1月の犯罪

 

マーカムでカージャック

 

1 月 19 日ヨーク郡警察ニュース

(Japanese Social Service よりの情報提供 )

 

ヨーク郡警察強盗特捜班は、マーカムで発生したカージャック事件に関連する 2 人の容疑者の特定と逮捕に、一般市民の協力を要請している。

59 歳の被害者がアップルクリーク通り 350 番地の駐車場に車を停めようとした時、 3 人の容疑者が近づき、うち 1 人が拳銃を突きつけ、車の鍵を出すように要求した。被害者は、アップルクリーク通りに向かって歩くよう指示され、被害者が歩き始めると、他の容疑者が財布 と携帯電話をよこすように要求した。そして 3 人の容疑者は被害者の車に乗りこみ、ローディック通り方向に逃走した。被害者に、怪我はなかった。

 

容疑者1

黒人男性、身長約 183cm 、細身で、黒のジャケットを着用。ハンカチ使用。

容疑者2

黒人男性、身長約 183cm 、細身で白い服を着用。

容疑者3

黒人男性、以下不明

被害者の車

銀色、 1999 年型 4 ドアホンダシビック、ナンバープレート AEBV 783 (オンタリオ州)

 

ヨーク郡警察は、ドライバーは以下の事柄を忘れないように呼びかけている。

犯人の特徴、着用していた服など、特徴をできる限り覚えておく。

家族やペットが車の中に残っている場合、犯人に車内にまだ誰かが居ることを伝え、車は持っていってかま わない旨を伝える。カージャック犯がほしいのは車であり、大抵の場合、犯人は要求に応える。

周囲に注意を払う。疑わしい人や車を見つけたら、自分の車には近づかず安全な場所まで歩き、警察に連絡 する。

鍵を探すのに時間がかからないように、鍵は手元に持ち、すぐに車の鍵が開けられるように準備する。

運転中も常にドアの鍵をかけ、窓はしっかり閉める。

鍵を差し込んだままにしたり、エンジンをかけっぱなしにしない。

 

JSS 情報分析

 

カー ジャックは数多く伝えられる事件の一つである。この記事には事件発生の時間の記述がないが、人気のない、ないしは少ない時間、従って深夜に起きるケースが 少なくない。そのような時間に車を利用する必要が多い人、ないしはそういった状況になった人は十分注意することが必要だ。

こ の記事は、警察による注意事項が明確に記載されているので訳出、掲出した。注意事項は全て非常に重要であり、また実行可能なものばかりなので、熟読・実行 するべきだ。特に車の鍵を束にして持っているために、車に近づいてから時間がかかるケースは狙われやすい事を忘れてはならない。また、常時ドアに鍵をかけ るのは、大変有効だといわれている。

なお、カージャック以外のケースでも銃器、凶器の所持が予想されるので、被害を最小に食い止めるために その場では無駄になりかねない抵抗は控えるのが常識である。

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マーカムで詐欺犯逮捕

 

1 月 6 日付ヨーク郡警察ニュース

(Japanese Social Service よりの情報提供 )

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ヨーク郡警察第 5 地区犯罪捜査部は、多くの人が被害を受けた詐欺事件に関し、マーカム在住の男を逮捕した。

04 年 1 月から 05 年 11 月の間、容疑者は 8 人の被害者にそれぞれ接近し、自分が購入する住宅、コンピューターおよびボートに投資しないかと持ちかけた。男は被害者に、投資した金は 10 倍になって戻ると話し、その後被害者各々に約束どおりの小切手を渡したが、小切手は全て不渡りとなった。警察による捜査の結果、被害者に持ちかけたような 投資は行われていなかったことが発覚した。

この一連の事件による被害総額は $188,000 にのぼった。

容疑者は、マーカム在住のアンジェロ・ムレデュ、 35 歳で、

 

$5000 以上の詐欺 8 件、

$5000 以下の詐欺 7 件、

$5000 以下の盗み 4 件、

$5000 以上の盗み 3 件、

 

無効書類の作成 3 件の容疑で起訴されている。

ヨーク郡警察は以下のように市民に注意を呼びかけている。

うますぎる投資話には注意し、そのような話には十分慎重に対応する。

投資話の詳細が完全に理解できるようにする。質問に対する相手の答え方に注意する。

投資内容に疑問がある場合は明確にする。

住宅金融に関する投資詐欺やだましの話を持ちかけられた場合、銀行協会( Financial Services Commission )または警察に通報する

投資にかかわる詐欺については州証券協会( Ontario Securities Commission )のホームページ http://www.osc.gov.on.ca/ を参考し、住宅金融にかかわる投資については銀行協会のホームページ www.fsco.gov.on.ca で、話を持ちかけた人の登録状況 と履歴を確認願いたい。

 

JSS 情報分析

 

掲 出した警察の発表では詐欺犯の手口が定かには分からない。しかし 8 人もの人が話しに乗せられている実情から考えると巧妙な話を持ちかけたに違いない。しかし、短期間の内に投資した金が 10 倍になるというのは「うますぎる」話であったに違いないと考えられる。個人認識情報の盗みだしとは異なってこのような典型的な詐欺事件では、なぜこんな話 に乗せられたのかと唖然とすることが多い。

詐欺犯はだましやすく、自由になる資金を 手元に持っている人をねらうという。そして被害者の多くが比較的高年齢の人であることが多い。ともあれ狙われやすいかどうかは別にして、自分の懐は誰かに ねらわれていると意識する事は、このような被害を受けないためには必要なことだと思われる。そして、掲出記事に警察が書いている「注意事項」は、最低限忘 れてはならない .

 

 

2月の犯罪

 

踏み出す一歩に最新の注意―歩行者・運転手への安全のための警告

 

2 月24日付市警ニュース

( Japanese Social Service よりの情報提供)

 

歩行者事故がこのところ多数発生している。

今年になってすでに、歩行者事故で 7 人が死亡しており、 24 日にも新たに歩行者が跳ねられ重傷を負いました。

当局では歩行者や運転手が事態をきびしく受け止めるよう、安全に関し、以下の警告を出すこととした。

  • 交通信号に従う。
  • いつも周囲の状況に注意を払う。
  • TTC 乗降のさいには、交通状況に注意を払い、安全を確かめる。
  • 安全を確かめてから交差点を渡る。
  • 夜間は特に、周囲から見えやすい服装を心がけ、ドライバーとのアイコンタクトを忘れぬように。
  • 冬の厚着は動きを妨げ、周囲から目立ちにくくなることに留意する。
  • 運転手は、

  • 運転に集中する。
  • 速度制限を守る。
  • 辛抱強く、また道路使用者全てに対し思いやりと尊重を心がける。
  • 高齢の歩行者が安全に道路が横断できるよう、時間の余裕をみる。
  • 道を曲がるときには歩行者とのアイコンタクトを忘れないようにする。
  • 運転手と歩行者は、道路利用者として同じ責任とルールの下にあり、他の利用者の安全を犯してはならな い。事故を避けるためには、どちらに優先権があるにしろいつでも止まれるように心がけるべきである。

     

    JSS 情報分析

     

    歩 行者を巻き込んだ事故の統計は市警がウエッブ上に公表している統計にはないが、 2004 年の自動車事故総数は前年に比べ約 15% 減少し、それに伴って死亡者なども減少している。 2005 年は交通事故による全死亡はトロント市内で 59 、 GTA 内では 229 にのぼった。 GTA 内の警察の管区別に見ると、州警察管轄の #400 などの高速道路で 78 、トロント市警 59 、ヨーク郡 37 、ピール郡 34 、ダーラム郡 11 、ホルトン郡 10 である。事故原因の大半は飲酒ないしは無謀運転といわれる。

    記事にあるように今年すでに 7 人の歩行者が事故で死亡している事は、昨年の全死亡者数と見比べて少ない数ではないと考えられ、故に市警が警告を発していると理解できる。

    筆者は年初からの歩行者死亡事故について厳密にトレースしてはいないが、被害者が横断歩道を利用してい なかった例が少なくない印象を持っている。また比較的高齢者が多く被害にあっていることも気になる点だ。

    被害者を非難する気持ちはないが、市警も警告の中で慎重に述べているように、加害者だけでなく被害者に も安全を守る責任がある事は言うまでもない。ケースによっては被害者側にも事故を誘発した気配を感じることがある。

    被害者にならないように、そして加害者にならないように、警察が示している警告は最低の義務と捉え十分 に注意する必要がある。

    ち なみに東京警視庁の平成 16 年統計では、高齢者の死亡が 92 あり、内 79 は歩行中ないしは自転車利用中の事故である。また半数の 46 のケースでは何らかの交通規則違反、安全運転義務違反 ( 左右の交通未確認 ) 、横断禁止場所での横断、横断歩道以外での横断、走行車両の直前・直後の横断、信号無視などが見られる。

     

     

    違法タクシー、リムジンを一斉検挙

     

    2 月 14 日付トロント市警ニュース

    ( Japanese Social Service よりの情報提供)

     

    旅行者の安全と防犯を確保するため、ピール郡警察は、グレータートロント空港公団およびオンタリオ運輸 省と協力し、ピアソン国際空港における違法タクシー、リムジンの一斉検挙を開始する。

    違 法タクシー、リムジンは、別名「スクーパー( "scoopers" )」と呼ばれ、数年前から空港近辺で営業している。過去には、違反行為や過剰請求の他、乗客に対する暴行、恐喝を行ってきた。これらの無許可の、つまり当 局の管理下にない業者によって、公衆の安全が脅かされている。多くの「スクーパー」はどの地域においても認可を受けておらず、無保険や無免許の者もおり、 グレータートロント空港公団の管理下にいる者は一人もいない。

    グレータートロン ト空港公団とピール郡警察は無許可業者から公衆を守るためにできる限りの努力をしてきたが、空港でこの種の行為を取り締まる明確な法規が存在しなかったた め、効果はあまりあがらなかった。このため改善策として 2006 年 1 月 1 日、オンタリオ州政府は新たに設けた交通法第 39 条第 1 項を布告した。この法規は「スクーパー」行為を取り締まり、空港における違法タクシー、リムジンを一掃することで、公衆の安全性を高めるように策定されて いる。

    この法規によると、初回違反に対する罰金は 300 ドルから 20,000 ドルであり、タクシー、リムジンを認定制度にすることでグレータートロント空港公団は、その車両が必要な保険に加入しており、整備が行き届き、運転手も善 良であることを確認することが出来ることになる。

    認可を受けたタクシー運転手は ターミナル内もしくは駐車場で客引きを行うことはできないので、トロントピアソン空港のターミナル内でタクシー、リムジン運転手から客引きを受けた場合 は、気を付ける必要がある。て下さい。ターミナルの到着ロビー階と同一階のタクシー、リムジンを使用し、疑わしい場合は、カナダ接客業組合、グレータート ロント空港公団保安係員、もしくはピール郡警察の職員に相談していただきたい。

    「スクーパー」行為の苦情は、ピール郡警察空港課のエド・スペンス 巡査( 905-453-2121 内線 3174 )まで連絡願いたい。

     

    JSS 情報分析

     

    今 週も本件以外に多くの事件発生が発表されており、生活上の安全のために取り上げるべき物も多く含まれている。特に若年者の無軌道な行動が犯罪につながった 例、警官に対してペレット銃を発射したケース、グループの若者が起こした刺傷事件、スーパーボール観戦のために住宅で開いた少年・少女のパーティーでの性 的暴力事件などがある。容易ではないが、子供達の行動を保護者は十分に監視する必要を痛切に感じる。

    これらに事件とは異なり、今回は我々が比較的頻繁に利用する空港で無免許タクシー・リムジンの取締りが 強化されるニュースを掲出する。

    無 免許タクシー・リムジンはトロントに限らずどこの空港でも見られるものだが、記事にもある通り無保険であったり、過剰請求、暴力行為を伴うこともしばしば であり、利用は危険を伴う。従って取り締まり強化は喜ばしいことである。記事の中で、正規のタクシー・リムジンはターミナル内や駐車場での客引きはしない ことが説明されている。タクシーの列に並ぶことを厭って、安直な誘いに乗り被害に遭わないよう、十分に注意したい。

     

     

    13 歳の少女をおびき出した男を告発

     

    2 月 7 日付トロント市警ニュース

    ( Japanese Social Service よりの情報提供)

     

    2 月 6 日月曜日、当局インターネット児童虐待班は、トロント在住の 44 歳の男を 2 件のおびき出し行為で逮捕、告発した。

    今回の事件の経緯は以下の通りである。

  • 2 月 1 日水曜日に容疑者は、 13 歳の少女を装った覆面捜査官とインターネットで接触した。容疑者は、 3 日間に渡って捜査官と性的な会話をし、会話を通じて容疑者は、強引なやり方で覆面捜 査官に性的行為のために会おうと誘いだした。
  • 2 月 6 日月曜日容疑者が、 13 歳の少女との性的行為のために、ミシサガ市内のある場所に現れたところ、待ち受けていた捜査官たちによって逮捕され告発された。
  • トロント在住の、フェザル・エママリー( 44 歳)は、 2 件のおびき出し行為で告発されたところ、保釈聴聞法廷のために拘束され、 2 月 7 日火曜日、ブランプトン州裁判所に出廷する予定となっている。
  • ピー ル郡警トム・アレン副署長は、「保護者が子供たちのインターネットへのアクセスを監視することを忘れないようにしていただきたい。知らない人とコンタクト をすることの危険性を、保護者は子供たちときちんと話し合い、事態を警察にすぐに連絡するべきである。保護者は、子供たちがインターネット犯罪者にねらわ れている可能性があることを認識すべきである。子供たちの安全と健全は最優先事項である。」と話している。

     

    JSS 情報分析

     

    インターネットはきわめて便利なものである半面で、各種の犯罪にも用いられている。特にインターネット の特性である、

  • 身元を明らかにしなくても他人と接触が出来る、
  • メールやチャットのやり取りは、他人に知られずに行うことが出来る
  • こ とは犯罪犯罪の道具として有効なものである。この数年多くのインターネットを利用した犯罪が報じられるが、若年者の性的なそそのかし、おびき出しは、幼児 ポルノの流通と並んでその典型の一つであろう。この種の犯罪を防ぐ動きは北米で盛んであり、カナダも例外ではない。警察は多様な技術を用いて犯罪の撲滅に 取り組んでいるが、毎日のように報じられる事件発生のニュースを見る限り撲滅する事は、警察の力だけでははきわめて難しいと言わざるを得ない。

    記事の中にあるように、被害を受ける子供達が同居している保護者による注意・監視は他の何にもまして有 効な予防手段に違いない。

    しかし、注意や監視をどのように行うかということになると、言うは易しでなかなか難しい。筆者が子ども を育てたときには、子供達に自室のドアを閉めることを禁じたが、それも完全な策ではない。

    特に子どもの思春期以降親の目が届かない時間はたっぷりあり、従って万全の策はなかなか見つからない が、親子の間で常時包み隠しのない話し合いが出来る状況を作り上げることが出来れば理想的だ。

     

     

    郵便物盗みなど 3 件の容疑で男逮捕

     

    2 月 3 日付トロント市警ニュース

    ( Japanese Social Service よりの情報提供)

     

    31 分署の重要・詐欺犯罪課はトロント在住のピーター・アレックス・トンプソン( 31 歳)を、郵便物窃盗の罪で逮捕した事件の概要は以下の通り。

  • ピーター・アレックス・トンプソンはスティールス西通り / ジェーン通り地域の数棟のアパートおよびベルビュー通りの郵便受けを荒らし、郵便物を荒らした。
  • 個人宛の郵便物から得た情報をもとに、ピーター・アレックス・トンプソンはいくつかの金融機関より貸 付金を取得していた。
  • 逮捕容疑は;

  • 盗みのために用いる道具の所持。
  • 郵便物窃盗。
  • 盗品所持。
  • 容疑者は 2 月 1 日午前 10 時フィンチ通り 1,000 番地の 306 号法廷に出廷することとなっている。

    警 察は個人認識情報の漏洩に注意するよう呼びかけている。被害にあった場合は、警察 416 − 808 − 3100 または、クライムストッパーズに匿名で電話 416 − 222 − TIPS (8477) または www.222tips.com にオンラインで連絡願いたい。

    また貸付金の情報に疑義がある場合は Equifax に電話 1 − 800 − 465 − 7166 、または Transunion に電話 416 − 382 − 5464 で確認願いたい。

     

    JSS 情報分析

     

    これまでも幾度か報告したが、詐欺事件の内容は多種多様である。個人認識情報の盗み出し、前金詐欺、不 動産取引に絡むもの、偽造公文書を使ったものなど数えればきりがないが、この事例はこれまでには見当たらないものである。

    ま た当地の郵便配達人は制服を着用していないものも多く、また使用する車両も特定のものではない場合があり、郵便物はいわゆるジャンクメールが非常に多いこ とも手伝って、このような事件は起こりやすいのではなかろうか。被害に遭わないためには少なくとも、銀行などのステートメントはきちんとチェックし、疑義 があれば問い合わせることが必要だが、言葉の不自由さも手伝ってつい忘れがち、ないしは打つ手が遅れる事はままありそうだ。十分に注意しなければならな い。

     

     

    3月の犯罪

     

    デイビッド・マックロウ ( 37歳 ) 、家庭内暴力関連で17件の嫌疑

     

    3 月 29 日付トロント市警ニュース

    ( Japanese Social Service より情報提供)

     

    市警 11 分署の捜査により、 28 歳の女性に対する 17 件の犯行のため 37 歳の男が逮捕された。

    嫌疑の状況は、

    9年の間、加害者は被害者に対し、暴行、屈辱を与え、頻繁に虐待していたが、被害者はこの状況を、事態 が一層悪化することを恐れて警察に通報していなかった。

    3 月 28 日火曜日、午前 10 時 50 分ごろ、被害者が大学の授業に出席していたところ、

    容疑者が教室の外から被害者を誘拐し、

    被害者を監禁した上、暴行を加えた。

    被害者は友人に事態を伝えることが出来、友人が警察に通報した。

    3 月 28 日火曜日、デイビッド・マックロウ( 37 歳)は、以下の容疑で逮捕された。

    強制監禁 2 件

    恐喝

    性的暴行

    暴行 11 件

    器物破損

    公 権力の介入が家庭内暴力の継続を防ぐ事は、はっきりと統計に示されている。虐待を受けている人はすぐ警察に通報することが求められている。また「虐待女性 救援電話 Assaulted Women's Helpline 1−866−863−0511 」に電話をして助けを求めることも可能である。

    虐待に関する情報を持っている人は警察またはクライムストッパーズまで電話 416−222−TIPS (8477) 、オンライン www.222tips.com で連絡を取るよう願いたい。

     

    JSS情報分析

     

    日本では数年前の立法以来活発な摘発と被害者の保護が進められているようだが、当地でも被害の報道は頻 繁であり、 JSS が取り扱うカウンセリングでも、この種のケースは少なくない。

    当地で被害者保護ないしは発生防止がどのように行われ、どのように利用するかなどの詳しい情報は、 JSS がアジア系の数カ国の団体と共同で作成したウエッブサイト、プロジェクトブルースカイ www.projectbluesky

     

     

    「交通安全取り締まり週間」に約2万件の検挙

     

    3 月 21 日付トロント市警ニュース

    ( Japanese Social Service による情報提供)

     

    市警は 3 月 19 日に交通安全の活動として 2 週にわたる「交通安全取り締まり週間」を行った。

    期間中、 19,443 人の自動車利用者、自転車利用者、歩行者が違反を犯し検挙された。

     

    酒酔い運転  90 件

    免許証の 12 時間停止処分  153 件

    安全ベルト不使用  584 件

    スピード違反  8,301 件

    不注意運転  210 件

    路上レースの摘発  8 件

    免許停止期間中運転の摘発  289 件

    信号無視、車間距離違反、道路標識違反 3,356 件

    上記以外の違反  6,146 件

    歩行者の違反行為  264 件

    交通違反犯罪の摘発、告訴  42 件

    横断歩道ないし交差点の安全使用を妨げた駐車違反  1,747 件

     

    今年に入ってすでに 18 人の市内で交通事故のため命を失っている。内 11 人は歩行者で、安全は道路を使用する人全ての責任であることを再認識するべきである。

    市警交通部は「交通安全取り締まり週間」の基本的姿勢を念頭にこれからも交通ルール遵守徹底していく方 針である。

    歩行者もドライバーも十分に注意し、無意味な死亡事故を避け、自分自身の安全のためにも以下を心掛ける ことが大切である。

  • 右左折するときには歩行者と目を合わせる。
  • 速度制限を守る。
  • 交通信号に従って横断する。
  • 運転に集中する。
  • 歩行者は目立つ着衣(特に夜間)を着用し、ドライバーと目を合わせることを忘れぬようする。
  • 道路を利用する全ての人に対し、譲り合いの気持ちを忘れぬようにする。
  • 高齢の歩行者には十分に時間をかけて道路横断をわたらせる。
  • TTC 車両乗降の際には接近する車に注意を払い、常に安全を心がける。
  • 交差点を渡るときには待つことを厭わないようにする。
  • 横断中に信号が変わったら、中央安全地帯に入って、信号が変わるのを待つ。
  • いつでも周囲に注意する。
  •  

     

    安全のための警報

     

    3 月 14 日付ピール郡警察ニュース

    (J apanese S ocial S ervice よりの情報提供)

     

    ブランプトン市のガーデンゲートサークル / マックローフリン通り地域とメドーウオーク通り / ラベンスウッド通り地域で、この 2 ヶ月の間に婦女暴行事件が 2 件起きたことより、ピール郡警察は地域の住民に注意警報を出した。

    最 初の事件は 2 月 28 日火曜日午後 3 時 10 分ごろ、 14 才の女性被害者がメドウウオーク通り / ラベンスウッド通り付近を帰宅中に襲われた。第2の事件は 3 月 6 日火曜日午後 3 時 30 分ごろ、 21 才の女性被害者がガーデンゲートサークル / マックローフリン通り付近を出勤中、起きた。2件とも暴漢は被害者の自由を奪った上、強姦した。

    捜査課では犯人を特定するべく捜査中である。

    マイク・メットカフ署長はピール郡の住民に、住民の安全と保護の確保は郡警察の最優先事項であることを アピールすると共に、市民が安全な生活のために十分に注意を払って欲しいとうったえている。

    暴漢に関する情報

     

    黒人男性、 16 ~ 18 歳、1 65 ~ 167.5 cm、 70 ~ 80 kg、禿頭で左頬ににきびあり。これら 2 件の襲撃で暴漢は青いふわふわした、白いロゴのついたコートを着用。

     

    ピール郡警察は、住民の安全を守るため以下の情報を提供することとした。

    街路では、

  • 毅然として歩く。
  • 順路はいろいろと変えるようにする。
  • 一人歩きは出来るだけ避ける。
  • 順路の予定を立て、近道は避ける。
  • 公園や空き地、暗いところでは、
  • 周囲に注意を配る。
  • 後をつけられたら、
  • 人がいる安全な場所に向かう。
  • 場所を選んで振り返り、大きな声で「あとをつけているの?( "are you following me?" )と叫ぶ。
  • 人通りがある場所では、大声をあげて周りの人の注意を引く。
  • エレベーターの中では、

  • ドアに向かって立つ。
  • エレベーターに乗っている人が疑わしいと感じたらやり過ごして次に乗る。
  • エレベーターに乗ったら運転ボタンの近くに立つ。
  • 急いで逃げる場合はボタンをたくさん押す。
  • 緊急事態への備え、

  • 鍵は手元に持つ。
  • ビルの入り口や車に近づく場合は昼夜を問わず、周囲を良く見る。
  • 建物に関する安全、
  • 施錠された、ないしは出入りが制限されているドアを見知らぬ人のために開けない。
  • 建物を出るとき、ドアの鍵が閉まったことを確認する。
  • ドアをつっかえ棒などで開け放しにする事は絶対にしない。
  • 公共交通利用時、

  • 周囲に怪しい人がいないか注意する。
  • 運行スケジュールを周知し、運転手の近くに座る。
  • 見知らぬ人との会話には注意する。
  • 身元や仕事が分かる服装やものを身につけることは避ける。
  • 夜間には、運転手に目的地近くで停車するよう頼む。
  • 停留所で家族などに会えるように手配する。
  •  

    JSS情報分析

     

    性 犯罪に関する統計は、犯罪の分類方法、刑法の差異などがあり比較し難い物だが、それぞれの警察が発表している統計を筆者なりに推定を加えて分析すると、ト ロントでの発生率 ( 年間人口 10 万人当たり ) は東京の約 7.5 倍、約 110 人が被害にあっている

    。トロントが北米各都市に比べて安全な都市であることに疑いの余地はないが、日本と比べた場合の状態 は、安全とはいえない。従って性犯罪に限らず日本の状態に慣れた人々が不用意な生活をすると被害に遭いやすいと言えそうである。

    掲出した記事は周辺地域のピール郡警察が発表したものだが、類似の事件報道はトロントを含むGTA各地 域警察の発表で毎日のように掲載される物の一つである。この記事では被害に遭わないための注意事項が比較的詳しく掲載されているので今回の対象にした。

    この種の事件に限らず、危険を避ける手立てはかなりある。だからと言って加害者を弁護する意志は全くな いが、避けうる手立ては打つのが市民としての責任でもある。

    願わくば、より多くに人々が事件報道に触れ、その地域の状況に合った予防手段を身につけ、実行すること を望みたい。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    4月の犯罪

     

    オーロラで強盗未遂事件

     

    4 月 18 日付ヨーク郡警察ニュース 

    ( Japanese Social Service による情報提供)

     

    ヨーク郡警察は、オーロラで起こった強盗未遂事件に関連する容疑者の特定と 逮捕に、市民の協力を求めている。

    4 月 16 日(日)午後9時 45 分頃、 51 歳グルジア人女性が、ヤング通り 14800 番地、メット・プラザのセルフサービス洗車場で自車を洗った後、車内に戻ったところ、容疑者が近付き、彼女に掴みかかり金銭を要求した。しかし、後部座席 にいた彼女の犬が飛び出したため、男は驚き、走り去ったため、被害者は怪我を免れた。

    容疑者の容貌は以下の通り。

  • 20代白人男性、痩せ型
  • 黒色のフード付きジャケットもしくはセーターを着用
  • 捜査官は、 被害者と同じ時刻に車を洗っていて事件を目撃した人、または事件の一部を見た、もしくは聞いた人がいるとみている。

    強盗被害にあった場合は、容疑者の要求に従い、容貌をしっかり覚えるように し、抵抗して争わないようにしてください。また、不審な人物や車両は警察へ通報するよう願いたい。

     

     

    オシャワで銀行ATM詐欺・男3人逮捕

     

    4月13日付ダーラム郡警察ニュース

    ( Japanese Social Serviceより情報提供)

     

    ダーラム郡警察は、銀行自動端末( ATM)に手を加えた3人の男が告発された件にともなって、銀行カードやクレジットカードを使用する際に十分注意するよう呼びかけている。

    4 月8日午後3時過ぎ、オシャワ地区警察の制服警官が、オシャワのキング西通りとスティーブンソン通り付近にあるロイヤル銀行に市民の通報に応えて出動し、 3人の男を逮捕したところ、内2人は銀行カードに記載された顧客情報や個人認識番号を読み取る器材を所持していることが発覚した。

    通報人は、ATMのカード読み取り口が普段とは異なっており、よく見ると本 物の読み取り口の上に器材が取り付けられていることに気が付いた。警察の捜査により、不法な読み取り機と針穴写真機を自動端末から押収した。

    トロント在住のディミタ・サラフィンチェフ 26歳、イバン・イオトチェフ37歳およびアタナス・マーコフ21歳の3人は以下の罪状で告発された。

  • $ 5,000を越える詐欺未遂
  • 犯罪共謀
  • 器物損傷、情報操作
  • クレジットカード偽造器具の所有
  • クレジットカード情報の不法所持
  • 家宅侵入用器具の所有
  • さらにイオトチェフは、規制されている武器の保持
  • 3人は4月12日に保釈聴聞、4月28日に罪状認否のためキング通り850 番地の州法廷に出廷する予定となっている。

     

    JSS情報分析

     

    報道や警察の発表で見る限り、この種の「個人認識情報の盗み読み」犯罪は、 半年ほど以前に比べると下火になっている印象である。しかしこの発表を見て、依然として横行していることを再認識するべきと考え、訳出した。

    この種の被害を受けないための注意事項は以前警察から詳しく発表されている ので、以下にその要約を掲載する。

    ・銀行やクレジットカードの月例取引明細書は記入間違い、不信な取引などが ないかきちんとチェックしましょう。

    ・ ATM を使用するときにはできるだけ機械の近く立ち、暗証番号を打ち込むときにはキーを手で覆いましょう。また暗証番号は自分だけが知っているようにしましょ う。

    ・暗証番号は記憶しましょう。番号を書き出さなくてはならない場合は、番号 そのものが分からないような書き方をし、カードと一緒に持ち歩かないようにしましょう。

    ・暗証番号は家族や銀行の職員、警官であっても決して明かさないようにしま しょう。

    ・誕生日のような分かりやすい、ないしは想像しやすい暗証番号は避けましょ う。

    ・暗証番号は定期的に変更すると共に、もし人に知られた恐れがある場合はす ぐに変えましょう。

    ・ ATM からの一日あたりの引き出し額を妥当な額に決めましょう。

    なお、以上のほかATMや周囲にに不審な器具(通常見かけない器具)が取り 付けられてあったり、機械が通常とは異なる操作を要求する、ないしは周囲に不審な人物がいるなどの場合、すぐに最寄の銀行職員ないしは警察に連絡するこ と。

     

     

    詐欺関連60件の嫌疑で女性を告発

     

     4月4日付トロント市警ニュース

    ( Japanese Social Serviceより情報提供)

     

    4月4日、トロント市警詐欺捜査班は、ヨーク郡警察の協力のもと、39歳の 女性を逮捕した。

    事件の経緯は以下の通り。

    -この女性は、保健所の指導員を偽い、高齢の被害者に接触していた。

    -そして信頼されるようになると、被害者の自宅を訪れ、被害者の目を盗んで クレジット/デビッドカードを持ち出し、使用していた。

    トロント在住の、エリーシャ・ロレイン・ピノックは以下の罪に課されてい る。

     

    個人住宅への不法立ち入り  13件

    クレジットカードの窃盗罪  14件 

    盗んだクレジットカードの使用  14件

    5000ドル以下の詐欺 14件

    5000ドル以下の詐欺未遂 3件

    クレジットカードの窃盗未遂

    捜査妨害

     

    捜査は、トロント市警詐欺捜査班および、ヨーク郡警察、ダーラム郡警察によ り進められている。

    被告人は、4月5日 (水)午前10時、カレッジパーク裁判所の501号法廷に出廷する予定である。

     

    JSS情報分析

     

    詐欺事件は常に人の善意や信頼を裏切って行われるが、この事件は公的機関の 職員を装って、高齢者を標的にしていることが極めて悪質である。

    公的機関の職員を装う詐欺事件でこれまでに目立ったのは警察官を装うケース だが、ニュースでは比較的早期に事件が発覚し、捜査がすすめられている。本件の被害状況や件数を見る限り、比較的長期にわたって計画的に進められた様子が 想像できる。

    こ のことから被害が比較的長期にわたって警察に通報されずにいたのではないかと推定される。被害者が高齢者であること、保健所の職員と言う「信頼するべき」 人物を装った犯行であることなどがその原因であるやに想像できるが、どんな事件であれ被害を受けた場合被害が他に波及しないように即刻通報することが市民 としての責任であることを痛感する。

    ま たクレジットカードはいろいろな犯罪で利用される。日本と異なり当地ではカード会社への支払いは、毎月送られてくるステートメントをベースとして現金支払 いが実行される。支払いの際、ステートメントを鵜呑みにせず、内容を確認する事は被害を最少に抑える最低限の自衛手段であることを忘れないようにしたい。

     

     

    6月の犯罪

     

     

    テロ容疑で 17人逮捕

     

    6月4日付カナダ連邦警察ニュー ス

    ( Japanese Social Serviceより情報提供)

     

    6月2日金曜日、連邦警察 (RCMP)および連邦安全保障連合は、連邦刑法83項の嫌疑で17名を逮捕した。

    「このグループは爆発物を作るため に 3トンの硝酸アンモニウムおよび関連素材入手を企てていた。」とマイク・マクドネル長官補佐官が発表した。「1995年のオクラホマ爆発事件(168人が 死亡)では硝酸アンモニウムが1トン使用された。」

    連邦刑法に基づいて検挙された 17人は以下の通り。

     

    1. ファミム・アーマド(21)、トロント在住

    2.ザガリア・アマラ(20)、ミ シサガ在住

    3. アサド・アンサリ(21)、ミシサガ在住

    4. シャリフ・アブデルハレーン(30)、ミシサガ在住

    5. カイヤム・アブドュル・ジャマル(43)、ミシサガ在住

    6. モハメド・ディリー(22)、キングストン在住

    7. ヤシム・アブディ・モハメド(24)、キングストン在住

    8. ジャマール・ジェイムス(23)、トロント在住

    9. アミン・モハメド・ドュラニ(19)、トロント在住

    10. スティーブン・ビカシュ・シャンド、別名 アブドュル・シャクアー(25)、トロント在住

    11. アーマド・ムスタファ・ガーニイ(21)、ミシサガ在住

    12. サード・カリド(19)、ミシサガ在住

    13. 18歳以下の未成年者5名

     

    「この捜査および検挙によって爆発 物製造と計画されていたテロ攻撃が阻止された。我々は市民の安全確保のために捜査活動を進めていく。」とマクドネル長官補佐官は述べた。

    参考:( JNN による日本における報道)

    カナダの警察当局は3日、中部オン タリオ州で爆破テロを計画していた疑いで未成年者を含む17人を逮捕したと発表しました。
    逮捕されたのはオンタリオ州在住の18歳以下の5人を含む男17人です。
    カナダの警察当局によりますと、容疑者らは州南部の数ヶ所で爆破テロを計画していた疑いが持たれていて、国際テロ組織アルカイダの思想に共鳴していたとい うことです。
    容疑者らは爆発物の材料となる硝酸アンモニウム、3トンも入手していました。これは1995年に起きたアメリカのオクラホマシティーにある連邦ビル爆破事 件で使われた3倍の量にあたるということです。
    地元紙トロントスターによりますと、このグループはトロントの郊外で、テロ計画を実行するために爆発物の知識や重火器の扱い方などについて訓練を重ねてい たということで、警察当局では他のテロ組織との関係を調べています。(04日13:23)

     

    JSS 情報分析

     

    この事件について新聞、テレビの反 応はまちまちである。スター紙は土曜日、日曜日ともに一面ならびに他の数ページを当てて非常に詳しい解説記事を掲載している。一方グローブ&メール紙は、 RCMP の事件発表の一部をコラムに掲載した。一方テレビは CBC 、 CTV 、 Pulse24 などが解説を含む多くの報道をしている。

    多くの報道機関が、この事態は多民 族が並存し、自由を重んじるカナダにありうる危険である事を認める一方、関係者や市民の反応は諜報機関や警察の動きに信頼を置く物が多く、関連機関がテロ の予備活動を綿密に追跡し、必要に応じて活動を阻止する動きを目のあたりにし、賞賛している。一部の人々からは「人種差別」だという意見も聞かれるが、こ れは少数と見られる。

    なお検挙のあった翌日の深夜から翌 朝にかけて、 2 回にわたって市内のイスラム教会のガラスが割られる事件が起きている。市警総監は、「いかなる野蛮行為も見過ごしにはしない」と語ったことが報道されてい る。

    今回検挙されたグループは米国ない しはそのほかのイスラム原理主義グループの間接的な影響は受けているものの、他のグループとは直接関係を持たない国内発生グループと見られているとスター 紙は報道している。また、英国ロンドンで起きた地下鉄および 2 階建てバスの爆破事件が英国内で生まれたグループによる犯行であり、カナダは自国内で生まれたグループによるテロ攻撃が起きうる所であると考えられている という。

    検挙されたグループは爆発物素材 (硝酸アンモニウム:肥料として市販されている)の収集や製造、爆破目標の選定、詳細な計画や準備および訓練、またイスラム原理主義の考え方や世界の見 方、彼らの考え方などを宣伝するためのビデオ作成などを行っていたともいう。爆破目標について確定的な情報の報道はされていないが、グループが製造しよう とした爆発物は大きなビルを破壊するための物であることや、 CN タワーに近接する連邦安全保障情報局( CSIS )のトロント本部が含まれていたという噂が報道されている。

     

     

     

     

     

    5月の犯罪

     

    発火物使用による事件多発‐警察からの警告

     

    5月10日ヨーク郡警察ニュース

    (Japanese Social Serviceより情報提供)

     

    リッチモンドヒル周辺で発火物が家屋や自動車に投げ込まれる事件が多発した ため、ヨーク郡警察は市民に家屋や敷地内に置かれた不審物に関して注意するよう呼びかけている。

    4 月29日から5月8日にかけて郡警察は、家や車に物が投げ込まれるという被害を受けた、或いは火災になったという通報を複数受けた。内3件はモロトフカク テルといわれる発火物が投げ込まれ、家屋に被害があった。警察ではこのところ起きている火災のいくつかが、引火性の液体を詰め、起爆装置を持ったモロトフ カクテルによって起きたとみている。この発火物は人体に重傷、ないしは家屋に重大な損失をもたらすため、ヨーク郡警察は住民に、不審物が敷地内にあった場 合注意するよう呼びかけている。モロトフカクテルらしき物を見つけた場合、触ったり動かしたりせず、すぐ警察に連絡すべきである。不審な人物や車について も警察に通報するよう願いたい。

     

     

    JSS 情報分析

     

    掲 出した発表にある「モロトフカクテル」はガソリンを詰めたガラスビンに新聞紙などで栓をし、火をつけて投げるとビンが割れて火災を起こす物から、空気に触 れることによって発火する薬物をガソリンなどに混入してビンに詰めたり、導火薬を用いるものまであり、物によっては軍事用に用いられることもある。

    発 表記事からは、なぜこのような危険な物を他人の家ないしは車に投げ込むかの理由が判明しないし、特定の相手に向けられた物か、無差別に行われているかも判 明しない。したがって恨みなどを受ける心当たりがない場合でも十分な警戒が必要である。無作為に行われているとすれば投げ入れに注意する事は難しいと見る べきであり、十分な警戒が必要であり、万一被害にあった場合警察が呼びかけているように不用意な対処をしてはならない。不審物に関する最初の対応は警察へ の通報である。

    なお、事件はトロントに隣接するリッチモンドヒルで起きており、他の地域の 住民も十分警戒する必要がある。

     

     

     

    7月の犯罪

     

    性的暴行事件捜査で犯人捜索

     

    7 月 6 日付市警ニュース 

    ( Japanese Social Service より情報提供)

     

    市警性犯罪課は、以下2件の性的暴行事件に関し、一般市民の協力を求めている。

    1. A 事件の概要

    •  7 月 5 日水曜日午前 8 時ごろホルコーム通りとエディスバル公園付近で 31 歳の女性が、公園内を歩いているときに背後から掴みかかられ、立ち木の多い場所に引きずりこまれ、暴行を受けた。

    •   犯人はその上、女性のハンドバッグを掴み取り、ホルコーム通り方面に逃走した。

    犯人は男性、褐色の肌色、南米出身者の可能性あり、濃い茶色の短髪。服装はジーンズにランニングシュー ズを履き、半そでのシャツを着ていた。

    2. B 事件の概要

    •  7 月 6 日木曜日午前0時 30 分ごろミラー通りとリンダー通り付近で 38 歳の女性が帰宅し、アパートのドアの鍵を開けようとしているとき、何かで後頭部を強打された。

    •   女性は打たれて朦朧としたが、何とかアパートに入ったところ、犯人が部屋に入り込み、暴行を加えた。

    犯人は被害者によると黒人男性。

    1 人で行動する場合は十分に警戒し、常に周囲に注意するように。

     

    JSS 説明

     

    今回は頻発している性的暴行事件を 2 件同時に掲載した。ともに典型的な事件内容であり、注意を喚起するためである。

    どちらの事件も 1 人で行動中の女性が狙われている。背後から襲われているのも同様である。

    1 人で行動する事は出来れば避けることが望ましいが、常に家族や信頼できる友人などと同道する事は容易ではないと考えられる。記事にもあるように、 1 人で行動するときは狙われやすいことを念頭に入れて、人通りの少ないところを避けるとか、周囲の状況に注意を払う姿勢が大切である。また行動をパターン化 せず、犯人が待ち伏せなどをしにくくすることも必要な予防処置である。たとえば 7 月 6 日発生の、アパートに入ろうとした女性を襲った例では、犯人は女性に家族がいないことを知っていた節がある。

    ち なみに 2005 年の市警統計によると、非暴力の性的犯罪(誘引や露出など)を含む事件の発生は 2,723 件で 2004 年に比べ 8.4 %増加しており、発生率は人口 10 万人当たり 101 件である。また被害者の年令は 0 ~ 24 歳が全体の 70 %、 0 ~ 34 才が約 85 %を占めている。

    また不幸にして被害にあった場合はすぐに警察に通報し、警察の迅速な初動捜査を可能とするとともに、時 間を置くことで被害が大きくなることを防ぐべきである。

     

     

    ホテル発砲事件続報 - 3 人逮捕、コカインに絡む嫌疑

     

    7 月5日付市警ニュース 

    ( Japanese Social Service より情報提供)

     

    (既報記事を参照)

    警察が 28 階の客室を捜査した際に、約 4KG のコカインと思われる物が発見されたところ、市警麻薬班は当事件に関して 3 人の容疑者を逮捕した。

    1. 銃撃の被害者でもあるショーン・エレズ(36歳、ケベック在住)の嫌疑

    (1) 取引のためのコカイン所有

    (2) コカイン所有

    2. ナタリー・アビタン( 27 歳、ケベック在住)の嫌疑

    (1) 取引のためのコカイン所有

    (2) コカイン所有

    3. イブジーン・スターチック( 22 歳、 BC 州在住)の嫌疑

    (1) 取引のためのコカイン所有

    (2) コカイン所有

    この 3 人は 7 月 5 日、クイーン西通り 60 番地の旧市役所法廷に午前 10 時に出廷する予定である。

     

     

    JSS 説明

     

    この発砲事件は、警察ないしはそのほかの新聞報道などによれば麻薬取引に絡んだもので、観光客などの利 用が多い一流のホテルで起きている。

    新 聞報道によると警察は、通常場末のモテルやホテルで行われると考えられやすい不法行為を、合法な取引のようにカモフラージュするために一流のホテルは恰好 の場所であり、また自宅などを利用するのに比べて後をつけられにくい、盗聴などされ難いなどの利点もあると語っている。

    ホテルは事件当夜、 3 回ほど宿泊客に自室内に止まるよう緊急放送を行ったという。その後特に危険が回避されたというアナウンスはなかった。ホテルは翌日には通常の営業を行って いる。

    銃 撃被害に遭ったのはケベック在住で、米国で麻薬取引に関わる罪で懲役 15 年の判決が下り、国籍のあるカナダで囚役し、先ごろ保釈になった、事件に関わる麻薬取引当事者である。同道していたガールフレンドは同じケベック在住の銀 行員で、パートナーの過去については認識していなかったと報道されている。

    「ト ロントは安全」、「一流ホテルは安全」といってもこのような危険な事態が起きないという保障はない。新聞報道でホテルの支配人が語っているように「何かが 起きて不思議ではない」ことをしっかりと認識し、事件のとばっちりを受けないようにするばかりではなく、自衛のための手立て、

    •   少なくともドアチェーン、装備されていればデッドボルトをかけ、見知らぬ人に対してはドアを開けない。

    •   貴重品はホテルの金庫に預ける。

    •   むやみに部屋番号を人に言わない。

    •   ホテル従業員を偽るケースも少なくないので、入室を要請する従業員がいたら、ホテルのフロントに確認する。

    •   疑わしい行動はフロントに連絡する。

    などを励行することを勧める。

     

     

    ホテルで銃撃事件

     

    7 月 4 日付市警ニュース 

    ( Japanese Social Service より情報提供)

     

    7 月 3 日月曜日午後 9 時 40 分ごろ、ハーバースクエアー 1 番地のウェスティン・ハーバー・キャッスル・ホテルから銃撃事件に関する通報があり警察が出動した。

    銃撃事件は 28 階のホールで起きたことが確認され、警察は 16 階のエレベーター内で、腹部に 1 ヶ所、足に 2 ヵ所の銃傷を受けた男性を発見した。また、 36 歳の男性は、病院に運ばれたが、命に別条はない模様。

    緊急機動隊が捜査を行ったところ、発砲した人物はすでにホテル内には見当たらなかったため、ホテルの利 用客に対する危険性はないと判断され、一時避難中の宿泊客はホテルに戻った。

    ウェスティン・ハーバー・キャッスル・ホテルは進行中の警察の捜査にきわめて協力的である。

     

     

    8月の犯罪

     

    住居侵入強盗

     

    8月1日付市警ニュース  

    (Japanese Social Serviceによる情報提供)

     

    7月31日月曜日早朝、被害者(複数人)がネービーワーフ通りにある高層住宅に戻ったところ、以下のよ うな被害に遭った。

    •  エレベーターを降りようとしたところ、覆面をし、拳銃を持った 3人の男が立ちふさがった。

    •  被害者は犯人に自室に押し込まれ縛り上げられた上、内部が物色され、物が盗まれた。

    •  多額の現金、宝石及び電子機器が盗み出されました。

    •  犯人は逃走した。

    犯人の 1人は黒人、約185cm、がっしりした体格、色の濃い服を着用。

    犯人の二人目はアジア系、約 165~167.5cm、短い黒い髪、迷彩色のジャケットとジーンズを着用。

    犯人の三人目は約 167.5~170cm、濃い色の服を着用。

    市警は犯人特定のため一般からの情報を求めている。

     

    JSS 説明

     

    昨年に比べて増加していると言われる高層集団住宅で起きた強盗事件である。簡潔な発表からでも被害を防 ぐ注意点が見てとれるので掲出する。

    まず、この種の事件の発生は本件に限らず深夜が比較的多いことである。なお、発砲事件の場合も多く深夜 に起きている。可能な限り深夜の外出や帰宅は避けるべきである。

    ま た発表では明確にされていないが、犯人達が被害者と同じエレベーターに乗り合わせたかどうかは重要なポイントである。被害者の居住階を事前に知っていたか どうかが判明するからである。一般にこの種の事件では事前に被害者の行動パターンを調べ、計画的に進められることが多い。その意味では、事前に何らかの兆 候があったかもしれない。

    仮に機会を見ながらの犯行だとすれば、犯人は被害者と 同じエレベーターに乗ったと考えられる。これまでの事件発生状況から見て、深夜、見知らぬ人物とエレベーターに同乗するのはきわめて危険な行為と考えなく てはならない。エレベーターはいわば密室であり、また犯人に居住階を知らせることになるからである。なおアパートの廊下は通常建物の内部にあり見通しが良 くない場合が多い。特に凶器を伴う犯行に出会った場合、被害を避ける事は難しいと思われる。

    発 表の内容から察して、この住宅には 24 時間監視の警備員がいなかったようだ。当地では一般に「アパート」と呼ばれる場合このようなケースが多い。「コンド(ミニアム)」の場合は 24 時間監視の警備員がいる。「「アパート」の場合にも入り口には居住者しか持っていない鍵がかかったドアがあるが、部外者が出入りする事は比較的に簡単であ る。居住者が出入りしたときに一緒に出入りしてしまう事は日常頻繁に見受けられることである。

    被害者が抵抗して悲劇的な事件とならなかった事は不幸中の幸いであろう。特に犯人が銃砲を所持してる場 合の抵抗はきわめて危険である。

    以上の点からいくつかの注意点が指摘できる。

    •  複数人の行動であっても、深夜の帰宅は危険を伴っている。

    •  事前に下見が行われていたとすれば、何らかの兆候があったかもしれない。日常から不審な行動には目を光らせよう。

    •  エレベーターに見慣れない人と同乗するのは危険である。また、エレベーターホールに見慣れない人がいる場合には、一旦居住階以外の階でエレベーターを止め るなどの対策を施すなりの注意や、不審な場合には警備員ないし警察への通報など対応を考える必要がありそうだ。

    •  可能な限り、警備の厳重な集合住宅に住むことが望ましい事は言うまでもない。

    以上の外にも多くの注意点が考えられるが、日常から「何かが起きても不思議ではない」という心構えを持 つことが必要である。

     

     

    空港での手荷物検査基準の強化

     

    8月11日付グレーター・トロント空港管理局発表 

    (Japanese Social Serviceによる情報提供)

     

    英国でテロの脅威が発覚した事態に対応してカナダ政府は、トロント・ピアソン空港及び全土の空港におけ る航空安全基準を強化するため、以下に述べる安全基準を適用することとした。

     

    国内便、米国及び海外便全てにつき、乗客は容器に入った液体及びジェル(ジェリー状物質)を、量の多少に関わらず機内に持ち込んで はならない。

     

    液体またはジェルは、全ての飲料、シャンプー、日焼け止めクリーム、美容クリーム、歯磨き粉、整髪用ジェル、ないしは類似のものを 量の多少に関わらず含み、これらのものは、預かり荷物に入れることとする。

     

    幼児用のミルクや離乳食、母乳、ジュースなどは幼児ないしは年少の子供が渡航する場合にのみ持込が許され、氏名がチケットと一致す る処方箋薬品、インシュリン及びその他の必要不可欠な非処方箋薬品の携行は許される。

     

    免税店は酒類及び香水に限って液体製品を販売することとする。

     

    全ての旅行者は航空機による旅行の準備を進める際に以上の基準を守ると共に、スケジュールの遅延につき航空会社に問い合わせるよう 願いたい。

     

    グレーター・トロント空港管理局は連邦政府と緊密な連携をとり、一般旅行者への影響が最少となるよう努 めているため、ピアソン空港でのスケジュール遅延は僅少である

    (Japanese Social Serviceによる情報提供)

     

    7月31日月曜日早朝、被害者(複数人)がネービーワーフ通りにある高層住宅に戻ったところ、以下のよ うな被害に遭った。

  • エレベーターを降りようとしたところ、覆面をし、拳銃を持った 3人の男が立ちふさがった。
  • 被害者は犯人に自室に押し込まれ縛り上げられた上、内部が物色され、物が盗まれた。
  • 多額の現金、宝石及び電子機器が盗み出されました。
  • 犯人は逃走した。
  • 犯人の 1人は黒人、約185cm、がっしりした体格、色の濃い服を着用。

    犯人の二人目はアジア系、約 165~167.5cm、短い黒い髪、迷彩色のジャケットとジーンズを着用。

    犯人の三人目は約 167.5~170cm、濃い色の服を着用。

    市警は犯人特定のため一般からの情報を求めている。

     

    JSS 説明

     

    昨年に比べて増加していると言われる高層集団住宅で起きた強盗事件である。簡潔な発表からでも被害を防 ぐ注意点が見てとれるので掲出する。

    まず、この種の事件の発生は本件に限らず深夜が比較的多いことである。なお、発砲事件の場合も多く深夜 に起きている。可能な限り深夜の外出や帰宅は避けるべきである。

    ま た発表では明確にされていないが、犯人達が被害者と同じエレベーターに乗り合わせたかどうかは重要なポイントである。被害者の居住階を事前に知っていたか どうかが判明するからである。一般にこの種の事件では事前に被害者の行動パターンを調べ、計画的に進められることが多い。その意味では、事前に何らかの兆 候があったかもしれない。

    仮に機会を見ながらの犯行だとすれば、犯人は被害者と 同じエレベーターに乗ったと考えられる。これまでの事件発生状況から見て、深夜、見知らぬ人物とエレベーターに同乗するのはきわめて危険な行為と考えなく てはならない。エレベーターはいわば密室であり、また犯人に居住階を知らせることになるからである。なおアパートの廊下は通常建物の内部にあり見通しが良 くない場合が多い。特に凶器を伴う犯行に出会った場合、被害を避ける事は難しいと思われる。

    発 表の内容から察して、この住宅には 24 時間監視の警備員がいなかったようだ。当地では一般に「アパート」と呼ばれる場合このようなケースが多い。「コンド(ミニアム)」の場合は 24 時間監視の警備員がいる。「「アパート」の場合にも入り口には居住者しか持っていない鍵がかかったドアがあるが、部外者が出入りする事は比較的に簡単であ る。居住者が出入りしたときに一緒に出入りしてしまう事は日常頻繁に見受けられることである。

    被害者が抵抗して悲劇的な事件とならなかった事は不幸中の幸いであろう。特に犯人が銃砲を所持してる場 合の抵抗はきわめて危険である。

    以上の点からいくつかの注意点が指摘できる。

  • 複数人の行動であっても、深夜の帰宅は危険を伴っている。
  • 事前に下見が行われていたとすれば、何らかの兆候があったかもしれない。日常から不審な行動には目を 光らせよう。
  • エレベーターに見慣れない人と同乗するのは危険である。また、エレベーターホールに見慣れない人がい る場合には、一旦居住階以外の階でエレベーターを止めるなどの対策を施すなりの注意や、不審な場合には警備員ないし警察への通報など対応を考える必要があ りそうだ。
  • 可能な限り、警備の厳重な集合住宅に住むことが望ましい事は言うまでもない。
  • 以上の外にも多くの注意点が考えられるが、日常から「何かが起きても不思議ではない」という心構えを持 つことが必要である。

     

     

    9月の犯罪

     

    本年 54番目の殺人事件

     

    9月28日付市警ニュース

    ( Japanese Social Serviceによる情報提供)

     

    9月25日午後10時42分ごろ、発砲音および自動車事故の通報で警官がイスリントン/サッタリー通り 地区に出動したところ、車が街路樹に衝突しており、その中に重傷を負った男性を発見した。

     

    事件の状況は、

  • 9月25日10時42分、被害者レマー・レオ・ジャクソンは、サッタリー通りイスリントン通り地区に あるバーで喧嘩に巻き込まれた。
  • 被害者は自分の車に乗り、発進させたところ、犯人が被害者に向けて発砲し、被害者は頭に被弾した。
  • 車は高速で約 75m走行し、エルナサン通りの住宅前にある木に衝突した。
  • 被害者は致命傷を負って病院に搬送され、生命維持装置が装着された。
  • 9月27日水曜日午後2時40分、被害者死亡。
  • 9月28日検死の結果、死因は頭に受けた銃創と判明した。
  • 殺人課では一般市民からの、この発砲事件に関する情報を求めている。

     

     

    今年に入って48件目の殺人事件

     

    9月16日市警ニュース

    (Japanese Social Service による情報提供)

    1 4日(木)10時30分、シルバースプリング通りから発砲の通報を受けたところ、出動した警官が、顔に銃撃を受け倒れている男性を発見した。

     

    事件の概要:

  • 発砲時被害者は 3~5人の、若い黒人男性と共にいた。
  • 発砲後、男達は現場から走り去るのを目撃されている。
  • 被害者は脳に至る致死傷を受け病院に搬送されたが、 15日(金)死亡した。被害者はトロント在住の、アーロン・ジョンストン (33歳)で友人からは‘TJ'として知られていた。事件発生時、同じビルに住んでいるないしは地域の住民多くが現場近くにいた。

     

     

    ブランプトン街頭で銃撃

     

    9月6日付ピール郡警察ニュース

    (Japanese Social Serviceより情報提供)

     

    9月4日月曜日午前8時30分ごろ、チャムニーコートで起きたいさかいで、男性1名が銃創、他の1人が 刺傷、もう一人も傷を負った。3人とも逮捕され、多くの嫌疑がかけられている。

    いさかいはトロント在住のブライアン・リチャーズ (23歳)が、ブランプトン在住のレロイ・ブライアン(19歳)から何かを盗もうとしたことから始まった。

    レ ロイ・ブライアンはブランプトン在住の父親の助けを借りてリチャーズの後をつけ、周囲を探した。追跡はリチャーズのブライアンの父親に対する発砲で終わ り、父親は負った傷にもかかわらずリチャーズから武器を手放させ、もみ合いが続いた。その後、息子のブライアンが銃を取り上げ、リチャーズを狙って、誤っ て父親を撃った後、父親を刺した模様。

    息子のブライアンは現場で検挙され、一方父親とリチャーズは地域の病院に送られた。両人は治療を受けた 後退院し警察に検挙された。

    リチャーズは銃器、武器、暴行および盗みに関する 16件、息子のブライアンは銃器、武器、暴行の嫌疑13件、父親は武器および過剰暴行に関する3件の嫌疑でそれぞれ逮捕された。

    3名ともに仮釈放法廷のために留置されておりブランプトンの州法廷に出廷する予定。

     

    JSS 説明

     

    事件の内容は記事にある通りで、幸い死亡者は出ていない。しかし以下の 2 つの点で注目に値すると考えられる事件である。

    ま ず第一にトロント周辺では、時間、場所には関係なしに発砲事件が起きうることを事件が示していることである。発砲ないしは銃撃による殺人事件は多くが深 夜、歓楽街周辺で起きている。しかし、この事件が示唆していることは、一説によれば全土で 7 百万丁の銃器が保有されているカナダでは、たとえそれが正規に登録されている物であるにしろ、何らかのきっかけで本来の目的以外の事由で、場所、時間には 無関係に銃砲が使用される可能性があることだ。

    第二に、盗みに対応する行動であったにしろ銃の発射は我々の想像外である。しかし前述の7百万丁と、自 己防衛のためと言う意識から考えれば、とっさの場合にこのような事件が起きうるのが当地なのである。

    銃器の保管、使用については非常に綿密で厳格な法規があるが、事態によっては身近に銃器がある社会で、 このようなことが起こらないとはいえないのだ。

    流れ弾を受けるなど被害を受けないための手立ては、このようなケースでは極めて難しいが、常時自分の周 囲で起きていることに気を配ることと、異常に気がついたら対応する(この場合物陰に入るなど)ことを忘れてはならない。

    数年前にユニオン駅で、銃を持った犯人が通行人を人質に取った事件があったが、事態を知った周囲の人々 の多くが即座に地面に伏したという。銃撃事件がほとんど念頭にない日本人が同様の事態に遭遇した場合、そのような行動が取れるかどうか、筆者には疑問があ る。

     

     

    街頭麻薬取引で逮捕、大量武器押収

     

    9月6日付市警ニュース

    ( Japanese Social Serviceによる情報提供)

     

    51分署は、街頭麻薬取引の取り締まりに際し、多くの武器とクラックコカイン製造設備を摘発した。

    8月31日、リージェントパークコミュニティーセンターのすぐ近くで、街頭での麻薬取引に関わる家宅捜 索が行われ、街頭価格10万ドルを越すクラックコカイン700グラムと軽機関銃、突撃銃を含む8丁の武器が押収された。

    51分署は、「この地域は私服警官が頻繁にパトロールしている。こういった警察活動は非常に望ましいも ので、警官は街頭に出て目と耳を使っているのである。」とコメントした。

    8月31日の深夜直前に3人の私服警官は、リージェント通りで、2人の街頭麻薬取引とおぼしい状況を発 見した。

    追跡の結果、容疑者の家の中には、麻薬、秤、武器などが放置されていた。 

    ブラウニング拳銃 と AK-47 自動小銃のほかに警察は、 5 丁の拳銃と軽機関銃 1 丁および弾丸、ケースおよび防弾チョッキも発見した。

    バービア刑事は「引き続き制服、私服の警官がこの地域での銃およびギャングの動きを監視していく ことになる。」と述べた。

     

     

    マーカムで殺人事件

     

    9月1日付ヨーク郡警察ニュース

    (Japanese Social Serviceによる情報提供)

     

    ヨーク郡警察は、マーカムで起きた発砲事件を調査中であり、現場から逃走した犯人の特定及び検挙につき 一般市民の協力を求めている。

    9月1日金曜日午後10時頃、911通報により現場に出動した警官が、スティールス通り3636番地に あるレストランの前で数発の銃弾を受けた男性を発見したが、直後に被害者の死亡が確認された。

    被害者の氏名は近親者への連絡を優先し、現在保留されており、死因を決定する死後解剖は 9月3日日曜日に行われる。

    警察は、発砲の後、現場から逃走した犯人の特定及び検挙のため、協力を求めている。

     

    犯人の特徴:

  • 20歳代のアジア系男性で身長約157.5cm
  • 濃い色の長袖の上着とブルージーンズを着用
  •  

     

    10月の犯罪

     

    発砲事件捜査で容疑者 5人を捜索中

     10月17日トロント市警ニュース

    ( Japanese Social Serviceによる情報提供)

     

    10月17日火曜日午前1時30分ごろ、ハミルトン通り・クイーン東通り地域から、銃を所持した男がい るとの通報があり、警察官が出動した状況は以下の通り。

  • 2人の男の間で喧嘩が起き、3人の男がそれを見ていた。
  • 喧嘩はその 3人のうちの1人に突然向けられた。
  • この男がその場を逃げようとした時、最初の 2人のうち1人が発砲し、喧嘩には無関係な近くに居た人が被弾した。
  • 被害者は病院に運ばれ命に別状ない模様。

    市警では以下の男達を捜索中である。

  • 白人、 17~23才、約170cm、体格がよく、白いシャツと黒い縁なし帽を着用。
  • 白人、 17~23才、約183cm、痩せ型。
  • 白人、 約 173cm。
  • 白人、 約163cm、「リック」 または 「リッキー」が名前と思われ、太っており、茶色の髪をポニーテールにしており、あごひげを蓄え、濃い緑色の防寒コート、濃い色の野球帽着用。
  • 黒人、 約170cm、約70kg、短髪で茶色のセーターに濃い色の防寒ジャケットを着用。
  • JSS 説明

     

    今週は市警管内だけで 4 件の発砲事件が発表されている。幸いにも死者は出ていないが、極めて頻繁に銃撃事件が起きていることをあらためて認識するべきである。

    4 件の内 3 件は、いさかいが発砲につながったと報道されている。うち 2 件はいわゆる歓楽街で深夜に起きている。また 1 件ではいさかいには無関係な人物が銃弾を受けている。

    こ れまでも再三述べてきたが、北米の大都市の中では比較的安全といわれるトロントであるが、町に銃器は数多く存在しており、いさかいや脅迫、強盗の際に使わ れている。( 10 月 20 日にはミシサガの北にあるブランプトンのホテルで 2 連のショットガンを用いてた強盗があった。)こういった場面に遭遇した場合、すぐに現場から離れることが被害を防ぎうる唯一といってよい方策だと思われ る。

    一方事件の詳細が発表されていないので、どのような経緯があるのか不明であるが、家人が就寝中の寝室に 銃弾が打ち込まれた事件も発表されている。

    一般にこの種の事件は顔見知りの犯行であることが多いが、本件の場合は不明である。昨年末に人込みの中 での発砲で発砲者には無関係な少女が死亡した事件、数年前に発砲者とは全く無関係な被害者が、家に飛びこんだ流れ弾で死亡した事件などが思い起こされる。

    ともかく、人込みや家が建て込んだ地域での、見境のない発砲事件では被害を防ぐ手立ては、皆無といわざ るを得ないのが歯がゆい。

     

     

    リッチモンドヒルで刺傷事件

     

    10月06日付ヨーク郡警察ニュース

    ( Japanese Social Serviceによる情報提供)

     

    ヨーク郡警察第 2管区犯罪捜査課は、リッチモンドヒル町で起きた街頭強盗及び刺傷事件の犯人特定と逮捕のため一般の協力を求めています。

    10 月5日木曜日午後9時40分ごろ、16才の男性がヤング通り・クロスビー通りの停留場でバスを下車したところ、2人の犯人が近づいてきて、被害者に iPodを渡すよう要求した。いさかいになり、犯人は被害者を路上に押し付け、胸を2回刺したあと徒歩でヤング通りの西側歩道を南方向に逃走した。

    被害者は現在、命には別状のなく病院に収容されている。

     

    犯人#1

  • 白人男性、 16才、約173cm、がっしりした体格で濃く短い、ちじれた髪。
  • 赤いフードのついたスウェットシャツを着用。
  • ナイフを所持。
  • 犯人#2

  • 肌の色が濃い男性、 16才、約178cm、普通の体格で短く黒い髪。
  • 中東出身者と思われる。
  • 緑か赤のシャツとブルージーンズを着用。
  •  

    強 盗の被害者になった場合、犯人の要求に応じ、犯人の風体を出来る限り記憶し、抵抗しないようにする。疑わしい人物および使用していた車については警察に通 報願いたい。

     

     

     

    12月の犯罪

     

     

    本年 68 件目の殺人事件

     

    12 月 24 日付市警ニュース 

    (Japanese Social Service による情報提供 )

     

    12 月 24 日日曜日午前 1 時ごろ、キング西通り・ダファリン通りのすぐ西の地域で発砲事件が起きた。

    出動した警官が、銃創を受けた男性を発見したが、男性は致命傷を受け病院に運ばれた。のち死亡した。

    キング西通り・ティンデイル通りに向かって、西方向に逃走した。加害者は白人男性、 20 ~ 25 才、約 168cm ~ 170cm の中肉、黒い服を着ていた。

     

    JSS 説明

     

    警察やテレビなどの報道によると、この週末に 4 件の発砲事件が GTA で起きている。本件以外に、

  • 23 日午後 1 時ごろ、イスリントン通り・キール通り付近の発砲事件で銃創を受けた人がいる。
  • 23 日午後 8 時ごろモーニングサイド通り・エルスメア通りにあるモーンネルコートのアパートで 19 歳の男性 2 人が銃創を受けた。
  • 24 日午前 2 時 20 分ごろ歓楽街のパール通りで男女 2 人が銃創を受けた。
  • 訳出事件以外では、銃創は幸い命に関わらなかったが発砲事件が頻発していることには変わりはない。

    当地で生活する以上、銃の存在は現実であり、忘れてはならないことを認識するべきである。

     

    11月の犯罪

     

    州警察による飲酒運転撲滅運動

     

    11 月 27 日付州警察ニュース

    ( Japanese Social Service による情報提供)

     

    年末の 11 月 29 日から 1 月 2 日まで、州警察は地域の警察と協力して飲酒運転撲滅運動を行うことになった。

    飲酒運転は従来から、カナダでの死亡事故原因となる主要な犯罪であるため、州警察は飲酒運転者による危 険を排除し、州内道路での死亡事故を少なくするために地域に繰り出すこととした。

    昨 年 5 週間にわたって進められた飲酒運転撲滅運動では、 576,875 台のうち 278 人がアルコールに関連する刑法違反で検挙され、 671 人が 12 時間の免停処分、又、 270 人が 90 日の免停処分を受けた。チェックポイントで検査された車 608 台に 1 人の割合でドライバーが飲酒運転のため検挙ないし 12 時間の免停処分を受けたことになり、この状況は受け入れがたいものではあった。

    昨年の年末の撲滅運動期間中に、係官は 45 人の命を奪った 37 件の死亡事故を調査したところ、死亡者のうち 3 件は飲酒が原因であった。

    ファ ンティーノ州警察長官は、「交通安全運動はすべての州警察警官にとって最重要な活動であり、責任でもある。」と語っている。州警察の警官は道路から飲酒運 転を撲滅するため、各々の管轄で活動している。皆さんもそれぞれの立場で、飲んだら運転しないということを必ず実行するよう願いたい。

     

    JSS 説明

     

    飲 酒運転 ( 酒気帯びないし酒酔い運転 ) は、交通事故に関する発表を見ていて、特に年末や大きなスポーツ試合があったあとなど頻繁に目に付く事故原因である。この発表があった週にも、トロント北 方にあるリッチモンドヒル町で、歩道をジョギングしていた女性を、車道から飛びこんだ車が撥ね、死亡させている。ちなみに記事中にある昨年の統計は、警察 の発表を見慣れている筆者の印象では飲酒原因死亡事故数が少なすぎるように感じる。もっとも飲酒が事故の直接原因にはならず、たとえば直接原因として無謀 運転や速度違反を引き起こして事故になっているのかもしれない。

    当 然ながら飲酒運転では「酒の上」という言い開きは成立しない。飲酒しても運転しなければ何事もなかったのに、危険を無視したために死亡事故の加害者になっ てしまう。又、飲酒している人の周囲にいた人も、加害者に運転を許したないしはそれを止めなかったことで罪になる。カナダでは飲酒運転について、法定血中 アルコール濃度 ( 血液 1ml あたり 80mg) を超えると初犯でも免許停止 1 年以上、 $600 以上の罰金が課せられた上に犯罪歴が残る。重犯の場合は禁固刑が科せられる。

    日 本の飲酒運転に関する法定血中アルコール濃度の限度は 1ml 当たり 25mg であるから、カナダの法定量は比較的ゆるやかとも受け取れるが、アルコール消化に関する体質の違いがあるといわれ、又日本同様法規上酒気を帯びた運転は一 切認められないから 80ml 以下の場合でも酒気を帯びた状態での運転は全て取り締まり対象である ( たとえば短期の免許停止 ) 。

    余談であるが、先ごろ米国カリフォルニアのある町では、酒酔い運転を犯すと車のプレートを赤色にすると いう規定が法制化されたと新聞記事で知った。

     

     

    インターネットの安全な利用に関する警告

     

    11月 20 日付ヨーク郡警察ニュース

    ( Japanese Social Service による情報提供)

     

    リッチモンドヒルの住民が不審な E-メールを受信したことに伴って、ヨーク郡警察はインターネットの利用に注意するよう警告している。

    11 月17日午前10時30分ごろ、受信されたメールの内容は、メールを受信したトロントドミニオン・カナダトラストの顧客がカード番号と個人認識番号を送ら ないと口座が期限切れになるというもので、メールの中にはTD Canada Trust Easyと詐称するサイトが、被害者がリンクするために用意されており、そこに情報が入力されるようになっていた。このサイトは実在のTD Canada Trustのサイトと酷似してますが、サイトの登録ドメインは香港になっている。

    郡警察は住民や商店主などに、こういったインターネットを通じた詐欺にだまされないよう、以下に注意す るよう呼びかけている。

     

  • 個人情報をオンラインで使用する時には十分な注意を払う。 個人認識番号は誰にも知らせない。
  • オンラインでサインしたりクレジットカード番号を渡す場合、相手の会社の信用度を確認する。
  • オンラインでコンタクトした相手が必ずしも名乗ったとおりの人物ではない可能性があることを忘れてな い。
  • 何かの企みを含んだり、厄介なことを持ちかけるメールを受け取った場合、返事をしないで警察に連絡する。
  • インターネットを通じて物を売り、詐欺にかかった場合、相手方のサインがないと売った方の損失になる ので気をつける。
  • クレジットカードの請求書は保管すると共に、全ての購入項目を領収書とSつき合せる。
  • クレジットカードで何かを買った場合、必ず領収書をもらい保管する。廃棄する場合には、番号が悪用されないよう細断するか、万全な捨て方をする。
  • サイト、メールに不信がある場合、電話で直接その会社に連絡を取る。
  • JSS 説明

     

    こ の手の詐欺は必ずしも目新しい物ではなく、訳者自身もこれまでに数回受信したことがある。はじめの数回は無視したが、かなり執拗にメールが送られるので、 銀行に直接連絡を取った。銀行は当然のことながら、インタネットによる口座の期限切れなどの連絡は行わないので無視してくれということであった。

    かなり以前からいわゆる identity theft は、多彩な方法で行われている詐欺である。たとえば、

  • ATM 使用時に、あらかじめ機械に取り付けられたカードリーダー ( 機械そのものが内蔵しているものではなく ) で挿入したカードの番号を読み取り、ほかにカード所有者がキーインする個人認識番号をキオスク内に仕掛けたビデオカメラなどを使って読み取る。
  • 商店やガソリンスタンドのカウンターで、店員がカードを二重に機械に読ませ番号を盗むと同時に、カウ ンターの天井などに仕掛けたビデオカメラなどを用いて個人認識番号を読み取る。
  • 個人認識番号を後ろから肩越しに読み取る。
  • など様々である。

    一 方インターネットを通じたものでは、掲出した嘘の口実 ( 銀行口座の期限切れ、銀行で起きた不正行為の追及、口座の異常の調査のためなど多岐にわたっている ) で所有者に情報を打ち込ませるもの、コンピューターの中に不正に組み込んだソフトウエアを用いて盗み取るものなど様々である。

    現代は、銀行カードやクレジットカードの使用を避ける事は難しいが、記事にある注意事項を励行し、注意 を怠らないことが必要である。