を受け取り、自分の個人口座に入金すると、詐欺犯から、その金を使って品物を購入、ないしは、別の人に送金をするよう指示される。
銀行が小切手の正当性を確認するのに数日を要するのが通常であり、その間に小切手を入金した口座からの支出があると、被害者の口座にある預金から引き落と される。 
最近の事例では、オシャワ在住の女性が、詐欺犯から額面$4,950の小切手を受け取り、送金サービスをモニターするためとしてWestern Unionの送金サービスを使ってアンカレッジ在住の女性宛に$4,450を送金するよう指示された。小切手が正規のものではないことが数日の後に判明し (従って、実際には入金は行われず)、被害者の女性は自分の口座預金から$4,450を送金した形になった。
もう一つの手口は「“Classified Ad”(広告欄詐偽)」と呼ばれるもので、細部は色々異なったやり方で進められる。
オシャワ在住の女性が最近、月額$800貸し部屋広告に応じた。この女性は家主の要求に応じて$600をウエスタンユニオン経由で保証金として家主に送金 したが、家主から送られるはずの家の鍵は一向に届かなかった。「家主」は被害者に、でたらめの追跡コードを渡し、e-メール番号も電話番号も変えて(行方 をくらました)しまった。
ダーラム郡警察詐欺課では、この種の詐欺犯は、少しずつ手口を変えている。従って、だまされないように、金銭のとり扱いは注意深くし、知らない人との金銭 のやり取りは避けるべきであると警告している。
申し出に対しては、よく調べてから行動に移す、他の人の意見を聞く、ビジネスは身元の確実な人と進め、身元が分からない人に宛てたWestern UnionやMoneyGramを使った送金は絶対にすべきではないとしている。

ダーラム郡地域での、こういった詐欺について新たな情報を持っている人は、郡警察詐欺課(電 話1-888-579-1520 ext. 5230)に連絡を取らよう呼びかけている。
なお、匿名の情報は、ダーラム郡クライムストッパーズ(電話1-800-222-8477 (TIPS))、またはウエブサイト(URLは www.durhamregionalcrimestoppers.ca)が受け付けており、通報者は$2000までの奨金が支払われる場合がある。

JSS説明
こういった手口は、記事を発表したダーラム郡に特有のものではない。又、こういった手口は、これまでも何回か紹介している詐欺の手口のいくつかと類似した ものだ。そしてニックネームがつくほどに事例の多い手口でもあるが、そういった状況にもかかわらず犯行が後を絶たないのは、詐欺を働くものたちが、あの手 この手で被害者をだまし、信用させて犯行に及んでいると共に、被害者がうまい話に飛びついた上で、犯人(たち)を疑うこと無しに事を進めた結果、被害を受 けている側面を感じずにはいられない。
最近の日本で多発している詐欺に未公開株詐欺がある。未公開株という、儲けが出やすいと思われているものを材料にして、複数人の犯人が多くの登場人物を配 して、利があるように信じ込ませ株を購入させ、被害者の財布の紐を解かせた上で消えてしまうやり方だ。
洋の東西、扱っている材料は異なっても、だましのテクニックは殆ど同じであることに気づかされる。利益、儲け・・・といった人間共通の心理をくすぐって人 をだますところには差がない。極めて不愉快であり、又、そうありたくないことであるが、我々は全ての人を疑うことを余儀なくされていることを感じずにはい られない。記事にある事例が持っている共通項は、犯人が被害者と面と向かって接触していないこと、金銭の授受が直接行われていないことだ。

 

性的暴行捜査で男を手配中

 

10年4月6日市警ニュース
(Japanese  Social Servicesの情報提供)

 

トロント市警は、4月4日に発生した性的暴行事件に関して捜査を進めており、手配中の男の所 在情報等につき市民の協力を求めている。

4月4日日曜日午前4時30分頃、トロント市警に、Jane通り・フィンチ西通り付近で発生 した性的暴行事件について通報があった。

通報によると:

犯人の人体は、白人で褐色の肌、20代後半から30代前半、大柄で腹が出ていた。髪は、茶色 の短髪で瞳は茶色。ブルージーンズに黒いシャツ、フードつきで縁に毛皮が付いたジャケットを着用していた。
車は、灰色の最近の年式で、4ドアセダン。

同市警は、情報を持っている人は警察( 電話416 − 808−7474)、または、匿名でクライムストッパーズ(電話416−222−TIPS (8477)、オンライン www.222tips.com、またはtext TORでメッセージをCRIMES (274637)に)に連絡するよう呼びかけている。

 

JSS説明


性的暴行事件は洋の東西を問わず多く発生している犯罪の一つだが、当地の警察発表を見ていると、ほぼ毎日、GTA地区のどこかで事件が起きている印象 だ。(2008年の統計では、年間の通報などで警察が認識した件数は1,990件、うち、犯人検挙逮捕に繋がった件数は1,425件となっている。) こ の種の犯罪撲滅努力を市警は、年次報告書で特に紙面を割いて表明(ウエブサイト内の年次報告書に詳しく記載されている。) するほどであるが、日常の発表 を見ていると、発生は一向に減らない。
さらに、この種の事件は被害者の通報によって発覚することが通常であり、被害者が何らかの理由で通報しないケースが少なくないことが考えられるので、表面 化している状況よりも事態が深刻であることは容易に推測できる。
この事件の場合、暴行の程度は発表されていないが、発生経過は極めて典型的だ。早暁、人通りの少ない時間に、女性が1人で男性の誘うままに車に同乗し、事 件に結びついている。   
被害者を非難する気持ちはないが、犯罪が起き易い状況に自ら近づいているといわざるを得ない。各警察などが公表している、この種の犯罪防止のためのパンフ レットや注意書きを入手し(警察に出向けば無償で入手できるし、各警察はそれぞれのウエブサイトで内容を公表している。)、ないしは常識に沿って自衛手段 を講じることを促したい。
なお、ここ数年、JSSはカウンセリングなどの活動を通じて、接客業などに従事した女性が法外な性的仕打ちを受け、さらに、滞在資格などを絡めて脅される などの情報を耳にすることがある。この場合被害者は、滞在資格に不備があることを意識して泣き寝入りの上で帰国してしまうと言った経過をたどることが少な くないようだ。滞在資格の不備は正さなくてはならないが、それ以上に、この種の犯罪が放置されればさらに被害者が増えることも考え、例えば匿名情報を受け 付けるクライムストッパーズなどを通じた取り締まり当局への通報は、犯罪撲滅のための大きな力になると思われる。

5月の犯罪

 

オンタリオ州で発生している自動車保険詐欺

 

10年5月27日オンタリオ州警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

カナダ詐偽撲滅センター(以前のフォーンバスター(Phonebusters))及びオンタリオ 州警察は、自動車保険に加入しようとしている人々に、オンタリオ州の新聞やウェブサイトに掲載されている保険の詐欺広告に注意するよう呼びかけている。

消費者が注意を払うべき広告内容は、

などである。

 

JSS説明


この自動車保険詐欺の被害者の申し立てによると、詐欺犯は、"Arthur and Son"、"Smith and Sons"または"Addison and Sons"などという会社名を使っているようだ。この種の詐欺では、被害者は衝突事故に巻き込まれたり、警官による検問に遭わない限り、自分の保険が有効 でないことに気づかないところが大きな問題である。
カナダ詐偽撲滅センターは、自動車保険を選ぶ際、不正に巻き込まれないために簡単な注意点を守るよう勧めている。オンタリオ州では合法な保険会社やブロー カーは、州に登録されている。したがって消費者は、下記の2つの機関を通じてその会社の合法、非合法を確認することができる。


1)全てのオンタリオ州の保険ブローカーは州保険仲介業者(RIBO)の認可を受けなければならない。RIBOには、416-365-3098または 1-800-265-3097に電話するか、www.ribo.comを通じて 連絡がとれる。


2)オンタリオ州では、自動車保険は州財務省の出先機関である金融委員会(FSCO)が管轄している。保険業務を行うためには、保険会社はFSCOに登録 されていなければならない。FSCOにはwww.fsco.gov.on.caを 通じて連絡がとれる。

 

保険詐欺が疑わしい場合は、地元の警察に連絡するか、又は、1-888-495-8501のカナ ダ詐欺撲滅センターに連絡することをお勧めする。

さらに、www.phonebusters.com では現在被害が出ている詐欺についての情報を得ることもできる。

 

車の鍵をかけなきゃ盗まれる

 

10年5月10日ピール郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

最近、車上荒らしが増加しており、ピール郡警察は「鍵の掛け忘れ」が被害につながっていると注意 を促している。同郡警察の自動車犯罪部係官は、最近6ヶ月間に、車上荒らしの件数が増加している指摘としている。

犯行の多くは、車両が無人の状態になっている深夜や早朝に行われている。車への侵入は、鍵の掛 かっていないドアからが通常である。
さらに、高価な物品が車の、外から見えやすいところに置かれている場合、犯人は窓ガラスをすばやく打ち破って品物を盗み、周囲に気づかれる前に逃走する。
目をつけられるのは、むき出しの小銭、GPS、IPod、ステレオ、ノートパソコンなどだ。
同警察は、こういった犯罪を防ぐため、市民の協力を求めている。車上荒らしを防ぐ一番よい方法は、車をガレージに入れておくことだ。
しかし、もしそれが出来ない場合の、被害を防ぐ方法は以下のようなものだ。

同警察は、この種の犯罪について情報を持っている人は、同警察自動車犯罪部(電話 (905)453-3311内線1152)まで連絡するよう呼びかけている。なお、ピール郡クライムストッパーズ(電話1-800-222- TIPS(8477)、オンラインwww.peelcrimestoppers.ca、 または、テキスト通信をCRIMES(274637)に“PEEL”に続けて通報内容を記入)が、匿名の情報を受け付けている。

 

JSS説明


多くの場合犯罪は、被害者の油断や心の隙を狙って行われる。この記事「車上荒らし」は、その典型の一つである。犯人は、常に盗みやすい車、盗むべき物を乗 せている車を物色している。そして狙いをつけると、極めて迅速に犯行をすすめる。
記事は夜間、自宅に駐車する場合を意識した注意に力点が置かれているが、季節が良くなって外出が多い時期であるので、その際の駐車の仕方にも十分注意が必 要と思われる。

この記事には、類似項目が多いが、その場合の留意点は以上の通りだ。
残念ながら注意することによって被害を受ける可能性がゼロになるわけではないが、犯人が短時間のうちに犯行が行える(犯行は通常数十秒で行われると言われ る)事を必要としていることから考えて、被害を受ける可能性は大幅に減ると考えられる。

6月の犯罪

 

家庭内のインターネット利用注意

 

10年6月16日ピール郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

夏休み期間中、子供達が周囲の目が行き届かない状態でインターネットを利用し危険に遭遇する機会 が増える。

MySpaceとかFacebookなどのサイト使用が、子供たちの間で爆発的に増えている。こ ういったサイトへ子供達がアクセスする場合の危険性について知識を得ておく必要がある。
コンピューターの個人情報流出に関する設定を正しく行わないと、ネットを経由したイジメや個人認識情報盗用の危険がある。大人同様、子供達も被害を受ける 可能性がある。

以下はソーシャルネットワークサイトを利用する場合の危険を最小にする、いくつかの簡単な方法 だ。

忘れてはならないのは;

さらに詳しい情報が必要な場合はwww.peelpolice.caで、“Crime Prevention”、さらに“Computer/Internet Safety”、をクリックする。

 

JSS説明


この記事は冒頭にあるように、夏休みは、子供達にとって「開放的」ないしは周囲の監視が少ない時間を持てる時期であるので注意が必要である。
最近のグローブアンドメール紙に、インターネットを使ったいじめのために自殺した少女のケースが掲載されている(6月19日)。
事件を要約すると、13才の少女がきわどい、性的な写真を付加したtextメッセージ(sextと呼ばれている)を、自分が好意を持つ少年に送り、少年の 友人がそれを「あばずれ」などとののしる文章と共にネット上で公表し、少女はいたたまれずに首をつったと言うものだ。
さらに新聞によると、警察はこの種のハラスメント事例がこのところ急激に増加しており、これは社会が夏休み期間に入ったことと関連があるのではないかと推 測している。また、記事によれば、性的な写真などを個人的にやり取りすることは違法ではないが、それを一般に公表すると、被写体が未成年の場合いわゆる児 童ポルノ流通行為とみなされ、犯罪となるという。
この数年、ソーシャルネットワークと呼ばれるインターネット上のサービス利用が、それを活用することで人的な接触をバーチャルに拡大できるために盛んとな ている。一方、見知らぬ他人に不正な動機で接触する機会を求める者にとっては、これほど便利な道具は無い(自身をいつわることが極めて容易である)。各警 察が発表するいわゆるこどものかどわかし事件では、接触のきっかけはこの種のサービスであることが頻繁である。
この種のサービスの利用に当たっては、記事にあるような注意事項を守ることが自分を守る鉄則であるやに思われるが、実情に詳しくない大人たちが危険度や扱 い方をどの程度認識しているかにはかなり疑問がある。
一方、十代の少年少女たちは、物心ついたときには周囲にコンピューターがあり、何の躊躇もなしにそれに触れてきた世代であり、大人と較べた理解度、取り扱 いの熟達度ないしは利用に対する心構えなどに大幅な差があることを心するべきである。そして保護者と子供たちの間に信頼関係を築くと共に、保護者が子供た ちの行動を把握できている状況を作ることが不可欠である。


夏期休暇の安全対策

 

10年6月8日ピール郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

ピール郡警察は、夏休み期間中、多くの家庭では短期、長期に家を空けることが多いが、空き巣狙い は、留守のサインを出している家を探しているので、留守であることが分からないように、できる限り工夫するよう呼びかけている。

留守の期間がその日限りでも、一週間であっても、簡単なやり方で家と家族を守ることができる:

  1. 休暇予定や休暇中であることを、フェースブック、ツイッターなどのソーシャルネットワークサイトで公開しないようにする。
  2. 移動機器で、Google Latitudeのようなプログラムは非公開ないしは非接続にする。
  3. 信頼できる友人か隣人に、家の様子を毎日チェックすることを頼む。広告や手紙を取り込み、家の車寄せを使うように頼む。
  4. 信頼できる隣人以外に、家を空けることや留守中に自分の敷地に出入りする予定の人物があれば知らせておく。異常があったら、 警察に通報するよう頼む。
  5. 定常的に芝刈りや庭の手入れがされるようにする。
  6. 留守電は、在宅しているようにセットする。留守電がない場合は呼び出し音は低く設定する。
  7. ガレージドアの遠隔操作ができないようにセットする。
  8. 家を空ける場合ないし休暇中、外から見ると、家に誰かがいるようにしておく。電灯接断のタイマーを活用する。
  9. 貸し金庫を利用する。

「夏の安全対策」についてさらに詳しい情報は、郡警察のウェブサイトwww.peelpolice.caで、”Crime Prevention”ボタンをクリックし、“Featured Seasonal Safety Tips”を見ると掲載されている。
同郡警察は、その他の安全確保の進め方についてはB. Rutz警部またはT. McKay警部に問い合わせるよう呼びかけている(電話(905) 453-2121, ext. 4020/4025)。

 

JSS説明


この記事はいわゆる空き巣狙いの家宅侵入に的を絞った、夏の安全確保に関するものである。季節に応じて被害を防ぐ努力をするべき事態はこのほかにも少なく ないが、事件発生頻度から見て、又、検挙率(犯人が特定され、訴追が行われた)の低さから見ても、被害を事前に防ぐことが大変重要なのがこの種の犯罪であ る。
因みに、統計局が昨年の犯罪統計を未発表なので一昨年の数字になるが、2008年トロント市警が管区内で認識した、一戸建ておよびアパートに対する家宅侵 入事件は約8千件、うち一戸建て家屋に対するものは約5千件であった。さらにこれらの事件の検挙率は約18%と言う。
警察が発表する事件の詳報を見ていると、家宅侵入事件では特定の家宅を狙ったものも無いわけではないが、その殆どは侵入の機会を窺った犯人に、易しと眼を つけられたものが多いように見受けられ、従って、目をつけられないようにすることで被害が防げるものが多いと感じられる。
記事にあるように、短期にせよ長期にせよ家を空けていることがあからさまにならない努力、さらに近隣や友人の協力を得ることで、被害はかなり防げるよう だ。


高齢者を狙う詐欺犯に注意

 

10年6月4日ピール郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

ピール郡警察は、トロント在住の女二人を、高齢者に対する数件の詐欺の容疑で検挙した。

5月5日、犯人たちはミシサガ在住の92才の女性に、最近伴侶を亡くした高齢者のためのソーシャ ルワーカーと称して連絡を取った。同日のその後、2人は援助提供者を装って被害者の自宅に現れた。被害者の自宅内で犯人の1人が被害者の気をひいている間 に、他の1人が家内を物色し、現金ならびにクレジットカードを盗んだ。被害者の家を出た後、2人は被害者およびその亡夫のクレジットカードを使用した。
5月26日、通報を受けた警察はトロント在住のCarol WILLIAMS 46才及びElesia PINNOCK 43才を逮捕した。逮捕の際、この二人は、他の高齢の未亡人と連絡を取ろうとしていた。
これまでの捜査で二人は、その多くが高齢者である10人の被害者に対して、盗みないしは詐偽を働いたことが判明した。
両名は、多くの盗みないしは詐偽関連の容疑を受けており、被害はさらに増える見込みである。
同警察は、犯人たちは伴侶を亡くしたことで精神的に不安定になっている高齢者を狙ったと考えている。犯人たちは正規の支援機関に属していると称し、数多く の偽名を使用していた模様である。
Carol WILLIAMSは黒人で、身長約163cm、体重約60kgで中肉。縮れのない襟までの長さの黒い髪をしている。
Elesia PINNOCKは黒人で、身長178cm、体重72kg痩せ型。肩までの、一部をブロンドに染めた濃い色の髪、話し方は穏やかである。
同警察は、被害者がさらにいるのではないかと見ている。特に、最近伴侶を亡くした高齢者の家族は、高齢者に、最近、支援機関の職員からの連絡ないしは訪問 がなかったか、確認するよう呼びかけている。もし、連絡などがあったことが判明した場合、その高齢者のクレジットカードが正しく使われているかについて、 きちんと調べる必要がある。もし、クレジットカードが盗まれた可能性がある考えられる場合、発行銀行ならびに警察に連絡を取るよう薦めている。
これら犯人ないしは、犯人が絡んだと思われる事件に関する情報を持っている人は、同警察(電話(905) 453-2121, ext. 1133)に連絡を取るよう、また、匿名の情報はピール郡クライムストッパーズ(電話1-800-222-TIPS (8477)、オンラインwww.peelcrimestoppers.ca、ないしはテキスト通信“PEEL”のCRIMES (274637))に連絡するよう呼びかけている。

 

JSS説明


高齢者を狙った犯罪は少なくない。この発表例はその中でも、精神的な打撃を受けた高齢者をカモにしている点で極めて悪質と言わねばならない。
高齢者は、家族など周囲ないしは近隣などコミュニティーが協力して守るべき弱者であり、事例の公表によって注意が行き渡るよう願いたい。

 

7月の犯罪


家宅侵入に注意

 

10年7月28日ヨーク郡警ニュース
JSSによる情報提供

 

リッチモンドヒルヒル地区で家宅侵入事件増加しているとして、ヨーク郡警察は住民に注意するよう呼びかけてい る。

ヨーク郡警察は、6月1日から7月22日にかけてリッチモンドヒル界隈で69件もの家宅侵入事件発生の報告を 受けている。
家宅侵入被害の多くはエルギンンミルズ通りの南側で起きており、侵入は正面ないしは裏の入り口、開け放したガレージドアや窓、さらには、2階から侵入する ケースも出ている。
これらの家宅侵入では、現金や宝石、電化製品、工具などが盗まれており、住人が家を空けている日中に被害が多い。
何件かのケースでは家人が在宅しているときにも起きており、2人の不審な男が目撃されている。

7月14日、深夜に起きたケースでは、2人の犯人が、ドンヘッドビレッジ通りの家の玄関ドアを足で蹴って破 り、侵入した。侵入する物音を耳にし、不審に思った住民が、2人を目撃している。家人の目に触れたため、犯人2人は逃走した。犯人は20代の白人2名で、 背丈は約175cmであった。
多くの場合犯人は、大きな物品を運ぶために、バンないしはその他の車を利用している。   
不審な車両を見かけた場合は、ナンバープレートを記録して警察に連絡しよう。
ドアや窓は常に施錠しておくこと。ドアを開ける前に来訪者が誰かを必ず確認し、不審に感じた場合は応答しないこと。家の照明がきちんとしていることを確認 し、家宅侵入されたときに在宅していた場合はリスクを犯すことは避け、 犯人の指示に従うこと。殆どの場合、刺激しない限り、犯人は物品のみが目当てであ る。
家宅侵入の犯人は多くの場合、出入りが人の目に付かない、旅行中や休暇中など家人の不在時をねらう。近隣の人に新聞や郵送物などを毎日取り込んでもらい、 定期的な芝刈もアレンジしよう。また、窓の視界を妨げるような茂みや植物は刈りこんで、見渡しをよくしておこう。
関連する情報を持っている、または情報が必要な方は、ヨーク郡警察Kevin Stoby刑事(電話1-866-876-542 ext7241)、または匿名でクライムストッパーズ(電話1-800-222-TIPS、オンラインwww.1800222tips.com、テキスト通信は TIPYORKのCRIMES (274637)にメッセージを)に連絡するよう呼びかけている。

 

JSS説明


トロント市警の2008年の統計では、市警管区内で起き、警察に通報があった家宅侵入事件状況は以下の通りである。

 


場所

発生数

解決率

戸別住宅

5,071

18.0%

集団住宅

3,804

18.7%

事務所・商店

4,035

24.5%

 

地域の人口を約270万人として概数を計算してみると、10万人当たりの家宅侵入事件発生は、住宅で319 件、事務所商店で145件、総数では334件となる。
これが他の地域と較べての多寡は各種の条件が関わるので一概には言えないが、周囲を見回して被害にあった人の名前を数えると数人を下らないことから考え て、どの地域であるには関わらず、事件発生が非常にまれであるとは言えない。
さらに記事にある地域の人口規模がどの程度なのか判然としないので比較はできないが、限定された地域で約2ヶ月間に69件の発生は、頻発している言ってよ い状況と思われる。
他の地域の発生状況が、記事に類するものとは思われないが、そういう地域があるということは、どの地域でもそうなり可能性があると考え、十分な対応をする 必要がありそうだ。
なお、前記の表にも現れているが、この種の事件は、いわゆる解決率が非常に低いのが常であり、それだけに発生を防ぐことが非常に重要なものである。

 

無責任運転で死亡交通事故増加

 

10年7月27日 オンタリオ州警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

この2年間、オンタリオ州警察菅内の道路では交通事故死が劇的に減少していたが、2010年に入って増加傾向 にあることから同州警察は、自動車事故の「三大」要因である、「無謀運転」、「シートベルトの不着用」、「飲酒運転」の無責任運転の撲滅に乗り出した。
同州警察のJulian Fantino長官は、「2008年、2009年には、オンタリオ州交通安全プログラム(Provincial Traffic Safety Program : PTSP)その他の取組みにより、交通事故による死亡者数が大きく減少したが、このところ道路上での死亡者数が再び増加していることは憂慮すべきである。 無責任な運転によって命が奪われることは、一件たりとも見過ごすことは出来ない旨述べた。
PTSPが全期間にわたって導入された最初の一年だった2008年には、州警察管轄の道路での事故死亡者数は、2007年の451人に対し322人となっ た。これは前年比29%の減少であり、前年に較べて129人の命が救われたことになる。2009年は310人で、さらに改善傾向が進んだ。しかし、今年 は、来7月25日現在の統計で、同州警察管轄道路での死亡者数は163人で、2009年同時期の154人に対し6%の増加となっている。又、2009年7 月の28人対し、2010年7月は、現在までで46人であり、特に深刻である。
オンタリオ州の交通事故死は通常、休暇を過ごす滞在先へ向かう人が増える夏場に多くなる。Fantino長官は、旅行中の運転に一層の注意を払って欲しい と呼びかけている。
同長官は、数字が急増したとはいえ、増加の幅はわずかであり、この数字は統計上の短期現象で、一年をならせば、増加はなだらかなものになるであろうとして はいるが、同州警察はただちに対応し、取締りを強化して、増加を押しとどめる宣言をした。
2010年の現在までの統計によると、飲酒による高速道路での死亡事故は、2009年の同時期と比べ21%増となっており、またシートベルト不着用による 死亡は22%増である。
同長官は、「飲酒運転は、カナダにおける死亡事故の主な原因であり、重く罰せられる。全ての警官に対し、生命を守るため、警戒と取締りを強化するよう指示 した」と語った。

 

JSS説明


日本の総務省統計局の国際比較統計によると、人口10万人当たりの自動車事故死亡率(2006~9年)は、

  1. 日 本 : 6.7
  2. カナダ : 8.5
  3. 米 国 :14.7


となっており、カナダは中位より少ない所に位置している。さらに少ないのが日本であるが、一方自動車事故率を走行距離1億km当たりを基準に見ると

  1. 日 本 : 122
  2. カナダ :  48
  3. 米 国 :  39

と、日本が断然高率となる。これは、日本の渋滞などの交通事情による低速走行が多く、走行時間が長いことが影 響している数値と言われている。
又、自動車事故のうち、当事者のどちらかに飲酒が認められた比率は、

  1. 日 本 : 約 10%
  2. カナダ : 約 40%
  3. 米 国 : 約 35% 

となっており、カナダの高率が目立っている(統計では世界でトップ)。

8月1日から施行される、21才以下のドライバーに対する血中アルコール許容度が0とされた法規も、こういっ た状況をにらんだものと考えられる。記事にある当地の州警察管区内で7月に死亡事故が多発している状況は、州警察ならずとも注目に値する。
日本に較べて広大な地域に少ない人口が住む条件が一因と考えられるが、当地の自動車社会ぶりは極端である。そして其処に住む以上、かなり特別な対応をしな い限り、自動車利用は避けられない。地域事情によって事故の発生が許容されるわけも無く、我々交通機関利用者ないしはドライバーにとっては、より一層安全 に心がける必要を喚起する情報である。

 

移住手続き詐偽や移住者を狙った事件に注意(捜査協力)

 

10年7月14日トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

トロント市警は、詐欺事件捜査に関連して市民の協力を求めている。
事件概要は:

トロント在住のKishorbha Patel 38才には、
これらの詐欺事件へ関与した容疑がもたれている。
市警は、被害者が更にいると見ている。
これらの事件に関する情報を持っている人は市警(電話416−808−1400)、または、匿名でクライムストッパーズ(電話416−222−TIPS (8477)、オンラインwww.222tips.com、または、テ キスト通信text TORでメッセージを CRIMES (274637))に連絡するよう呼びかけている。

 

JSS説明


この記事は、必ずしも日本人ないしは日系カナダ人や日本からの新たな移住者を狙った犯罪に関するものではないと考えられるが、移住手続きをすすめようとし ている学生を狙っていると言う点で、同じ立場にある人々は、安易に見過ごしてはならない事件と思われる。
さらに、警察の発表ではないが、本稿末尾に要約を添付した、比較的若年の留学生の状況は安全なものではないことを示す記事が、13日のグローブアンドメー ルに掲載された。
近年、留学やワーキングホリデーの名目で短期、中期にカナダに滞在、そしてその多くはホームステイをする比較的若年の人々の数が、日本文化を背景に持つ人 々に限らず増加している。この記事は、そういった人々が、犯罪や搾取の標的になったり、ホームステイのホストなどによって暴行や虐待を受けたり、さらに自 身の生活が野放図になったりすることも少なくないことを調査によって明らかにしている。
それぞれの立場上、かれらと何らかの接点を持つ可能性がある我々としては、注意を喚起するだけではなく、彼らが一時の興味で道を誤ることのないよう、機会 を見つけて働きかけることの必要性を認識するべきである。

(添付資料)

 

ホームステイをしている外国人留学生は(性的)暴行を受けやすく、麻薬の常用、過度の飲酒に 陥りやすい(グローブアンドメール7月14日記事抜粋)

 

ブリテッィシュ・コロンビア大学看護科から発表された、BC州に滞在しているG7~12の学生3000人を対 象とした最近の調査結果では、英語を学ぶためにカナダに滞在し、ホームステイしている学生は、カナダに移住した、ないしは、カナダ生まれの学生に比べて;

という結果となった。
さらに、ホームステイのホストについては、適否の判断は斡旋業者ないしは、語学学校などの宿舎斡旋係りによる自主的なスクリーニングが行われているのみ で、公的機関によるもの、ないしは、法的な規制は無く、ほぼ野放しの状態である。自主的なスクリーニングでは、警察の犯罪暦などを参照している例も見られ るが、犯罪暦によるスクリーニングでは意味を成さないと言う声もある。
最近、警察が踏み込んだバンクーバーの売春宿では、中国から来てホームステイ中の17才の女子学生が2名、他の成人女性2名と共に発見されている。宿主は 売春目的の人身売買の容疑がかけられている。
また、2007年に、4人のアジア人女性からの盗み及び殴打の容疑で逮捕された男は、若い外国人学生のホームステイホストだったことが後に判明している。

 

水の事故に注意

 

10年7月5日 トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

7月2日午後3時頃、トロント市警は、救急に関する通報を受け、エグリントン西通り1250番地のクラウンプ ラザホテルに出動した。

報告によると、

さらに報告によれば、

13才の少年は無事だった。12才の少年は病院に搬送され死亡が確認された。

 

JSS説明


カナダ赤十字の、少し以前の統計によると水にかかわる死亡は全死因の第4番目であり、1991年~2000年の10年間に約6000人という多数が命を 失っている。内約80%がプールなどでの溺死だと言う。年次推移では1991年の557人に比べ2000年は369人と大幅な減少を示しており、大変喜ば しい。
しかし毎年夏になると新聞やテレビなどで事故が頻繁に報道され、特に、家庭内のプールなどは幼児が大人の監視なしでは接近できないように設備することの重 要性が強調されている。
この記事では、大人の監視下でプールを使用した少年が死亡しているが、この事件の数日前にはトロント西端部のコンドミニアムの監視員のいないプールをグ ループで使用した14才の少年が2人死亡(1人は事故の2日後)している。後者の場合、プールにはもともと監視員がおらず、16才以下は大人ないしは水泳 の達者な人物の監視下でしか使用してはならない決まりになっていたという。
さらに、赤十字の統計ではボート遊び、入浴中、滝くだりなどでの死亡が数えられており、思わぬ悲劇に遭わないためにも、十分な注意が必要である。

8月の犯罪

 

車の鍵のかけ忘れに注意

 

10年8月24日ホールトン郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

8月23日午後5時頃 ホルトン郡警察は、複数の車に忍び込もうとしている男女を不審に思った市 民からの通報で、バーリントンのオークレー通りに出動した。
通報者から男女の車の特徴も報告された。その後、この通報で盗品のハンドバッグを所持していた男女が逮捕された。

盗品所持、不正行為、保釈条件違反容疑で逮捕されたのは、バーリントン在住の Kyrie MCKAY20才である。さらに、 17歳の女性も、盗品所持、麻薬所持の容疑で逮捕されている。

MCKAYは、保釈聴聞のために留置されている。17歳の女性は開廷日を通達されたのちに釈放さ れた。

ホルトン郡警察は、住民に、車に施錠すること、貴重品は車内に放置しない等を励行するよう奨めて いる。車内の、外から見えるところに貴重品を置くのは、こういった盗みを誘っているようなものだ。

同郡警察は、この種の事件に関係する情報を持っている人は、郡警察犯罪捜査部(電話 905-825-4747 内線 2316)またはクライムストッパーズ(電話 1-800-222-TIPS)に通報するよう呼びかけている。

 

JSS説明


この事件は、あまり珍しいものではない。
しかし、日常的であるという事は、油断をすると誰彼のお構いなしに起きうる事件である。
警察の助言は極めて簡潔だが、被害を防ぐためには有効であるとともに、大きな駐車場などで気をつけて見てみると、車内に貴重品と思しきものを放置している 車は思いのほか多いに気づく。また、犯人達は、買い物客の動きを監視している場合も少なくないそうで、高価なものを買い、一旦車に入れて、さらに買い物に もどる人に目をつけるケースも少なくないと言う。
貴重品は車内には置かない、ないしはトランクに収納し、車にはしっかりと施錠することを励行しよう。
この他、テレビが取り上げているGTA状況では、先週の週央に3日間連続で、トロント市内で銃撃事件が起きたという。連続して起きた3件の事件で、死亡1 名、負傷7名が出ている。テレビ放送によると警察は、この連続発砲事件を一連のものと見ており、背後にギャングの存在があると睨んでいるようだ。
これらの事件については警察の発表は無いが、一方、トロント市警の統計を見ると、今年に入って、銃撃ないしは発砲事件は昨年比で減少しているが、それ以前 に比べると増加している。また、確実な統計には基づかないが、若者による犯行が増加している印象がある。
北米の大都市の中では最も安全といって良いトロントだが、多くの点で日本の一般的な状況とは大幅に異なることを念頭に、注意深く生活する必要がある。

 

性的暴行に警報

性的暴行捜査で31才の男を逮捕

 

10年8月18日市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

トロント市警は、性的暴行事件の捜査で判明した事件の内容を次の通り発表した。

  この事件で、ミシサガ在住のMichael Chiong 31才(別名Karl Kim)が次の容疑で逮捕された。

トロント市警は、同人にはさらに余罪があると見ている。

情報を持っている人はトロント市警(電話416−808−7474)、または、匿名でクライムス トッパーズ(電話416−222−TIPS (8477)、オンライン www.222tips.com、 テキスト通信の場合TOR のあとにメッセージを書いてCRIMES (274637)、または情報をFacebook上に)に連絡するよう呼びかけている。

 

JSS説明


JSSが時として耳にすることの一つに同種の性的暴行事件がある。
この種の犯罪は被害者が告発しないと犯罪になりにくく(親告罪)、また、事態を「恥じ」とし、告発がされない場合も少なくないと考えられる。
さらに、裁判に発展した場合、時間がかかることから、被害者が泣き寝入りするケースも少なくないと考えられる。
当地の犯罪統計を調べてみると、一般に検挙ないしは事件解決率があまり高くない(押しなべて50%程度)中で、性ないしは暴力犯罪は高率(75~80%) の解決率が報告されている。これには色々な要素が働いていると思われるが、社会の関心が高い分野であることもその一因であろうと思われる。
警察には、性的事件を専門に取り扱う部局があり、ウエブサイトには被害の予防はもとより被害を受けた場合の通報の方法、被害者の保護に関する事項などが詳 しく掲載されている。   
日本とは状況が異なる部分も多いと思われるので、市警のウエブサイトを閲覧することは無駄ではない。

 

9月の犯罪

 

「通学時の安全は皆の責任」;新学期交通安全キャンペーンの結果

 

10年9月23日 トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)


9月7日から17日まで2週間に渡ってトロント市警が実施した新学期交通安全キャンペーンが、9月17日に終了した。
同キャンペーン期間中の指導並びに取り締まりを通じ同市警は、子供たちの安全に焦点を当て、歩行者、自転車利用者、自動車利用者等の負傷や死亡事故の減少 を目指したが、この間中に発行された交通違反切符は次の通りであった。;

今年に入ってから交通死亡事故で、既に、31人が命を失っており、うち14人は歩行者だった。道路を利用する 全ての人が、道路の安全は皆の責任であることを忘れないで欲しいと同市警は指摘している。
また、歩行者は、安全のための基本である、道路を横断する際に「止まれ、見よ、聞け」を、忘れず、実行して欲しいと呼びかけている。

 

JSS説明

 

所の東西南北を問わず、交通安全は社会の重大事である。そして、場所によって交通事情は異なるとはいえ、安全 が基本であることに相違はない。
さらに事態が子供たちの通学と重なれば、重要性は増し警察ならずとも十分な注力をするべき事態だ。
発表された交通違反切符の数が多いのか少ないのかについては色々な見方があろうが、取り締まりが市内全域をカバーしたものではなく、学校周辺で重点的に進 められた結果であることを考えると、その数の多さに慄然とする。仮に、場所を特定しないで広域の取り締まりを実施したら、一体どのくらいの交通違反切符が 発行されるのだろうか。
当地に限ったことではないが、日頃運転をしていると、高速道路に限らず制限速度違反は、ほとんど当然であり、その他にも多くの違反が公然と行われている事 例の枚挙に暇はなく、驚きを通り越して、怒りを感じることさえある。
取り締まり当局が、有限の取り締まり能力しか持ちえない以上、こういった状況は世界中で大同小異であり、安全のためには個々人の良識と遵法意識こそが鍵と 思われる。

 

ドライバー同士のトラブルに注意

 

10年9月10日ホルトン郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

ホルトン郡警察は、オークビルのハイウエィ(HWY)403とダンダス通り付近で起きた路上でのトラブル(逆 上)を捜査中だ。

9月2日、午後3時前、オークビル在住の34才の男性が, Upper Middle 通りからHWY403に入った際、白いスバルが猛スピードで追いかけてくるのに気づいた。
スバルを運転していた男は、車を同男性の車に近づけるなどして走行を邪魔した。両者の車がダンダス通りへ降りた時、スバルの男は被害者の車の先回りをして 急ブレーキをかけた。被害者は衝突を避けるために、右側にハンドルを切り、右の路肩に車を止めた。
被害者は、そのままダンダス通りを東に向かったが、男が後をつけて来ていた。男は車を被害者の車に寄せ、停車するよう、動作で示すなどした。
被害者はハイドパーク通りとダンダス通りの交差点で、赤信号で停止したところ、男は車を出て被害者に近づいたが、男が被害者に言葉をかける前に信号が変わ り、被害者は口論を避けることができた。
続いて、被害者はTim Hortonのドライブスルーに行き、出ようとした時に、男が行く手を遮った。男は車から出て被害者を脅した。被害者が携帯電話を取り出すと加害者は車に 戻り、拳銃を持ち出し、被害者を狙った。
男は車に戻り、ダンダス通りを西に向かって走り去った。
男の車は2007以降生産の白いスバルWRX SITの4ドア・ハッチバックで、後部にスポイラーつき、色つきガラスであった。
男の特徴は、白人で34~40才、身長188cm、体重110kg、頭髪は剃っていた。
9月10日、ホルトン郡警察はオークビル在住の Michael FARRELL 38才を逮捕した。
FARRELLは、危険な運転、言葉による脅しの容疑で逮捕され、10月12日にミルトンの法廷に出廷する予定である。

警察は, 被害者の男性が銃と報告したものは携帯電話であったことを確認した。

ホルトン郡警察は、道路上のトラブル(逆上)が度を越さないよう、以下の点に注意するよう呼びかけている。

  1. 事前に道順を決める。道に迷うと、心配と共に不安を感じ、運転が不安定になる。
  2. 十分な睡眠をとる。睡眠が不足すると、イライラが進み、怒りやすくなる。
  3. 長時間の運転は避ける。長距離の際は、数時間に一回の割合で休憩する。
  4. クラクションの使用はどうしても必要な場合に限る。
  5. 興奮をかきたてる音楽は気持ちを攻撃的にし、ゆったりした音楽はイライラを鎮めてくれる。音楽を選ぶ。
  6. 時間に余裕を持つ。時間に遅れていると、車に乗る前でも気が立ってしまう。渋滞なども考慮し時間の余裕をもつ。
  7. 運転法規を守り、速度違反はしない。
  8. 他のドライバーの間違いを、自分を狙ったものと考えず、いちいち気にしない。
  9. 路上でのトラブルが悲劇につながることを忘れない。

 

ホルトン郡警察は事件の捜査を継続中であり、事件に関する情報を持っている人は、オークビル犯罪捜査部(電話 (905) 825-4777 Ext 2215)またはクライムストッパーズ(電話1-800-222-TIPS (8477)0に連絡を取るよう呼びかけている。

 

JSS説明

 

路上での逆上は、わずかなきっかけで起き、結果が重大なことになる例もまれではない。これまでに、発砲や、殺 人、さらに無謀運転の末の大事故につながった例も耳にしている。
当地で車を運転していると、運転時に何を優先させるかとか、運転マナーや他人に対する思いやりといった点で、自分の常識とは異なる行動を垣間見る機会が頻 繁である。特に、それが自分や周囲の安全に関わる場合、頭に血がのぼる場合も少なくない。
この記事の場合、何が原因で被害者の車を加害者が追いかけたかは書かれていないので判然としないが、車を運転する者ならば、こういった類の経験は皆無では ないと思う。
自分の運転を思い返して見ると、時によって普段の自分の行動とは大幅に異なる行動をしている自分を発見することがある。運転時の心理状態は極めて特殊であ るという研究を読んだこともある。そういった諸々を考えると、警察の助言は極めて適切であり、周囲のためはもとより、自分のためにも心するべき事だと思 う。
当地の運転教習所に通ったことがないので詳細は分からないが、当地では安全な運転では「防衛的運転」が強調されると聞いている。運転することを避けにく い、自動車社会の当地で、運転が身の破滅につながらない「防衛的運転」は必須である。

 

「通学時の安全は皆の責任」;新学期交通安全キャンペーン

 

10年9月3日トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)


トロント市警は、「通学の安全は皆の責任」、と題した新学期安全キャンペーンを9月7日から17日まで実施し、交通安全教育に力を入れている。   
このキャンペーン中、同市警は、スクールゾーンやコミュニティー安全区域内でのスピード違反や無謀な運転等の交通違反を重点的に取り締まることとしてい る。

さらに、歩行者並びに自動車利用者が、特に、子供の安全に注意を払うように啓蒙活動が進められる予定である。 保護者は、子どもの年齢を問わず、子どもと共に、歩行者の安全に関する事項を再確認し、道路横断の際に「止まれ、見よ、聞け」を実行するようにさせるこ と。さらに重要なのは、保護者が交通安全について正しい手本を示すことであるとしている。

同市警が指摘する交通安全に関する注意事項は次の通りとなっている:

学童(歩行者)に対して

  1. あらかじめ道順を決め、落ち着いて行動する。
  2. 周囲の状況に注意し、次に起きることを考え、自分が周囲から見えるようにする。
  3. 登校時は混雑を避けるために、学校の1ブロックほど手前に停車し、学校までは歩かせる。
  4. 横断は、標識や信号などで示された場所で、安全を確認してから。
  5. 横断歩道のない場所での横断は避ける。
  6. 歩道橋を利用する。

 

自動車利用者に対して

  1. 停車して、安全になるまで待つ。
  2. いつでも止まれる速度で運転しよう。
  3. 右左折は、歩行者がいないことを確認してから。
  4. スクールバス乗降場所には、駐停車しない。
  5. 交通、駐車規則を遵守する。
  6. 駐・停車禁止場所、曲がり角の近くないしは見通しを悪くする場所には駐車しない。

JSS説明

 

新学期が始まるこの時期に警察は、毎年、登下校の際の交通安全キャンペーンを行う。キャンペーンのポイント は、ドライバーないしは自動車利用者側だけに注意を喚起するのではなく、子供たちを含む道路利用者すべてに注意を喚起し、安全の責任を問うていることであ る。
この安全キャンペーンでは毎年、数多くの交通切符が切られ、ないしは違反警告を受ける。その内容は、これまた毎年変わらずに、無謀な運転であったり、速度 違反ないしは危険を伴う駐停車違反だったり、さらに、違法又は、危険な横断であったりする。
違反切符を切られたり、警告を受ける人は毎年同じではないのだろうが、毎年、同じように繰り返される状況を見ていると, それが現実とはいえ、情けないものだと、思わざるを得ない。
さらに、どことは言わず登下校時の学校周囲では、近隣の人々の迷惑を無視した(例えばドライブウエイやレーンウエイの出口を塞ぐ)駐停車や無謀な横断が、 それが当たり前のように行われているのを見かける事は珍しいことではなく、何とも情けない状況だ。警察が、発表文で「学校の1ブロック手前で停車し て…」、と推奨しているのには理由がある。
警察が重きを置いている学童の交通安全の重要さにはまったく異論は無く、大いに、そして厳重にドライバー側の違反を取り締って欲しいと思う一方、学童や保 護者の、自分たちが犯している不注意ないしは違反に対する意識向上も重要であることは論をまたない。

 

10月の犯罪

 

車のブレーキケーブル損傷

 

10年10月28日 トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

トロント市警は、車のブレーキ・ケーブルが損傷させられていたという複数の通報が同市警にあったことを報告し ている。

10月25日から26日の早朝にかけて、ベルフェア通りに駐車してあった車6台のブレーキ・ケーブルが損傷し ていたとの報告がトロント市警にあった。
現時点では、これら6件は関連していると見られている。
同警察は、地域の住民に、車を使用するに当たって、異状がないかを点検するよう注意を促している。

同市警は、車の損傷や疑わしい事態があった場合、同警察(電話 416−808−2222)、または、匿名でクライムストッパーズ(電話 416−222−TIPS (8477)、オンライン www.222tips.com、テキスト通信ではTORにつづけてメッセージを書き CRIMES (274637)に、ないしはFacebookに情報を記入)連絡するよう呼びかけている。

 

JSS説明

 

車の損傷が発見されたのはウッドバイン通りの東、ビーチパークの北のクイーン東通りに北から接する通りであ る。
路上に駐車している車のタイヤなどに損傷を与えるケースはときにあるが、この事件のようにブレーキが作動しなくなるような損傷の与え方はあまり耳にしな い。ドライバーが気づかずに車を動かし、速度をあげた場合、極めて危険な事になる。
詳しいことは分からないが、この地域はいわゆる旧地区に属し、ガレージのない住宅が少なくないと考えられる。結果として夜間の路上駐車が少なくない事が想 像され、そういった車を狙った犯行と思われる。長時間、路上に駐車する場合、十分注意して発進することが必要である。

 

インパクト作戦の結果

 

10年10月19日 オンタリオ州警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

オンタリオ州警察(OPP)は、交通安全に対する意識向上及び交通法規の遵守により、路上で失われる生命と深 刻な負傷を減少させるため、州内全域において交通安全運動「インパクト作戦」を実施した。この州全域規模の交通安全運動は10月8日(金)からサンクスギ ビングデイ11日(月)にかけて実施された。

この期間にオンタリオ州の路上で8人が命を落とした。うち6人は高速道路上の事故で、2人は、四輪バ ギー(ATV)を利用中に重傷を負った。

この6件の死亡事故のうち、オートバイが巻き込まれた事故では、オートバがムースに衝突し2名が死亡した。警 察はこの時期、夕刻から早暁にかけて鹿やムースの路上での活動が活発になっており、注意が必要であるとしている。自動車運転の際は、速度を落とし大型動物 の出現に注意が必要である。

同州警察はこの週末を通じて、「速度違反」及び無謀な運転の摘発に的を絞った。この結果、速度違反で 6,874件、飲酒運転で114件、さらに、シートベルト不使用で772人が摘発された。合計11,160件がこのサンクスギビング週末に摘発された。

交通安全担当のBeechey州警察副長官は、「事故による死亡は防ぐことが出来る。州警察が総出で取り締ま りを進めているが、一方で、人々が速度を落とし、安全運転することを願っている。この週末に事故で命を失った人々の家族の生活は一瞬にして変わり、それが 一生続くのだ」と語った。

同州警察は、州内の各警察とともに、ドライバーが安全運転のための法規を守り、カナダの道路を世界で最も安全 なものとするよう活動したいとしている。

 

JSS説明

 

全国規模の交通安全運動「インパクト作戦」は、サンクスギビングの週末連休を中心に、各地の警察が参加してす すめられた。この記事で州警察が発表している数字では、少なくない数の交通切符が発行されたようだし、他の警察が発表している数字も、取り締まり件数は少 ないものではない。
カナダ運輸省が公表している、交通事故死に関する統計では、死亡者は1970年代に較べ半減し、ここ十数年で更に漸減しているとはいえ、発生数を単純に人 口比率で換算してみると、交通/道路事情の差など状況を左右する要素は多くあるとはいえ、日本に較べて少なくない被害者が出ている事が分かる。統計の一部 を抜粋すると;

各警察は、交通事故は「すべての道路利用者の責任」、「多くは発生防止可能」との標語を掲げて、安全運転意識 の向上運動や厳重な取り締まりをすすめ、対応しているが、速度違反を始めとして飲酒運転、無謀運転ないしは昨年オンタリオ州で始まった、携帯電話など運転 者の注意を逸らす行動の禁止条例などの違反運転を、日常目のあたりにする事が決して珍しくないのが現実だ。
それぞれが、道路を他人と共同で利用するものとしての責任を自覚し、行動の結果が被害者のみならずその近親者に及ぼす苦痛や困難を思い起こして運転するよ うにしたい。

 

強盗男を逮捕

 

10年10月7日 トロント市警ニュース

(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

10月5日午前零時半頃、警察はダンフォース通り・メイン通り付近で発生した強盗事件の通報で出動した。
事件の状況は、次の通りであった:

さらに、同日午前2時10分ごろ:

さらに同日午前4時55分ごろ;

10月5日午前5時過ぎ :.


これら一連の事件の犯人は、ウッドバイン通り・クイーン東通りでトロント市警により発見され逮捕された。

男は、住所不定Matthew Dawson 37才で、

  1. 強盗3件
  2. 監禁
  3. 凶器を伴う暴行3件
  4. 凶器携行3件
  5. 凶器を隠し所持3件
  6. 殺害するとの脅し
  7. 身体に傷を与えた暴行

の疑いで告発された。

 

JSS説明

 

路上の強盗事件発生は少なくないが、凶器を用いた事件は、頻発はしていない。いろいろな手を使って被害者を騙 し、注意を逸らすなどして犯行に及ぶのが通常である。しかしこのニュースのような例もあるので、ここで取り上げた。
犯行の動機や詳細な状況などの記述はないので判然としないが、被害者の所持品を取り上げたうえで暴行に及んでいること、数時間間を開けているとはいえ、ほ ぼ同じ地域で次々に犯行を重ねていることなど、犯人にかなり異常なものを感じる。
一方、事件は、深夜から明け方にかけて起きている。夜間、女性が一人歩きをしてもさほどの危険がないなど、いわゆる安全神話のある日本に比べると当地は、 北米の他の大都市に比べて安全なところと言われるが、実状は日本とは程遠く、常に危険が待ち受けているところである。厳重な規制にもかかわらず頻繁に発砲 事件が起き、通常の交通検問で車内に置かれた銃砲が発見されることも珍しくない場所柄である。
安全の確保には、十分な注意が必要である。

 

 

家宅侵入事件が多発

 

10年10月7日 トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

トロント市警は市内の、ベイビュー通り、スティールス通り、レスリー通り、シェパード通りに囲まれる地域で9 月から10月にかけて夜間の家宅侵入事件が増加しているとして、注意を呼びかけている。

同市警は、住民に、家に人がいる場合でも夜間、特に、地下や1階に通じる窓やドアをしっかりと閉め、施錠する ことを忘れないよう指導している。
さらに、自宅に警報システムがある場合には、在宅であっても、常に、システムを作動させておくことを奨めている。

また、もし警報が鳴った場合、家の周囲を調べ、異常や疑わしい状況があったら、警察に通報するよう呼びかけて いる。

疑わしい状況としては、深夜に緑地に見知らぬ人物がいる、時間を問わず、自宅や近隣の家の敷地内見知らぬ人物 がいる、ドアや網戸に新しい傷がつけられている等があげられる。

疑わしい状況があった場合は、警察に連絡し、指示を得よう。同警察では、住宅所有者に、敷地内の状況、特に、 犯人が逃げ込む可能性の高い、庭の物置に注意するよう指摘している。

同市警は、家宅侵入、あやしい状況に関し、情報を持っている人は警察(電話416−808−3300)、また は匿名でクライムストッパーズ(電話 416−222−TIPS (8477)、オンラインでは www.222tips.com、テキストの場合 「TOR」につづけて書いたメッセージをCRIMES (274637)宛に、または情報をFacebookに書き込み)連絡するよう呼びかけている。

 

JSS説明


警察の統計を見ると、2008年(警察がウエブサイトに公表している統計で最新)年間に一戸建て及び集合住宅への家宅侵入事件発生は、8,875件が報告 されている。単純に割り算をしてみると、一日当たり約25件となるが、発生数のどの程度が通報されているか不明なので実状については不明である。
さらに、この数年、事件解決率は、20%を下回るのが常である。被害を通報した人の80%は、犯人が不明と言うことになるのだから、妙な言い方だが手の打 ちようがない・・・と言うのが正直なところではないだろうか。
こうなると、我々、一般居住者としては、何とかして入られない対策を考える以外に、対策がない。
このニュースからは、家人が階上で寝静まった夜間に、施錠されていない窓や入り口から侵入し、気づかれないうちに物品を盗み出す手口が多いことが想像され る。極めて基本的な事ながら、ドアや窓(特に地下室に通じる窓や、ガレージの裏口などは、忘れやすい)に施錠し、セキュリティーアラームを作動させると 言った事が効果があると、警察は述べている。
さらに、多くの記事を読んでいると、入り口からの押し込みも少なくない。見知らぬ人物の訪問は、十分に注意し、身分証明書の提示などで相手を確認する事が 基本だが、疑わしい訪問者には対応しないことも予防の一つである。

11月の犯罪

 

ネット購入した薬で3人が病院へ

 

10年11月29日 ダーラム郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

エージャックス在住の十代3人が、ネットで購入した化学化合物を服用し,入院した(うち一人は集 中治療室)。
11月27日正午過ぎ、ダーラム警察は、17才の少年が、服用した薬でひどい副作用が出たとの通報で、エージャックスのキングストン西通り・チャーチ北通 りの住宅に出動した。
現場の住宅には、既に、到着していた救急隊と消防隊員が、嘔吐の末に失神した少年の手当をしていた。同住宅の地下には、同じく薬物の影響を受けた他の2名 がいたが、症状は軽かった。
3人は、ルージュバレー・エージャックスおよびピッカリング病院に搬送され、17才の少年は、集中治療室に収容された。
残りの、共に18才の2人の症状は軽く、経過観察のため入院した。
調べによると、少年のうちの一人が、インターネットを通じて精神に作用を及ぼす化学化合物を購入し、前日午後8時半ごろ3人で同住宅内で服用した。17才 の少年の症状は、翌日には回復し、命はとりとめる模様である。
同郡警察は、十代ないしは成人前後の人々は、特に、インターネットを通じて購入した、処方箋によらない薬物の服用が大変なリスクを伴うことであることを忘 れないようにしてほしいと注意を呼びかけている。

 

JSSの説明

 

薬物の購入がどの程度インターネット経由で行われているのかの統計が手元に無いので実態は不明だ が、筆者が、毎日受信しているメールの中に、薬品購入を誘うものが数多くあることから想像して、決して少なくないと思われる。また、この記事にあるよう に、一般的には入手しにくい、ないしは取引が禁じられている薬物がインターネットを経由して取引されている可能性は、これまた極めて高いと考える。イン ターネットによるメールの交信は、それを行っている人物を特定する事が極めて難しいことが、こうした薬品売買の要因となっている。そういったインターネッ トの特性を生かした不正な取引のうち、明るみに出るものは、ほんのわずかである。

この記事の場合、副作用によって異常状態を発症した少年が家人に伝え,事態が警察などの公的機関 に伝えられたたために明るみに出たが、家人などに伝えられずに闇から闇に葬られるケースは少なくないのではないだろうかと考えられる。
過日、CP24が報じたニュースのある調査では15~17才の1/3、18~19才の1/2がマリワナを試したことがある反面で、12才から17才の子供 を持つ両親ないしは保護者の70%は、子供たちが非合法な薬、ないしは自宅の薬箱に入っている、処方箋によって購入した薬品(睡眠薬など)の使い残しなど を試したことはないと考えているとの結果が出ていると言う。
インターネットは子供たちに、手に入りにくい薬などを入手する手段となっているし、親たちは子供たちがそのようなことはしていないと信じているのが実態で ある。

 

子供たちの「安全なネット利用」

 

10年11月9日 州警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

オンタリオ州警察(OPP)は、犯罪防止週間(11月7日~13日)と同じタイミングで、イン ターネットを利用する子供達の安全を守る保護者用の「Cyber Safety Program: 安全なネット利用プログラム」をスタートさせた。

インターネットは、子供達に学習機会を提供する反面で、ネットを通じたいじめや脅しなどを含む、 児童虐待への門戸を開いてしまう可能性を持っている。
このプログラムには、子供達が学んだり遊んだりしているネットの世界に関する、保護者が知っておくべき脅威ならびに関連する多くの情報が盛り込まれてい る。さらに、子供達が接続しているサイトや、子供達のネット利用を監視する方法も紹介している。

OPP犯罪防止課の Mark Allan警部は、「このプログラムは子供達が安全にネットを利用するために、警察が学校で子供逹に、安全なネット利用法を教える際に使用するともに、子 供達のネットの安全な利用を直接指導する立場にある保護者が利用できることを目的としたものだ」と説明している。

保護者のための安全なインターネット利用チェックリスト

保護者は子供達と、インターネット利用に伴うどんな危険があるのか、それらにはどのように対応す るべきかを話し合うことが必須である。以下は、子供達を守るための基本的な方法の例である。

 

さらに詳しい情報が欲しい場合は、以下のサイトでアクセスできる。
保護者用;http://www.opp.ca/ecms/files/250363925.pdf
子供達用:
http://www.opp.ca/ecms/files/250363929.2.pdf
OPP防犯課について:http://www.opp.ca/ecms/index.php?id=47

 

JSS説明

 

日に日に利便性を増すインターネットは、利便性が増せば増すほど、リスクを増大させるものでもあ る。
子供たちにとっても、日常的に無くてはならないものである反面で、数々のリスクをもたらすものであることに論を待たない。さらに、日進月歩する利用法を極 めて敏感に取り込んでいる子供たちと、現状を追うだけでも相当な努力を要する保護者との間のギャップは埋めることが非常に難しいものかと思われる。
そういった現状を踏まえてOPPが、記事にあるようなプログラムを作成したことは極めて時宜を得たものと考える。もっともかなり以前から、警察に限らず教 育に関わる、ないしは青少年の育成に関わる人々はいろいろな場面でネット利用に関する注意を喚起し、詳細な対応方法などを発表してきている。
記事にあるいくつかの注意事項は、既に言い尽くされた感のあるものもあるが、保護者たるもの、十分な関心を持って対応して欲しい事項である。
当地でも、そして日本でも子供達の世界で、ネットを通じた情報流通が極めて重大なリスクとなっている例は無数にある。

 

「冬に備えよう」=州警察(OPP)

 

10年11月5日 オンタリオ州警察ニュース

(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

オンタリオ州警察(OPP)は、冬の道路には、予期しない危険が生じるので、安全運転に心がける よう、また、そのための車の冬の準備を始めるよう次のような注意を呼びかけている。

 

車の準備

 

冬の運転での注意事項は、

また、1-800-268-4686 でもService Ontarioが、オンタリオ州の交通情報の提供を行っている。

 

JSS説明

 

ここ数年極端な低温、ないしは極端な降雪があまりない冬が続いているが、この記事にもある通り今 年の冬は、寒冷で降雪が多いと予想されている。
筆者は、当地に20年以上住んでいるが、積雪ないしは、凍結した道路の運転にかなり慣れたとは言っても、特に、寒冷期、降雪期になって間がない時期には、 運転に非常な神経を使う。
さらに、多少馴れができた時期に注意を怠って、ぞっとした記憶も一度や二度ではない。また、万一に備えて緊急用品をトランクに入れておくことの重要性を身 にしみた(トランクに緊急用シャベルを入れ忘れていた)こともある。
この記事は、短くまとめたものだが、詳細にわたるものは多くの関連機関から発表されており、記事中にある州運輸省のサイトにも詳しい説明が掲載されている ので、ぜひ一読をお勧めする。さらに、いくつかの機関が行っている、スキッドスクールなども、安全確保のために有効と思われる。
なお、雪ないしは凍結した道路での運転に際して特に留意しているのは、速度と車間距離である。さらに、急加速と急ハンドルは絶対に避けなければならない。 万一、スキッドを始めてしまった時の対応方法なども大切だが、そうならないために、先ず、速度と車間距離を状況に合わせることが最も重要と思われる。さら に、根本的なこととして、できうる限り危険な状態では車での外出を避け、公共交通網の利用を検討すること。万一、運転が避けられない場合には、必要時間を 十分とって出かけることだ。また、携帯電話の携行も忘れてはならない。

 

 

12月の犯罪

 

車の視界を確保し安全運転

 

10年12月17日ホールトン郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

ホールトン郡警察は、避けることができたと見られる数多くの車両事故の対応に追われているとし て、ドライバーに冬の安全運転を呼びかけている。
毎年この時期には、これらの事故は、法令が定めている全方向の安全視界を確保するために、「前面、側面さらに後ろの窓から雪や氷を取り除く時間」をドライ バーが十分に取らなかったために起きていると指摘している。雪や氷を取り除く僅かの時間を惜しむことで、安全な通勤が事故遭遇に変り、さらに道路交通法違 反につながる。
オンタリオ州道路交通法の74条第1項(a)で、何人も、ドライバー側の車両前方乃至側方への視界が視認できない限り車を運転してはならない, さらに、74条第1項(b)で、後部窓が車両の後方を視認できない限り車を運転してはならないと定めている。但し、74条第2項では、74条第1項(b) に関し、ドライバーが車両に固定された一つ、または、複数の鏡で後部窓から見えると同様の道路状況の確認ないしは後部より接近する車両が視認できる場合、 同項の適用は除外されると定めている。
従って、サイドミラーには汚れが無く、視界が保たれるようにしておかなくてはならない。
同警察は、安全第一、フロントガラスをきれいにして、安全ベルトを忘れず、携帯電話は切って運転するよう呼びかけている。

 

JSS説明

 

視界確保のための雪払い、氷かきは極めて重要であることは言うまでもないが、さらに走行中に他の 車に屋根の上などの雪や氷が飛んで、一時的にせよ他車の視界を奪ったり傷をつけるなど、迷惑をかけることの無いよう、窓に限らず車体についた雪や氷はしっ かりと払い、かき取った上で運転するようにしよう。

 

車上荒らしに注意

 

10年12月16日 ダーラム警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

今年11月までに、ダーラム郡警察には、車内からの盗難事件が、ほぼ2,600件報告されてお り、同郡警察は、年末の買い物客に車の鍵をしっかりかけるよう注意を促している。
ダーラム郡では、警察に通報される犯罪の25%以上が物損事件で、さらに、毎年2,500件以上の車内からの盗難が報告されている。
特に、外から見えるところに貴重品が置かれた、鍵のかかっていない無人の車は盗みを誘い,被害を呼び込んでいるようなものである。 泥棒は、鍵のかかって いない車のなかに放り出された小銭、電子機器、買い物包みを狙っている。
この年末繁忙期に当たって、郡警察は、地域のすべての人々が、車内の大切なものを外からの目が届かないところにしまい、車にしっかりと鍵をかけるよう奨め ている。もし、犯罪が行われているところに遭遇したら、911に通報し、どのようなことでも疑わしいものは、警察が行う捜査のために報告しよう。同郡警察 は近隣で起きている物損犯罪防止に
乗り出すこととしている。

 

JSS説明

 

犯罪の被害にあった人を非難するのは本意ではないが,特に、車上盗の場合、警察が注意を喚起して いるのは、出来心を誘うような状況が少なくないからである。「盗んでくれ」といわんばかりの状況は、筆者も見かけることもある。僅かの注意で被害を避け、 出来心を起こさせないとしたら,妙な言い方だが一挙両得である。

 

 

 

 

大雪、寒波の中での運転に注意

 

10年12月14日 ヨーク郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

12月13日から14日にかけ、トロント北部を中心に寒波が襲来し、特に、早朝の通勤時間帯に事 故が多発した。
13日夜半から翌日昼にかけて、同郡警察に85件の交通事故発生の通報があった。同郡警察は、ドライバーが天気によって変化する道路状況に合わせた運転を すれば、これらの事故の多くは避けられたとして注意を促した。

同警察は、寒波が来襲し、気温がマイナス12℃まで下がると,路上に撒かれた塩で雪や氷が融ける には大幅な時間を要すること、場所によっては、強い風で視界が悪化することなど冬の道路の危険を指摘している。
また、運悪く事故に巻き込まれたら、同乗者ないしは相手車両の利用者が負傷していないかの確認するよう呼びかけている。

同郡警察は、天候の状況に合わせた運転を呼びかけており、天候状況に合わない高速走行、怠慢な運 転を含む不注意運転、速度違反、危険な車線変更、車間距離過小、危険な追い越しなどに目を光らせている。冬季の状況に合わせた運転をしないドライバーは停 車を命じる。

積雪がある道路での主な事故原因は、状況に合わない高速走行,車間距離過小、視界不良並びに不適 正タイヤなどである点を指摘し、速度を落とし、安全運転に心がけるようよう呼びかけている。

さらに詳しい情報を知りたい場合は、同郡警察交通部(電話1-866-876-5423, ext. 7703),または、traffic@yrp.ca までメールで問い合わせるよう併せ、呼びかけている。

 

JSS説明

 

これまでも数多くの, 冬季の運転に関するニュースを取り上げてきた。毎年冬になり,積雪や道路の凍結が始まると警察は同じような注意事項を並べた警報記事を掲載している。事故 数の多少の増減はあるとしても、無視できない数の事故が起きているのが実状だからである。そして、事故の原因は、積雪ないしは凍結道路の運転の基本事項で ある、速度を落とし、車間距離をとり、急ブレーキ、急加速をしないなど、言い尽くされている注意事項が守られていないためである。
冬季とは言え、自動車社会の当地では、運転をしないで生活する事が出来る人は限られている。ほとんどの人は好むと好まざるとに関わらず,運転せざるを得な い。出来れば運転を避けようと言う警察のすすめもあるが、それが実行できない人が多いことは確かだ。運転はせざるを得ないのだが、自分が被害を被るばかり ではなく,他人を巻き込むことが往々にしてある。事故は,何としても避けなくてはならない。そのためにも、守るべき事項はきちんと守ろう。

 

暖気運転中の盗難に注意

 

10年12月9日 トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)

 

トロント市警は住民に、ほんの少しの間でもエンジンをかけたままで車を離れることの無いよう注意 を促している。
極寒の時期,早朝に、家の車寄せでエンジンを掛け放しにされた車が,標的になっている。

 

JSS説明

 

このニュースは、極寒注意の天気予報が出ていたこともあり、同市警が発した注意報である。この種 の警報は、各地域警察も発している。ヨーク郡警察の場合は、今季、既に4件の同種事件が起きているとして注意を促している。
ヨーク郡警察の記事によると、11月にヴォーン市で発生した例では、午前6時頃、エンジンをかけたまま放置された車が住宅の車寄せから盗まれている。その 後、オーロラ町でも発生、12月に入り、ヴォーン市、マーカム市でエンジンがかけ放しにされた車が、それぞれ住宅の車寄せから盗難に遭っている。
内一件では,車内に置かれていたノートパソコンも盗まれている。

各警察は、以下の予防対策を強調している。

その他、次のような注意を呼びかけている。