11月の犯罪情報
情報聞きだし詐偽に注意喚起
07年11月22日ホールトン郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)
ホールトン郡警は、年末になり、家族や友人への贈り物を購入する機会が増えてくるが、その際に、クレジットカード等の個人情報がむやみに流出しないよう注意を呼びかけている。
コンピューターでインターネットにアクセスしている人にとって、銀行や証券会社と称する疑わしい発信元から送られてくる不審なメールで、安全管理などを理由として個人情報を問い合わせてくる「情報掬い出し (
Phishing) メール」詐欺については、一般的に知られている。
この他に、「音声phishing」と言われる「Vishing」がある。 これは「情報掬いだしメール」の新たな手口で、電話を使って消費者をだまし、個人情報を聞き出す犯罪手口である。
犯人はまず、クレジットカード会社、オンライン販売サイト、銀行ないしは政府機関からと受け取られるe-mailを何千人もの人に送りつける。
このメールは、安全確保のために地域ないしは無料電話番号に電話するよう要求してくる。その番号へ電話をすると、自動応答装置が作動し、クレジットカード番号、オンライン銀行取引用のパスワード(個人認識番号)などの個人情報の入力を求めてくる。 この指示に従って個人情報を応えると、電話はそのまま切れる。
安全管理の専門家によると、ボイスメールを残したり、偽の番号に電話をかけさせる手口があるという。また、犯人は安価かつ身元や発信場所が発覚しにくいインターネット電話(VoIP)などを使い、その電話が一般の電話会社の電話番号であるかのように相手の電話機に表示される操作もするという。
JSS説明
筆者の自宅には、毎日数回の不審な電話がかかる。他にテレマーケティングからのものもあるが、電話を取ると相手は無言なのだ。おそらく機械装置を使ってダイヤルしており、呼び出し音と実際の会話開始に時間差があるためと思われる。
一方インタネットを通じた商品などの売り込みは多彩である。また記事にあるような、有名銀行の名前を使い、口座のセキュリティー向上、オンラインバンキングの操作改正に伴うなどと称して、他のサイトへのアクセスを誘うものは数多い。
以前、個人情報の掬い出し詐欺(スキミング)と思しいメールが配信された折、銀行に問い合わせたところ、銀行はそういったことにはメールないしは電話は一切使用しないので無視してほしい旨の助言を得た。
こういった詐偽は、状況設定を被害者があわてるように行い(口座が無効になるなど)、被害者に検討の余地を与えない。被害を受けないためには、すぐには反応せず、関係機関(できれば複数)に確認を取ってから対応する事が鉄則だと考えてい
る。
単独自動車事故で死亡
07年11月15日ホールトン郡警察ニュース
(Japanese Social Services 情報提供)
ホールトン郡警察事故復元課は、9日早朝に発生した男性の死亡事故につき、現在、調査中である。
11月9日午前4時頃、黒色の小型トラックがホールトン郡のアーガイル地区の10号線を北に向け走行していた。目撃者によれば、トラックは、急ハンドルを切り、スリップして車道から飛び出し、車道の東側にある大きな立ち木に衝突した。
運転者側のドア付近が立ち木に衝突し、車を運転していた男性が車から投げ出されその衝撃で死亡した。運転していたのはジョージタウンの21才の男性である。
警察の現場検証及び目撃者の情報から、同小型トラックの前方を動物が横切った事が示唆されている。男性は、危険回避の動きに出、車をコントロールできなくなった模様である。走行速度が事故の一要因であったと考えられている。
JSS説明
日本でも車の前方を犬猫が横切ることは無いわけではないが、トロント近郊では犬猫のほかリス、ラクーン、狐、スカンク、鹿などの多くの野生動物が、道を突然横切ることは少なくない。この場合われわれは本能的にブレーキを踏む、ないしはハンドルを切る事がほとんどだが、カナダの常識は「急ブレーキや急ハンドルは避け」、「そのまま走れ」である。特に雪などによって道路が滑りやすくなっている場合、これはほぼ鉄則である。この事故はその「常識」や「鉄則」が行われず起きた事が発表に示唆されている。
当地に不慣れな日本人の場合、ブレーキ、ハンドルなどの「本能的」な反応が通常と見られるが、発表のような事故につながったり、後続車に追突される危険があることを心しておかなくてはならない。
なお発表には記述が無いが、事故の様子から安全ベルト不着用が推測される。
また遠方から認識できる状態で動物や水鳥が道を横断している場合は、当然であるが「道を譲る」。
4月の犯罪情報
麻薬の一斉捜査で20名逮捕
4月26日付ホールトン郡警察ニュース
(Japanese Social Serviceによる情報提供)
4月20日、ホールトン郡警察、バーリントン地区高校連絡事務所および青年局は、「全国マリワナ撲滅日」に当たり、バーリントンの高校2校で一斉捜査を行った。
へドン通りにあるレスター・ピアソン高校で手入れを行った警察は、学校のすぐ東にある雑木林に学生が集まっているのを発見し、逃亡しようとした麻薬密売人を含む14人の青少年を逮捕した。また、240gを越すマリワナと麻薬吸引具、エクスタシーの錠剤および現金$700を押収した。
続いて、同警察はアッパーミドル通りにあるロビンソン高校の捜査を行い、未成年者20名、成人2名、合計22名を麻薬関連の違反で逮捕すると共に、78gのマリワナと各種の吸引具を押収した。
今回の一斉捜査で合計34名の学生が停学処分となり、20名は麻薬取締まり法に基づく23の罪状で告発された。
今回の捜査はホールトン地区教育委員会の協力により警察と学校の両者が「生徒の安全を守ろう」という考え方の下に実施された。
ホルトン郡警察はこの種の捜を継続する予定であり、関連情報の提供をバーリントン犯罪捜査課(電話(905) 825-4777 または(905) 634-1831 Ext. 2315)又は、クライムストッパーズに電話(1-800-222-TIPS (8477))するよう呼びかけている。
JSS説明
これまでも繰り返し報告しているが、カナダにおける麻薬、特にマリワナの使用は、日本の実態とはかけ離れている。この記事から学校における麻薬使用の実態の一角が、明確に見て取れる。
記事が述べているようにこの手入れは無作為に選ばれた2校に対して行われ、相当数の違反者が逮捕されている。またこの手入れはハミルトン市、ミシサガ市に隣接する人口165千人のバーリントン市で行われたもので、トロント市の人口約2.5百万人、GTAの人口約5.5百万人, ないしはトロント市内の中・高等学校数が百を越えている状況を考えると、青少年の間での麻薬使用は警察や教育委員会はもとより保護者にとって無視し得ない状況になっているといわざるを得ない。
特に、麻薬に関する考え方がまったく異なる日本のみを経験している青少年やその保護者にとっては、まず当地での実態を把握し、何らかの対策をとることが必要と考える。対策に関するヒントは別途取りまとめるが、基本は日常から保護者と子息との間に率直な話し合いができる関係を構築しておくことである。
強盗容疑で男を逮捕
4月11日付市警ニュース
(Japanese Social Serviceによる情報提供)
4月10日、トロント市警はトロント在住のSabrullah Khan(18歳)を強盗及び盗品所持の容疑で逮捕した。
調べによると、Khan容疑者は、
- 3月26日、自分のラップトップの販売を、インターネットの広告サイトに掲載した34歳の男性とウエストン通り・フィンチ西通り地域で会った際、銃を突きつけその男性からラップトップを奪ったとされている。
市警は、新聞広告またはインターネットのサイトを利用する人すべてに、広告を種にしている犯罪に十分注意するように呼びかけている。
JSS説明
掲出した事件では、被害はラップトップなどでかつ盗品は回収されたので、軽微であると言えるが、銃が使われているので、被害者が犯人の要求に応えなかったら重大事件になっていたかもしれない。またインターネットを使った犯罪は、その普及に伴ってますます増加し、また巧妙さも加えているので、注意を促す意味で取り上げた。
最近、インタネットを使った物品の取引は、正規の物を含めて無数にあり、犯罪者が悪事の種にする機会を提供している。また、物品の取引に限らず、多くの詐欺事件にもインターネットが利用されている。その利便性については疑問の余地はないが、そういった特性を利用した犯罪は当地に限らず数多く起きていることも同様に疑問はない。
以下は昨年ヨーク郡警察がウエッブに掲載した注意事項である。
- 個人情報をオンラインで使用する時には十分な注意を払いましょう。
- 個人認識番号は誰にも知らせてはなりません。
- オンラインでサインしたりクレジットカード番号を渡す場合、相手の会社の信用度を確認しましょう。
- オンラインでコンタクトした相手は、相手が名乗ったとおりの人物ではない可能性があることを忘れてはなりません。
- 必要でない、攻撃的な、何かの企みを含んだ、脅しの、疑わしいないしは厄介なことを持ちかけるメールを受け取った場合、返事をしてはいけません。警察に連絡してください。警察は捜査を行います。
- インタネットを通じた購入を許している事業主の場合、コンピューターを通じた署名がない場合で詐欺の取引の場合、代金はその事業が支払わなくてはなりません。
- クレジットカードの計算書は保管すると共に、全ての購入項目を領収書ととつき合せましょう。
- クレジットカードで何かを買った場合、必ず領収書をもらい保管しましょう。廃棄する場合には、犯罪者が番号を入手またはにコピーできないように細断するか、万全な捨て方をしましょう。
- サイト、メールに不信がある場合、電話で直接その会社に連絡を取りましょう。
以上に加えて、掲出した事件のような、インタネットを通じた個人取引では、相手の真意が見破れないケースがままありうることを心する必要がある。
3月の犯罪情報
自動車強盗
3月23日ピール郡警察ニュース
(Japanese Social Serviceによる情報提供)
ピール警察クライム・ストッパーズはブランプトンで起きたカージャック事件の捜査をしており市民に情報の提供を呼びかけている。
3月19日月曜日午後6時30分ごろ、被害者の男性が、オーバン通りにある自宅に戻ったところ自宅車庫へ通じる私道を塞ぐ形でダンボール箱が置き去りにさ れているのを発見した。このため、車を降りたところ男が近寄り、被害者の顔にスプレーを吹きつけ、男性がひるんだ隙にその男性の車を奪って逃走した。
犯人は、黒人男性で25歳前後、身長175cmで真っ白な歯、顔は扁平だった。犯人は、フードに毛皮の縁取りがある濃い色のパーカ及び灰色または緑色のズ ボン、白い靴を着用し、ヘッドホーンを付けていた。盗まれた車は銀色の2001年型日産マキシマ・4ドアで、オンタリオ州のナンバープレート AFCD606をつけていた。
ピール警察では、この事件ないし同様の事件に関連し情報の提供を呼びかけている。
ピール警察のクライム・ストッパーズは、週7日、毎日24時間いつでも犯罪に関する情報の提供を受け付けている。電話は1-800-222-8477ないしは1-800-222-TIPS、またはウエッブwww.peelpolice.on.caの“Submit a Tip”ボタンをクリックすれば連絡できるとのことである。ピール警察は、電話をする際、名乗る必要はなく、また、後日法廷で証言を求めることもないとしている。
なお、ヨーク警察管内でも自動車強盗事件が発生しており、ドライバーに次のことを呼びかけている。
・周囲に疑わしい車や人がいた場合は自分の車に近づかず安全な場所に移動し警察に通報する。
・車の鍵やリモコンはすぐに取り出せるようにしておく。
・犯人の服装、顔や身体の特徴を覚えておく。
JSS 説明
2005年の統計ではトロント市内で10,168台が盗まれ、回収できたのは8,036台と発表されている。統計には盗みの形態は分類されていないので詳 細は判明しないが、いわゆる脅しを伴うカージャックのニュースは頻繁に発表されている。
プランプトンの事件では、火器は用いられていないが、ペッパースプレーを用いドライブウエイに障害物を置いて、運転者を車から一時的に離れさせる(この場 合エンジンをかけ放しにするのが通常であろう)など巧妙である。被害を防ぐには一度自分の運転に関する習慣をレビューして、どこかにスキがないか確認し、 それをなくする努力が必要である。犯罪者はスキを見つけることに長けているのだから。
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2月の犯罪情報
手紙詐欺警報
2 月 16 日付トロント市警ニュース
( Japanese Social Service による情報提供)
市警は州全域で起きている手紙詐欺に関し警報を出した。手紙詐欺の概要は以下の通り。
消費者サービス局が、政府の職員個人が受取人となる支払いを求める手紙を発出することはなく、また、個人宛の小切手を要求する事も絶対にない。
この種の手紙を受け取った人、また、この種の詐欺について詳しいことを知りたい人は、消費者サービス局 1−800−889−9768または416−326−8800に連絡願いたい。
この種の詐欺ないしはそのほかの詐欺の被害にあったと思われる人は市警詐欺班のジム・マクリス刑事( 416−808−7300)、(1−888−495−8501)、または、クライムストッパーズ(416−222−TIPS (8477))にあるいは、オンラインで連絡願いたい。
JSS 説明
日本の「振り込め詐欺」、カナダの「個人情報盗み出し詐欺」などなど詐欺犯罪は益々増加しており、その手口も巧妙さを加えている。掲出した事件は、手紙を使った「振り込め詐欺」ともいえるもので、警察は発覚した以外に被害者が多数あるのではないかと危惧しているようだ。
詐欺事件は、どのケースを見ても正常な取引から見ると不自然さを隠し切れないのが常で、それが発覚しないように被害者の心理状態を不安定にする状態を作り出す。この事件では、納税不足と言う状況を設定し、かつ社会の状況に不慣れな「最近の移住者」をターゲットにしているようだ。
納税に限らず政府関係の支払いは個人宛ではありえない事は常識ではあるが、その常識が働くことを、心理状態を不安定にする状況設定と、常識に不案内な人をターゲットにしている。
いわゆる「前金詐欺」でも、思わぬ大金を手にする機会といった状況設定で被害者の心理を揺さぶり、その隙に、幸運を実現する手続き費用などを、追跡が難しい方法で詐取するのが常である。
詐欺の手口は多様であり、一つ一つについて被害を予防する方法を詳述する事は紙面が許さないが、常に言われている
事は、最低限心得ておく必要がある。
なお、警察への電話通報は、英語に不慣れな場合でも、通訳を依頼して日本語でも行えるので、躊躇してはならない。
1月の犯罪情報
婦女暴行事件で市民に警告
1月12日付トロント市警ニュース
( Japanese Sociale Serviceによる情報提供)
市警は婦女暴行事件発生に伴い市民に警戒を呼びかけている。
事件の概要は以下の通り。
警察は同様な事件についても捜査中である。
犯人はフィリピンかタイ、ないしはアジア系で 20代前半、身長は約165cm。犯行時白い野球帽をかぶり、濃い色のジャケットを着用。
市警は、階段やエレベーターのように人の目の届かないところでは周囲へ注意を払うことを忘れないように呼びかけている。
本年度の最優先事項―交通安全
1 月 7 日付州警察ニュース
( Japanese Social Service による情報提供)
「無責任な人が運転する車は、無責任な人が持つ銃器と同じ程危険である。実際には、自動車事故によって受ける外的および心的な痛手は、銃器によるものと同様極めて悲劇的なものである。」とジュリアン・ファンティーノ州警察長官は語る。
「しかし一般の人たちは車の危険な面に対する認識が薄く、脅威を受け入れてしまっている。交通安全も銃器およびギャング、テロリズムと同じ優先度で扱われるべきである。」
カナダ国内で、犯罪による死亡の主な原因は殺人ではなく、アルコールまたは薬物の飲用による悪質運転によるものである。 自動車衝突事故の 80% は偶発事故ではなく、防ぐことが出来るものである。又、事故の発生による州内の経済的損失は年間 $1 億に達し、死亡は勿論、受けた傷の痛手や苦痛は、到底語りつくすことの出来ないものである。
ファンティーノ長官の発言は、この 5 週間続けられた年末年始飲酒運転取締りで明らかになった飲酒運転に関してコメントしたものである。関係係官は州警察管区全域で飲酒運転の摘発に傾注し、‘ 05 年の 577 千台を超える 800 千台の車を検問した。その結果、 800 件を超える 12 時間の免許停止が執行され、 399 人がアルコールに関連する、運転関連刑法違反に問われた(昨年同期には 12 時間免停が 671 件、飲酒運転は 278 人)。
同時期に、 43 人が交通事故で死亡し、負傷者は 1,730 人、州警察係官が立ち会った事故の件数は 11,500 で昨年同期より大幅に増加した。
「アルコールまたは薬物の飲用による悪質運転者は引き続き社会の安全を悪化させる脅威であり、その他の安全に対する脅威と同等の注力を持って対処する。」
同長官は、「いまや交通安全は、社会安全の最重要課題であり、一般社会、警察そして法制度を総動員して対処するべきものである。」と結論付けた。
10月の犯罪情報
警察は宝くじ詐偽に注意を呼びかけている
07年10月25日ピール郡警察ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)
ピール郡警察詐偽対策部の係官は、宝くじ申し込み用紙を使った新手の詐欺に注意を呼びかけている。
近頃、ホテルやアパートのロビーなど人通りの多い場所に、意図的に、宝くじ申し込み用紙が置かれている。この用紙は新しいものに見え、まだ番号部分を覆っている塗料がはがされていない。
被害者が覆いの塗料をはがすと、$70,000から$700,000の当たりくじであることが分かる。賞金をもらうためには、用紙の裏に、氏名、住所、電話番号を書き込み、記載してある番号にFaxするよう書かれている。この番号にFaxしてはならない。
被害者がこの要求に応えた場合、賞金をもらうためには、ONLINEGAMBLING.COM宛に$3,700の会費をオンライン送金しなくてはならないと知らされる。
被害者は、その後、当たりくじに関して連絡が無いので1週間ほど後に問い合わせをすると、今度は、賞金を受け取る前に税金を払わなくてはならないと伝えられ、詐偽犯は、会費送金と同じアドレスに送金するように指示する。
結局、被害者は賞金を受け取ることは無く、数千$を騙し取られる。この数ヶ月間に、この手の被害が数多く警察に通報されている。
ピール郡警察は、「うますぎる話のほとんどは、本当にうますぎるのだ」ということを忘れないようにして欲しい、詳しい情報は郡警察詐偽対策部(電話(905) 453-2121, ext. 3335)に問い合わせするよう呼びかけている。
トロント市警は、窃盗事件に関連し3人の容疑者を捜索中
07年10月24日 市警ニュース JSS和訳
10月6日午前11時頃、トロント市警は、ブリムレイ通りにあるHSBC銀行の支店の女性客が盗難にあった旨の通報を受けた。
通報によると事件の概要は次の通りであった。
− その女性は、銀行から引き出した多額の現金をバッグにしまい、駐車場に止めてある自分の車まで戻ったところ、2人の男が車の両側にいた。
− また、車外の助手席側に一人の女がおり、その女性が車に乗り込んだ直後、その女が車内に座っている女性に現金が落ちていると言った。
- 被害者の女性が車を降りて、車の後部へ行き下を覗いていたところ、男のうち1人が助手席側のドアから車に入ろうとしたが、鍵がかかっていたため諦めた。
− その女性が車の下にある現金を取ろうとしている間に、男はもう一度助手席のドアを開けようとしその女性の気をそらしているうちに、もう1人の男が運転席側のドアから車内の現金の入ったバッグを盗み、その場から立ち去ったらしく、被害者の女性が車に戻ったら、現金入りのバッグがなくなっているのに気が付いた。
- 容疑者の男は、2人とも白人、髪はグレで短く刈っており、青い長袖のシャツとジーンズを着用していた。2人のうち、1人は白い靴、もう1人は黒っぽい靴を履いていた。犯人の女も白人で、長い髪で黒っぽい服を着ており、ショルダーバッグを持っていた。
トロント市警は、同銀行の防犯カメラに映った犯人の男2人の映像を公開し、市民の情報提供を求めている。また、同市警は、この種の犯罪が増加してるので注意するよう呼びかけている。犯人は、2、3人以上のグループで銀行の中をうろつき、狙いをつけた銀行の客が、多額の現金を引きおろすのをみつけると複数で監視し、その客が銀行を出て車に戻るところで、グループの他のメンバーに携帯電話で連絡を取り犯行に及ぶ。銀行の客が車に乗り込むと、犯人たちは、その客を車の外へ連れ出すために、次のような方法で気をそらせる。
− 犯人のうち1人が助手席側のタイヤを指差し、パンクしていると伝える(犯人は、実際に、鋭く尖った物でタイヤに穴を開け、タイヤをパンクさせる場合もある)。
− 犯人のうち1人が車の中にいる客に近づき、車の後ろに何かを落としたと伝える。
- 客がいったん運転席側のドアから離れると、別の犯人が車に近づき、ドアを開け、そして車の中からお金を盗む。客が車に戻った時に盗みに遭ったと気づくが、犯人はすでに立ち去っている。
- また、駐車場から出て別の場所に車を止めるまで、後をつけられたというケースもある。客がいったん車から離れると、犯人たちは窓ガラスを破り、車の中の現金を盗む。
9月の犯罪情報
州警察はシートベルト着用キャンペーンを開始
07年9月21日オンタリオ州警察ニュース
(Japanese Social Serviceの情報提供)
オンタリオ州警察による州全域を対象とする、秋のシートベルト着用キャンペーンが9月22日より9日間にわたって実施される。州警察および州運輸省は共同して、同乗者を含むすべての自動車利用者を対象に違反を取り締まる予定となっている。
今年に入ってから州警察管轄の道路で、事故で死亡した335人のうち89人はシートベルトを着用しておらず 昨年同時期に320人のうち69人であった状態から30.9%の増加となっている。シートベルト不着用の罰金は$110で、加えて2点減点となる。
州警察Julian Fantino長官は、シートベルトの着用には5秒とかからない。すばやく、そして簡単に着用できるベルトで、交通事故からあなたの生命が守られられる。9月だけでも事故車から放り出されて死亡した人が7人いるが、ベルトをしていれば死なずにすんだ。自分が着用することばかりではなく、家族、友人の着用にも責任を持つよう呼びかけている。
州警察および州運輸省は、正しく取り付けられていない子ども用補助椅子、ないしは補助椅子を使用していない年少の子どもにも目を光らせている。州全域の警察もこのキャンペーンに参加している。
正しく使用されている補助椅子は、自動車事故による子どもの負傷を75%も防ぐことができるが、子供用補助椅子の80%は正しく使用されていない、と指摘している。
2004年12月に可決された条例73号では、体重40~80lb(18~36kg)で身長4ft9in(145cm)以下の8歳未満の子どもを車に乗せる人はすべて、補助椅子を装備することを義務付けている。
高速道路安全部部長のBill Grodzinskiは、全国交通安全指標で述べられている、道路上の死亡事故を2010年までに30%減らす目標は、シートベルト着用を100%にすることで実現できる。自動車利用者の習慣を変えるためにもっとも有効な場所を中心に取締りを行っていきたいと話している。
JSS説明
日本では一部の同乗者にはベルトの着用は義務ではなく、推奨されているが、当地で自動車を利用する場合、運転するかどうか、ないし座る場所の如何を問わずシートベルトの着用は義務であり、また16歳以下の同乗者にベルトを着用させることはドライバーの義務である。
ところが年間に数回行われる交通安全週間などでベルト不着用が摘発される数は少なくない。
自動車事故は常に適法、安全な運転を心がけていても起き得るのが現実であり、万一の場合に備えてベルトを使用することは最悪の被害を避けるためのきわめて有効な防衛策である。
なお、記事にもある通りこのキャンペーンにはトロントを始めとする周辺各自治体警察(トロント市、ヨーク郡、ピール郡、ダーラム郡、ホールトン郡など)も挙って参加している。
狂犬病の可能性
07年9月14日トロント市保健局発表
(Japanese Social Serviceの情報提供)
市保健局は9月4日市野生動物センターに傷を負ったこうもりを届けた女性を探しており、市民の協力を求めている。検査の結果こうもりは狂犬病に感染していることが判明した。
同保健局のペリザリ博士は、先ごろ、こうもりを市の野生動物センターに持ち込んだ人は、至急、市保健局と連絡を取るよう呼びかけ、また、狂犬病に感染したこうもりに引掻かれたり、噛み付かれたりすると、簡単に感染し、その場合ワクチンの投与が必要となる旨注意を促している。
同博士によると、狂犬病ワクチンは、症状が悪化するのを防ぐ働きはあるが、感染したこうもりやそのほかの動物に引っかかれたり噛まれてからすぐに投与する必要があり、ワクチンの投与がない場合、感染者は死亡する事がある。また、感染した動物の唾液が傷口、口、鼻ないしは目に入ると感染すると説明している。
同博士はまた次のことを呼びかけている。
- この季節、こうもりが越冬のため冬眠をする場所を探して家屋内に入ることが多くなるので、人間がこうもりと接触する機会が増える。もし引っかかれたり噛まれた場合は、傷跡を、水と石鹸でよく洗う。
- すぐに医者と相談するとともに、市の保健局416-338-7600(夜間は416-690-2142)に報告して欲しい(保健局の調査係官が状況を調査に来る)。
- こうもりが屋内に入らないよう、家の周囲にある開口部をすべてを網で覆う。こうもりは非常に小さな穴からでも出入りするので注意が必要である。
- オンタリオではラクーン、狐、スカンク、コヨーテおよびこうもりが狂犬病ウィルスを媒介し、また猫や犬も、感染した動物に引っかかれたり噛まれたりすると感染するのでペットの予防接種は確実に行う。
JSS説明
日本ではほとんど聞かれなくなった「狂犬病」は、厚生省の発表でも国内での人への感染は1954年以来、犬の感染も1957年以来発生していない。数年前に狂犬病発生地域のフィリッピンで感染した人が帰国した例が数件あったのが最近の状況である。
しかし、世界視野で見ると、年間5万人を越える死亡者が出ているといわれ、その半数以上はアジアで起きているという。北米では人の感染は年間数名の状況であり、カナダでは2000年に2名の死亡が報告されている。また、北米における動物への感染は、野生動物6000~8000件、猫200~300件、犬20~30件などの数値がWikipediaで公表されている。また米国CDCのウェブサイトでは、多くの人への感染はこうもりによるものという情報もある。
記事にあるように、狂犬病に感染したこうもりが見つかったということは、感染が他のこうもり、ないしは野生の動物などに広がっている可能性があるということである。保健局ないしは報道機関による、その後の状況については、今日現在発表がない。
こうもりからの感染を防ぐためには、記事にある注意事項のほか、
- 昼間に出現する、ないしは人が近づいても逃げようとしない個体に出会った場合、感染が疑われるので近づかないこと。
- 引っかかれる、噛まれるはもちろんであるが、口、のど、目、鼻などの粘膜にこうもりの唾液が入った場合も、水と石鹸で丁寧に洗浄し、
- 時をおかずに意思に相談する。
- 保健当局に報告する。
などが重要である。
なお狂犬病の潜伏期間は、ビールスの汚染が脳にいたる期間であり、その速度は日に数mmから十数mm(出典Wikipedia )なので、脳に近い部位では2週間程度、離れた場所の場合数ヶ月にもなるという。ワクチンの投与をこの期間内に行えば、発病はかなり防げるようだ。
アパート賃貸詐欺で男を逮捕
07年9月6日トロント市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)
市警はアパート賃貸詐欺捜査に関して一般からの情報の提供を呼びかけている。
事件の概要は次の通り。
- 犯人はまず自らが、アパートを賃借契約し、最初と最後の月の家賃を払ったその上で犯人はインターネットの“craigslist,”という名の広告欄に賃貸広告を掲載した。その際、犯人は自分を家主であると自称した。
- 犯人は、3人の賃貸契約希望者に会い、アパートを9月1日から賃貸することにした。被害者は最初の月の家賃と、保証金$200を支払うように言われ、支払いを行い、9月1日に入居しようとしたところ、被害者は、犯人がアパートを賃貸する権利を持っていないことが分かったが、犯人はすでにアパートを立ち退いていた。
この事件に関連し、トロント在住のKevin Froude、別名Kevin Saunders 35才が、詐欺他の容疑で検挙された。
JSS説明
英語に堪能ではない、日本とは異なる習慣や約束の仕方などに不慣れである、警戒心が不足していたり、人を信じやすい、契約を文書で行わないなどいろいろな原因が考えられるが、特に短期滞在の邦人の間で、住居の賃借にからむ問題発生は少なくない。JSSが受ける相談の多くを占めるものの1つがこの種のものである。
問題の典型的なものは記事にある「又貸し‐サブレット‐」に絡む詐欺であるが、このほかにも入居時の約束が守られない、住宅の補修要請に応じてもらえない、敷金が清算されないなど各種の問題が日常的にJSSに持ち込まれている。
借家人の権利については、紙面が限られるので詳述しないが、The Federation of Metro Tenants' Associations (FMTA):借家人協会;のサイト www.torontotenants.org/ に日本語の解説があるので参照されたい。
5月の犯罪情報
銀行強盗で男を逮捕
5月30日付市警ニュース
(Japanese Social Serviceによる情報提供)
5月29日、13分署の警察がエグリントン西通り・カレドニア通り付近をパトロール中、2時間前にエグリントン西通りで起きた銀行強盗の犯人の人相書きに合致する人物を見つけた。
- 5月29日、銀行の窓口係が顧客に現金を渡そうとしたところ、犯人が突然顧客の腕を掴み、顧客の現金を強奪し、カレドニア通りに向かって逃走した。
- 犯人が逃走する様子は監視カメラに撮影されていたため、約2時間後、付近をパトロールしていた警察官により犯人が逮捕された。盗まれた現金はすべて回収された
捜査の結果この男は、5月18日に同地区で起きた強盗事件の犯人であることが判明した。
同強盗事件の概要は、
- 犯人はエグリントン西通りにあるコンビニ店に入り、騒動を起こした上で店員に、武装していることを告げ、現金自動預り払い機の現金を渡すように要求した。
- 犯行は失敗に終わり、犯人は何も取らず店を出たが、事件の様子は監視カメラに写っていた。
トロント在住のDurville Williams26才には、2件の盗みの容疑がかけられている。
JSS説明
銀行強盗というと計画的で大掛かりなものや、窓口係員を凶器で脅すものが多いが、掲出した事件はあまり計画的なものとも思われず、またこれまでにあまり耳にしない犯行である。
一方、ほとんど誰もが警戒をしていなかった状況下(幸いにも監視カメラは作動していた)で事件は起きており、現金を扱う場合、安心できる場所であっても周囲に対する警戒を緩めることはできないことをあらためて痛感する。
自動引き出し機を操作した後の金額確認をあからさまに行うとか、多くの現金を入れた財布を人の目があるところで開くといった、周囲に対する警戒のない行動が、こういった行きずりともいえる犯行を誘う可能性も十分意識するべきであう。
機会を探している犯罪人にチャンスを与えないように、常に周囲に注意を怠らないことの重要さを再認識したい。
ATM自動窓口機詐欺で男5人逮捕、437件の嫌疑
5月17日付市警ニュース
(Japanese Social Serviceによる情報提供)
5月16日、42分署の警察は、トロントおよびマーカムで早朝数ヶ所で家宅捜査を実施し、ABM関連詐欺の容疑で5人の男を逮捕した。
- この5人は‘06年9月以来、トロント地域およびセントキャサリンないしはバリーなどの遠隔地でABM詐欺を繰返していた。
- 同グループはATMのカード読み取り機に装着できる「オーバーレイ」と呼ばれる機器を取り付けていたが、「オーバーレイ」は、カード読み取り機にぴったりと装着されるため発見が難しいとされている。
- 同グループはこれに加え、ピンホールカメラを、個人認識番号を入力するキーボードの上に取り付け、顧客のカード情報および個人認識番号を盗み出し、カードの持ち主の口座を使って現金を引き出したり、商品を購入していた。
警察の捜査は継続中であり、
5人の他に同グループに属する5~6人の男がまだ特定されていない。
警察は、ATMを使用する際、何か疑わしい付属物がないかを注意するよう呼びかけている。また、付近をうろついたり、ATMが設置されている場所で疑わしい行動をする人物がいないか注意するよう呼びかけている。なお、ABMに何かを取り付けている、ないしは取り外しているのを見かけたら、犯人には近づかずに9-1-1に電話するよう呼びかけている。
(以下略)
JSS説明
このところあまり聞かなくなっていた銀行カードやクレジットカードと個人認識番号の盗み読みによる詐欺事件であるが、ニュースなどの報道の頻度が少なくなっている状況とは裏腹に、被害は依然として多発しているようだ。
この記事では、詐欺犯グループの一部が逮捕され、明るみに出た被害だけでも100件を越すことが報告されている。同じグループに属する詐欺犯がまだ多数未逮捕であることを考えると、被害総数は莫大なものと考えられる。
犯人の逮捕、ないしは犯行の撲滅は急務であるが、詐欺犯は巧妙であり、被害がなくなることはあまり期待できない。したがって自衛上、カードの使用方法、個人認識番号の取り扱い、そして被害を早期に発見するために銀行のステートメントを綿密にチェックすることなどは必須であると認識するべきである。
以下はこれまで警察が奨励している予防法の要約である。
- 銀行ステートメントはすべてに目を通し、不審があれば銀行に問い合わせる。
- ATM使用時には、特にカード挿入口付近に不審な付帯設備がないかを確認する。
- また、個人認識番号をキーインする場合、その上部に不審な設備(カメラ、ビデオカメラなど)が取り付けられていないかを確認し、一方記事にもあるとおりキーパッドを手で覆って操作する。
- 支払いカウンターなどでカードの二重読み取り(レジスターに接続されたカードリーダーでカードを読み込んだ後に別の装置で読み取りを行うこと)などが行われないよう、監視を怠らない。
12月の犯罪情報
火災の発生(煙探知機)
07年12月24日市警ニュース
(Japanese Social Services情報提供)
12月22日午前1時半頃、トロント市警は市内グランドバイン通り303番地のタウンハウスで火災が発生したとの通報を受けた。
同火災の状況は次の通りであった。
- 救急隊員が現場に急行したところ、同タウンハウスは火に包まれ、タウンハウスの3人の住人は避難したが、中には人が取り残されており、その後、同タウンハウス内で3人が死亡しているのが確認された。
JSS説明
このところテレビや新聞などで火災の発生について報道される事が多い。本件火災は、その後の報道によると煙探知機が作動していなかったために複数の死亡者が出たとのことである。
オンタリオ州の条例では、家屋の各階に煙探知機の設置と作動確認が義務付けられている。借家の場合、設置の責任は家主にあるが、作動確認ないしは作動していない場合にはそれを家主に通知し、作動を維持する責任は借主にある。なお、多くの探知機は電池で作動するが、電池は時間と共に衰弱するため、定期的(たとえば年一回)に電池を交換し、作動を確認することが必要である。
新聞などの報道によると、この火災の場合では、年初めに作動が確認されていたが、その後、何者かによって止められていたとのことである。煙探知機は、煙を探知すると耳障りな警報音を出す。これを嫌って作動をさせていないようにしている例もあると言われている。しかし、それでは万一の場合に役に立たないのは自明であり、条例に違反しているというだけでなく、自身を危険に曝しているとことになる。更には、周囲をも危険に巻き込んでいるといわざるを得ない。
正常に作動する煙探知機の設置は、自分自身の安全を守るためと共にコミュニティーの一員として守るべき最低限の義務の1つである。
冬の安全運転に関する注意
07年12月17日 市警ニュース
(Japanese Social Servicesの情報提供)
トロント市警は冬の安全運転について次の注意を呼びかけている。
- 12月中旬、トロント市では26センチの積雪であった。雪道を運転する際に忘れてはならないのは、急ハンドル、急発進、急加速、急ブレーキを避けることである。ハンドル操作、発進・加速、制動はゆっくり、スムーズに行わなくてはならない。そうすることにより、停止線の手前で停車できる。
- 車の最も重要な部分は、タイヤであり、車が道路に触れる唯一の部分である。タイヤに正しく空気が入っているか確認しよう。前車との間隔は5、6秒取ろう。そうすることで、もし、前の車が突然停止しても、追突を避けることができる。また、もし、前輪、または、後輪が横滑りしても、慌てずに、視線を車が滑る方向ではなく、車を走らせたい方向に保つようにし車をコントロールしよう。
- 車に積もった雪をとり除くことは必須である。凍った雪は車から滑り落ちると、弾丸と同じで、自分自身ないしは歩行者や他人にとって危険なものとなる。雪がヘッドライト、テールライト、ライセンスプレートからすっかり除かれていることも確認しよう。自分の車の視界を良くし、また、他の人からも走行中の自分の車が良く分かることは、道路安全のためには重要である。
- 歩行者は、横断歩道以外で道路を横断すべきではない。時間をかけても、信号がある交差点を横断しよう。運転者と、目を合わせること。運転している人が自分を見ているはずだ、と思い込んではいけない。また、歩行者は夜だけでなく昼間も、自分が運転者から見えやすくなるよう工夫しよう。
- 車のトランクに、小型のスコップ、手袋、水、バッテリー・ケーブル、救急箱、窓ガラスの氷落としが積んであるだろうか?車が雪の中で立ち往生するかどうかの予想は難しいが、もし、そうなった時には、これらのものが必要になる。
JSS説明
数週間前に、市警が発表した荒天時の道路使用についての一般的な注意事項を掲出したが、訳出したのは降雪時の道路交通に関するものである。
記事にはきわめて常識的な事が書かれているが、雪道の運転に不慣れな人々に限らず、こういった事が一般に守られず事故が多発しているのが実情であるためと思われる。先週州警察が発表したように、先ごろの降雪では、州警察管内で1,650を越える衝突事故が発生している現実が証左である。
詳細な注意事項、危険を避ける運転技術などについては運輸省、安全協会(Canada Safety Council)やCAAのウエッブサイトなどを参照する、ないしは多くの組織が行っている「Skid Control School(Skid対応運転学校)」に参加することを勧めるが、雪道での運転は、乾燥したコンディションのよい道とは全く異なるものであることを心に決めて臨む事が何より大切である。
8月の犯罪情報
今年51番目の殺人事件
8月11日市警ニュース
(Japanese Social Serviceの情報提供)
8月9日午前0時半頃、トロント警察は喧嘩の通報を受け、ナイアガラ通り・クイーン通り区域に出動した。
被害者である32歳の男性が友人と、ナイアガラ通りと交差するクイーン通りを西に向かって歩いていたところ、通りがかりの複数の男女との間で口論が始まり、暴力に発展した。
この男性は、数回刺傷を受け病院に搬送されたが、11日、死亡した。この事件に関連して
男性2人、女性2人が現場で逮捕された。
JSS説明
ダウンタウンなどを歩いていて、いわゆる物乞いにはよく出会う。この事件は、細かな経緯が不明だが、物乞いとの間の口げんかが暴力に発展し、殺人にまでつながってしまった例である。
数年前、物乞いに親切にしようとした日本から来た若者が、親切心からサンドイッチを差し出したところ、それを侮辱と受け取った物乞いから暴力を受けた事件もあった(この事件では、事態に驚愕した若者が車道に飛び出し、車に跳ねられた)。
筆者は当地に長く暮らしているが、道でであった物乞いの扱いについては、いまだに当惑する。特に人通りの少ない場所では出来る限り接触を避けること、万一問題が起きた場合、すぐに現場を離れることなどが基本だと考えている。
ピール郡警察は、公園や広場での強盗に対する警備を強化
8月7日ピール警察ニュース
(Japanese Social Serviceの情報提供)
ピール郡警察は、この数ヶ月、管内の公園や広場で、強盗事件の発生が増加していることを受け制服および私服の警官によるパトロールを強化している。
ピール郡警察は、安全確保のために次のことに注意するよう呼びかけている。
- 公園や広場では、複数でグループを作って行動する。
- 夜間は明かりのついた場所を選び、公園や空き地を、通行しない。
- ATMは周囲から見え、人通りがある場所のものを使う。
- 多額の現金を持ち歩かない。
- 金品を要求する強盗に出会った場合、要求には応える。その際、人相、傷や刺青など、人の特徴を出来る限り細かく覚える。また、車の特徴、現場を立ち去った方向などを記憶する。
JSS説明
路上、特に人通りの少ない場所、ないしは周囲から見えにくい場所で起きる強奪事件や性的暴行事件は後を絶たない。この記事から察することができるのは、そういった事件が多発しているので、地域の警察が特別警戒を実施することに決めたようだが、同様な事件は季節や時期を問わず、そこここで発生している。
警察は、犯罪者の多くは、機会をうかがっているのだから、防犯処置を施し、機会を少なくすることによって被害を防ぐことができるということだ。
記事で述べられている注意事項はどれもきわめて常識的なことであるが、その常識が守られないために被害が発生している実情に対する、警察の認識が記事から見て取れる。
詐欺の被害を受けないために
8月3日ピール郡警察ニュース
(Japanese Social Serviceの情報提供)
ピール郡警察詐欺部は、デビットカードやクレジットカードの情報を人に知られないようにすることの重要性を改めて指摘している。
夏になっていろいろな買い物でデッビトカードやクレジットカードを使う機会が増えているのを受け、個人情報やクレジットカード、デビットカード情報を盗まれないように次のことに注意するよう呼びかけている。
- 個人認識番号(PIN)を人に知られないようにする。
- 個人認識番号は誰にも教えない。
- 口座利用明細書は常にきちんと調べる。
- 明細書に不審な項目が記載されていたり、覚えのない購入の記載があったら、すぐに金融機関に問い合わせる。
- デビットカードやクレジットカードを無くしたときには、カードを無効にする。
- ATMにいつもと違う何かが付加されていたり、いつもと異なる操作が要求されていないか確認する。
- 特定のATMを使うように指示が出てないか確認する。
- ATM付近で不審な行動をする者がいたら警察に通報する。
7月の犯罪情報
無責任な犬の飼主の取締り
7月5日ダーラム郡警察ニュース
(Japanese Social Serviceよりの情報提供)
7月初めダーラム郡警察は、オシャワ動物担当部の協力を得て2日間にわたり、危険または、攻撃的な犬の取締りを行った。
この取締りは、最近、発生しているピットブルによる市民、警官ないしは他の犬への攻撃に対して行われた。攻撃の一例では、子どもを含む多数の人々が見ているダウンタウンの路上で、警官が犬を殺さざるを得ないものだった。
夏季休暇が始まり、公園や緑地帯を子どもたちが頻繁に使用するようになったことから、動物担当部は事故の発生防止のための取締りを行った。この2日間の取締りで係官は、飼うことが禁止されているピットブルの所有、口かせを使用していない等の理由で10件を取締った。係官は同様な違反で数件の警告状も発出した。
ダーラム郡警察およびオシャワ動物担当部は市民に対し、2005年11月以降に生まれたピットブルテリアの所有は禁じられていることを再度広報するとともに、それ以前に生まれた犬を所有者の敷地外に連れ出す場合は必ず引き綱、口かせを使用し不妊手術を施すよう、また、所有者の敷地内では、引き綱をつけ、口かせをつけているいないに関わらず、犬が抜け出すことができない囲いの中に入れておかなくてはいけない旨注意を喚起している。
この取締りは、警察が地域の道路や公園の安全を確保するための一環として行われた。
JSS説明
家畜の飼い方については、それぞれの文化、社会によって異なる常識がある。また、地域の安全を維持するために自治体などは、それぞれ独自の規則、ルールを設けている。異なる場所のルールは通用しないことが多々あるのだ。
記事に出ているピットブルテリアは、もともと米国で闘犬用に交配、飼育された犬種である。そのためか、一般に危険な個体が多いと言われる。Shepard、ラブラドル・レトリーバー、Rottweilers、ドーベルマンなども例外ではないともいわれ、どんな犬でも、飼育の仕方によっては危険なものになるという。
犬による被害はこのところはあまり耳にしないが、一時市内外のそこここで発生し、人間に対する危害(死亡を含む)も多く報道された。その結果各地方自治体は繁殖、販売、飼育などに多くの制限を設けている。飼育する人は、それぞれの地域でどのようなルール、規則があるかを確実に調べ、守ることが義務である。またルールがないといっても、被害を及ぼさないための常識的な配慮が大切だと思う。
ピットブルに限らず、家畜を飼育することで重大な被害を引き起こすことはなんとしても避けなくてはならないが、重大被害ではなくても周囲に迷惑をかけることを心して避けることも住民としての義務であろう。
酒酔い運転による死亡事故で運転していた男性を告発
7月12日市警ニュース
(Japanese Social Serviceよりの情報提供)
7月11日午後8時過ぎ、エグリントン東通りの南、マッコーワン通りで起きた歩行者を巻き込む交通事故の通報で警官が出動した。
状況は、
- 36才の母親と3才の息子が、エグリントン東通りの南、マッコーワン通りの西側の歩道を歩いていたところ、マッコーワン通りを、南に走行していた車が縁石を乗り越え、2人を跳ねた。
跳ねられた女性は現場で死亡が確認され、子どもは病院へ搬送されたが重態となっている。被害者の氏名は近親者の要請で今のところ公表されていない。
運転していたのは、トロント在住の 56才男性で、酒酔い運転(血中アルコール濃度80mg以上)の容疑で告発された。
この男性は、7月12日に、エグリントン通り412号法廷に出廷予定となっている。
JSS説明
被害者は1年前に中国から移住した母親と子息だと新聞が報道している。2人は夕食後に公園に出かけた帰路、事故にあった。酒に酔ったドライバーが車道を飛び出し、歩道を歩いていた母親を引きずって車道に戻ったと言う。
母親は頭部に重傷を負い、現場で死亡が確認された。子息は同様に頭部の重傷で、頭蓋骨が割れ、脳に損傷があると言う。
酒酔い運転は当地に限ったことではなく、日本でもよく耳にするものである。市警を始め各警察は検問などを厳重にし、啓蒙活動も盛んに行い、また民間団体とも共同して防止に躍起になっているが、悲劇はあとを絶たない。
警察は、酒酔い運転と路上レースはいわゆる違法運転を通り越し、刑法犯と言うべきだという見方である。確かに両者共に防ぐことができたことを実行しなかったために事故を引き起こしている。
被害者にならない手立ては外出をする限り特に見当たらないが、消極的であり、完全予防が可能とは言えないが、歩道ないしは道路の車道側、車が通行する部分からできるだけ離れて歩くといったことしか思いつかない。
一方、加害者にならないためには血中アルコール濃度の多寡ではなく、「飲んだら乗らない」を肝に銘ずることである。そして、万一事故を引き起こした場合を想像してみることだ。
6月の犯罪情報
交通違反取締りによる銃の押収
6月4日市警ニュース
(Japanese Social Serviceによる情報提供)
6月2日、午後6時半頃、交通違反容疑で警官がウェストン通り近くのダンダス西通りを西方向に走行してる車を停止させ職務質問したところ、同乗していた男が、装てんされた45口径の拳銃を所持していたのが発見された。拳銃には7発の弾が装てんされていた。
その車にはトロント在住のPatrick Burke、38才及びトロント在住のTroy Wade、31才が乗っており2人には以下の容疑がかけられている。
- 規制銃器および弾丸の所持。
- 銃器の不適切な保管。
- 自動車内の不正な銃器持込。
- 所有を禁止された銃器の所有等。
Troy Wadeは、このほか執行猶予基部違反にも問われている。
JSS説明
掲出した記事では、直接の被害はなかったようだが、交通違反でたまたま停止させられた車から弾薬を装てんした拳銃が発見され、また乗車していた人物の1人が執行猶予条件違反だったという。
当地の銃器に関する状況が日本と大幅に異なることはこれまでも折に触れて述べ、また銃器使用を伴う事件も数多く掲出してきた。「たまたま」交通違反で停止させられた車から装てんされた銃器が発見される例は、日常茶飯事と言うわけではないが、時折発表される。また、道路上でいさかいになり、いったん車に戻った人物が銃器を車から取り出し、発砲事件になったなどのケースも、時に発表される。当地での銃器の所有が「稀」な事ではない。
警察が、カージャックや家宅侵入などにあった場合、最悪の被害を避けるためにその場では抵抗せずに犯人の要求に応え、一方で犯人の人相、人体などを出来る限り詳細に記憶し、犯人が去ったらすぐに警察に連絡することを強く勧めている理由はこの一点にある。銃器の所持は当地ではいわば常識なのである。
性的暴行で男3人手配
6月20日市警ニュース
(Japanese Social Serviceによる情報提供)
6月19日、午後11時45分ごろ、女性がハンバーウッド通り・グリーンクレッセント通り付近でTTCのバスを降り、ハンバーウッド公園を通り抜け、帰宅しようとしたところ、公園内で、男3人が近づき、そのうちの1人がナイフを取り出し、この女性を公園の人目に触れない場所に引きずり込み、2人から性的暴行を受けた。
犯人たちはその後、公園から逃走したが、犯人たちの特徴は以下の通り:
犯人1人は黒人、エチオピアかソマリア人風で、22才くらい。顔の右側に傷跡があり、背が高く痩せ型。黒い、フードのついたセーター、黒っぽいジーンズを着ており、ナイフを所持していた。
他の2人は黒人で、ともに23才くらい。
JSS説明
性的暴行の事件発生は、警察が発表する事件のうち、失踪、家宅侵入ないし強盗と並んで多く目にするものの一つである。
掲出した事件では、残念なことに警察が日ごろから防止のために注意していることの一つである、人通りの絶えた明かりの少ない公園を、帰宅の近道に利用したために起きている。記事には表れないそのほかの理由もあろうかと思われるが、被害者の側に不注意があったと言わざるを得ない状況である。
犯人の弁護をする気持ちは微塵もないが、きわめて常識的な注意を怠って被害を受けた被害者を非難はせずとも、今ひとつ注意していれば防げたと言わざるを得ない。
トロント市は深夜帰宅する女性には、要請があればバスを自宅に至近の停車場以外に停車するなど気配りなどもしているが、周囲のそういった配慮があっても、被害者自身の注意が散漫であれば、犯人の思う壺である。
発砲事件の犯人捜索
07年6月25日市警ニュース
(Japanese Social Serviceによる情報提供)
トロント市警は、グランドラビン通り・ドリフトウッド地域で起きた発砲事件に関連し4人の男の行方を追っており、情報の提供を呼びかけている。
6月24日日曜日、午後7時ごろ、市警察はグランドラビン通りで起きた発砲事件の通報を受け出動した。
同事件の概要は、次の通りであった。
- 39歳の男性が2歳の子どもと、グランドラビン通りにある家の裏にいたところ、拳銃で武装した男4人が侵入してきた。
- この4人とその男性との間で以前トラブルがあった模様で、4人が立ち去る際、四方に銃を発砲し、そのうちの一発がその男性の右太ももに当たり負傷した。
4人の特徴は、
- 一人は黒人、17~20才、身長170cm~175cmで中肉、アフロ・ヘアー。
- 2人目は黒人、17~20才、身長170cm~175cm、中肉で同じくアフロ・ヘアーで右手に黒い拳銃を所持していた。
- 3人目は黒人、17~20才、身長180cm~183cmでやせており、銀色の拳銃を右手に所持していた。
- そして4人目は黒人、17~20才、身長173cm~175cm、アフロ・ヘアーで右手に黒い拳銃を持っていた。
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