治安情報および一般留意事項
令和7年1月10日
1.トロント治安情勢
トロント市警察が発表した2024年のトロント市の主要犯罪件数の総数は50,836件であり、前年から約3.5%減少しました。ただし、過去5年間では最高水準ですので、引き続き、警戒が必要です。内訳は以下のとおりです。傷害事件 25,819件(前年比 5.2%増)
自動車窃盗 9,352件(前年比 24.3%減)
家屋侵入 6,879件(前年比 10.0%減)
殺人 85件(前年比 16.4%増)
強盗 3,206件(前年比 1.9%増)
性犯罪 3,570件(前年比 12.4%増)
窃盗 1,925件(前年比 10.9%増)
トロント市警察は、トロント市で発生した犯罪の状況を示す「犯罪マップ」を作成し、ウェブサイト上で公開していますので、防犯にお役立てください。
2.留意事項
・空港、ホテル、レストラン、図書館等で置引き事案が多発していますので、手荷物から目を離さないよう、警戒する必要があります。また、深夜に人通りの少ない場所や危険な地域には絶対近寄らないようにしましょう。・市内では深夜にタクシーに乗車して帰宅しようとした女性がタクシーの運転手から暴行を受ける事案も発生しています。
・深夜時間帯に限らず、外出時は十分に注意し行動する必要があります。
3.トロント市警察から安全対策法についてのアドバイス
(1)人通りの多いメインストリートを歩き、人通りが少ない横路に入らないほうがよいでしょう。犯罪はそういうところで起きやすいので、特に深夜の一人歩きは避けましょう。(2)自分がどこに行くのか、はっきり目的地を把握して移動しましょう。
(3)夜、バーやクラブで犯罪にあうケースが増加していますので、注意が必要ですが、仮に出入りする場合には、店に入るためのID(写真付身分証明証)1つと現金のみ所持し、旅券は必ずホテルの安全な場所に残しておきましょう。(注:当地で飲酒できるのは19歳以上で、日本人は若く見られるためバーやクラブ等へ入る際は19歳以上であることを証明するIDの提示を求められることがあります。しかし旅行者の場合にはIDは旅券しかない場合が多く、旅券を持ってバーに行き、盗まれる事件が多く発生していますので十分御注意下さい。)
(4)バーやクラブについて、店自体は妥当な店であっても、客がそうだとは限らないので、十分気をつけましょう。特に、自分の飲み物に睡眠薬等薬物を投入されないように、飲み物グラスをテーブルに置いたままトイレに行ったりしないこと。一旦飲み物を放置して席を離れたら、その飲み物には手をつけないようにしましょう。
(5)東西について言えば「Spadina Avenue 」から「University Avenue」 、南北では「Front Street」から「Queen Street」で囲まれる範囲は、「Entertainment District」と呼ばれ繁華街でバーも多数ありますが、その中には、そもそも近寄ってはいけない店も存在しますので、十分注意しましょう。
4.万が一犯罪に巻き込まれたら
旅行中にはたとえ十分に注意を払っていても、犯罪や盗難あるいはトラブルに巻き込まれることもあります。もし、不幸にしてこのようなトラブルにあった場合は、次のような事後処理を参考に行動するようしましょう。(1)緊急時には、911番に電話をかけオペレーターが出たら、緊急事態の発生場所と事態の内容(警察、消防、救急の別)を告げてください。英語で説明できない場合は、「ジャパニーズ・プリーズ」と告げてください。
なお、トロント市内において、駐車違反や遺失物など、緊急時以外での警察への連絡先は、416-808-2222に電話をして下さい。
また、事件、事故の被害に遭い、自助努力のみでは対応できず、かつ、緊急な対応を要する場合、在トロント日本国総領事館(416-363-7038(24時間対応))に電話してください。
(2)負傷されている場合は手当を優先してすぐに病院で治療を受けます。
診察のあとは診断書を受領します。(傷害保険の請求手続や警察への届出の際に必要となります)。
(3)最寄りの警察へ被害を届け出て「ポリスレポート(盗難・被害証明書)」を発行してもらいましょう。最寄りの警察が分からない場合は416-808-2222で確認できます。(ポリスレポートは、「パスポート」の発行や「帰国のための渡航書」の発給、あるいは帰国後の保険金請求にも必要となります。)
(4)海外旅行保険会社(携行品等)、銀行(トラベラーチェック)へそれぞれ連絡します。それぞれの会社や代理店の電話番号を控えておくことも大事です。また、クレジットカードが盗難にあった方の場合には、警察よりもまず先にその発行会社に連絡して、無効処理の依頼をします。また、必要に応じてカード再発行の手続もします。
(5)航空会社に連絡して航空券の再発行の手続をするとともに、現地の日本大使館・総領事館で「パスポート」の発行あるいは「帰国のための渡航書」の発給手続を行います。
5.パスポートおよび帰国のための渡航書発給について
(1)大使館や総領事館でパスポートを発行してもらう際には、ポリスレポートの他に、パスポート(縦4.5cm、横3.5cm、背景は無色)用写真2枚、最新の戸籍謄本及び手数料が必要です。写真や戸籍謄本は、旅行前に準備しておきましょう。また、これらをスーツケースの中など、パスポートとは別に保管しておくことをお勧めします。なお、パスポートの発行には1週間必要です。(2)帰国までの日数に余裕がなく、パスポートの発行を待てない場合には「帰国のための渡航」を申請することができます。必要な書類は(1)と同じです。また、後日海外保険の保険金請求のために、領収書や申請書類の控えは必ずとっておきましょう。
6.邦人援護:大使館・総領事館のできること・できないこと
【できること】(1)事件、事故の被害に遭い、自助努力のみでは対応できず、かつ、緊急な対応を要する場合、当館(在トロント日本国総領事館:416-363-7038(24時間対応))は関係当局との連絡等を行う一方、親族に対し直接または外務省(海外邦人安全課、電話(代)03-3580-3311)を通じて、事件・事故の概要を通報すると共に、当地における事件・事故に 関係する法律制度や手続等について援助・助言をします。死亡事件・事故の場合には、御遺族に対し必要な援助を行うとともに、御遺族の意向に従って、御遺体を日本にお送りする手続きまたは適切な処置等について援助・助言を行います。
(2)刑事被告人または被疑者等として逮捕・拘禁されている日本人の方については、希望に応じ御本人及び関係者と必要な連絡を保つとともに、状況によって親族または知人の方に直接または外務省を通じて連絡を行います。
(3)日本人(観光客等短期滞在者)の方が、重大な事故や病気等で緊急入院したような場合には、当館は個別の事情を考慮しつつ適切な助言等を行います。
(4)自然災害、騒乱や大規模な事故が発生した場合には、当館は直ちに日本人の方々の被害について確認に努めます。万一皆様がこのような被害に遭遇した場合には、たとえ無事であってもできるだけ早くその旨を御家族に直接または第三者を通じて連絡するようにして下さい。
(5)所持金を紛失し、自分自身ではどうしても連絡ができず、当面の生活がままならない場合で、かつ緊急止むを得ないと当館が判断した場合には、当館から直接または外務省を通じ親族または知人の方に航空切符の手配や金銭的援助の依頼を連絡します。
(6)海外にいる日本人が、所在の調査に関する御親族の自助努力にもかかわらず、概ね6ヶ月以上音信が途絶えている場合には、当館は御親族の依頼に基づき外務省の指示によりその所在確認のための調査を行います。
【できないこと】
(1)宿泊費、入院・治療費、航空切符代、その他の個人的費用を立て替えること、またはその支払いを保証することはできません。
(2)民事上の、個人又は商業取引上の相談及びトラブルについては関与いたしません。
(3)旅行業者、航空会社、銀行、弁護士、探偵、警察または病院の業務や役割を担うことはできません。
(4)犯罪の捜査や被疑者の身柄拘束はできません。
(5) 逮捕・拘禁された方の通訳または弁護士の費用、保釈費用、訴訟費用の支払いを行い、またその支払いの保証をすることはできません。
(6)遺失物の捜索はできません。
(7)入国許可、滞在許可や就労許可の取得を本人の代わりに行うことや、その便宜を図ることはできません。例えば、「移民局から入国を拒否されたので、入国が許可されるよう先方と掛け合って欲しい」との依頼には、出入国は当該国政府の権限であるため当館(日本政府)としてはお応えできません。
・外務省海外安全ホームページhttp://www.anzen.mofa.go.jp/も御参考にしてください。