オンタリオ生活安全情報 2014年1月

平成29年6月30日

1月の治安情報

1月のトロント市の犯罪総件数は138件であり、アイスストームによる停電が続いた12月よりも10%上昇しているが、11月からの減少傾向は今期も続いているといえる(10月229件、11月166件、12月126件)。


犯罪総件数138件の内、発生件数が多い分署を三つ挙げると、スカボロー東部の43分署がトップで16件、それにダウンタウン中央部東地区の51分署、トロント中央部東地区の33分署が15件で続いている。さらにこれらに続く分署を挙げれば、スカボロー北部の42分署、スカボロー西部の41分署が11件で並んでいる。今期もスカボローとダウンタウンを中心に犯罪が多く発生している。

犯罪のトップ3は路上強盗35件、個人宅への家宅侵入32件、集団強盗15件となる。最近の三つが上位をしめる傾向は続いている。すべての強盗の件数(タクシー、ビジネス、引ったくり、家宅侵入、自動車、路上、金融機関、集団を集計)は82件でトップ、そのあとに家宅侵入(ビジネス・個人宅)の38件が続く形になる。1月は性的暴行が2件あったが、殺人事件や交通事故死は幸い0件であった。


犯罪件数は12月より10%増加している中で、やはり携帯電話の被害は26件と多く、コンピューター機器やラップトップコンピューターの被害(13件)と比べると倍、現金や財布・札入れの盗難18件に比べてもその数は多い。


また、性的暴行事件の発生件数が5件と最も多いのが51分署(ダウンタウン中央部東地区)、これに3件で続くのが43分署(スカボロー南東部)、2件発生したのが、31分署(トロント西部)、54分署(ダウンタウン東北部)、55分署(ダウンタウン東南部)となっている。今期、凶悪犯罪が最も多かった51分署の発生地点をプロットすると、ジェラード・ヤングとジェラード・シャーボンを上底とし、ダンダス・クイーンとシャーボン・クイーンを下底とする台形の地域内で起きていることが分かる。発生時間は午後4時から10時までの間であり、深夜の時間帯ではないが、すでに暗くなり始めて夜にいたる時間帯であり、この周辺に外出する邦人は注意が必要である。


なお、盗難や強盗の被害の中で最も多いのが携帯電話の被害である。トロントスター誌によると、2004年から2013年の10年の間に携帯電話の盗難は3万件以上にのぼり、件数にして4倍の増加であるという。そのピークは2012年であり、トロント市警察が発表した2013年9月24日までの統計によると、2004年から2013年9月までに携帯電話やタブレットなどの手に持って使える電子機器の盗難は、11925件の強盗、21680件の窃盗の犯罪の中で起こっているという。邦人の若者が多く住むトロント西部の12分署では13歳以上の若者がその被害にあっているという。また、ダウンタウン中央部西地区の52分署や、51分署の管轄であるヤングストリートとチャーチストリート界隈での携帯電話の盗難が大変多く発生している。


またトロント市警察では、被害にあう若者に対して、常に注意を怠らないこと、一人ではなく、友達と一緒に行動すること、一人で公園などに迷い込まないことなどを高校生たちに指導したという。また携帯電話を持ち歩くのは300ドルから400ドルの現金を持ち歩くのと同じことで、携帯電話を手に持って外を歩かないように呼びかけている。被害防止のためのこうした教育の取り組みは、トロントに住む邦人にとっても有効な注意喚起である。